ゲスト:東金町5丁目大下町会 鈴木会長 かつしかFM「なかまで介護」第69回(2020年11月5日放送分)

  かつしかFM(78.9Mhz)から発信する地域包括ケア
「なかまで介護」
毎週(1・3週)木曜日10:00-10:54 放送中!

このサイトでは、ラジオ放送から数週間遅れで、youtube再放送版を公開しております。

なかまゲスト:東金町5丁目大下町会 鈴木会長

町会の概要

マスター:まずは町会の概要について教えていただけますか。

位置的には葛飾区の東北の角ですね。東側は江戸川を挟んで渡ると千葉県の松戸市、北側は水元公園を挟んで対岸が埼玉県の三郷市ということで、本当に外れという形になります。「東金町」というのは昔の「水元小合町」と呼ばれた地域で、早くから開けている金町地域と違って、どちらかというと農耕地という位置づけなんですね。

マスター:世帯数や加入率なども教えてください。

一戸建ての住宅にお住まいの世帯が660世帯、そのうち会員数が460世帯。加入率は71%前後で、区内では高い方だと思います。ただ、そのうち賃貸の共同住宅が74棟で640世帯。こちらの会員数は10人で、ほとんど加入率はゼロに近いということです。両方合わせて1,300世帯、人口としては2,700人で、そのうち70歳以上の方が546人いらっしゃいます。

「地域の支え合い活動支援事業」で町会の在り方を検討

マスター:賃貸マンションの方などにどうやって加入いただくか、どの町会でも非常に大きな問題になっています。具体的な対策を教えていただけますか。

自治町会にとって、「町会に加入して頂く」というのは永遠の課題で、考えてはいますが、やはり限界があります。ちょうど昨年、葛飾区地域振興課で町会活動を支援する「地域の支え合い活動支援事業」の募集があったので応募し、計8回ほど専門家の方に入って頂いて、町会の在り方について検討しました。今までの町会の在り方を反省して、これから新しく転居されてきた方、特に若い方を町会活動に引き込むためには、やはり変えなくちゃいけないという結果が得られた。以前から今の町会の在り方に危機感を持っていましたが、第三者が入ることによって、役員の方も感心を持って話し合いに加わりました。自分達だけでやっていると、今までの経験からなかなか脱皮できない。新しい考え方も取り入れることができて、非常にメリットがありました。

サポーター制度の新設

マスター:これから対策を進めるということですが、少し細かく教えてください。

大きく変わった点としては、「サポーター制度」を取り入れたということです。今までは、町会というと役員がいて役員会を組織していたわけですが、これは役員ではなく、いろいろな町会事業を実施する時に、できることをやっていただく方ということです。

マスター:いわゆるサッカーのサポーターみたいに、応援団のような感じですね。

大下町会の考え方に賛同していただける方ならどこにお住まいの方でも構いませんので、ぜひサポーターになってくださいとお願いをしているところです。先ほどもお話しさせていただいたように、うちの地域は転入者がここのところ特に多い。30代後半から40代の方に直接役員をお願いしますと言ってもなかなか敷居が高いだろうと。うちには「サポーター制度」というものがあるので、できる時にできることをお手伝いいただけませんかと。

町会の標語と目的を明確化

マスター:町会をもっと多くの人に知ってもらうため、標語やチラシを作ったと聞きました。

町会と言っても組織ですから、目的を達成するために何をやるか明確なものがないと、なかなか活動がうまくいかないということで、標語とチラシを作りました。標語は、安全安心の町作りのために「みんなで築こう互(ご)近所の和」。町会の姿勢を示そうと、のぼり旗を作って町会内に立てています。

また、目的を達成するために5つの項目を設定。かなりハードルの高い目標ですが、表に出すことでプレッシャーにもなりますけど、逆に言えば、やりがいが出ますよね。

『協力して助けあう「共助」の町づくりをめざします』

『安心・安全な町づくりをめざします』

『楽しく多くのみなさまが参加できる事業の開催をめざします』

『災害に強い町づくりをめざします』

『全世帯の町会加入をめざします』

マスター:町会に入っていない方にも、こういう目標をもってやっていると、わかりやすいですよね。今、実際にチラシを拝見していますが、うちの町会でも真似をさせて頂こう(笑)。

私どもの立場としては、チラシを配布したらそれで終わりじゃなくて、その内容をご理解いただくように、これから私たちが努力をしていかなくちゃいけないかなと思っています。

災害への関心は高い

マスター:若い人たちも、自分が住んでいる地域の災害対策について、災害用品とか避難場所とか、かなり興味を持っています。サポーター制度も取り上げていらっしゃるのであれば、町会としても、ちょうどいいきっかけ作りになるかもしれないですね。

今までは地震対策をしてきましたが、昨年の台風15号・19号を経験して、これからは水害対策もやって行かないといけない。ハザードマップではそう水害が発生する地域ではないとされていますが、それはあくまで予想ですので、何が起こるかわからないと思っています。

年間行事の紹介

マスター:年間の事業として、いろいろな行事をやられていますね?

7月に「納涼の盆踊り大会」、9月か10月には地元の「香取神社の例大祭」、11月は「防災フェア」で、12月には地域安全祈願の「餅つき大会」。これは子供会と合同で行っています。

防犯・防災対策について

マスター:防災フェアを含めて、防犯や防災対策について詳しく教えてください。

「防災訓練」を何で「防災フェア」という名称にしたかというと、まず「防災訓練」というと文言が固い。参加する人もなんか行きたくなくなっちゃう。町会としてはお子さんからお年寄りまで、もしくはご家族で参加して頂けるような、もちろん訓練はやるんですが、もっと楽しく参加できるイベントという位置づけとしてやろうということですね。

マスター:きっかけがあるそうですね。

きっかけは平成23年3月の東日本大震災ですね。その時、私も自宅にいたのですが(ここまで大きい地震は)初めての経験ですね。町会内に大きな被害はなかったわけですが、もっと大きな被害が出たら町会として何ができたんだろうと考えてみた時に、多分何もできなかっただろうと思いました。それでいいのかな、いやそれじゃまずいだろうということで。地域には災害時に支援を必要とする人が間違いなくいます。そういう方たちを支援するための組織作りですね。うちのエリアは住宅地なので、昼間はほとんどの男性がお勤めに出かけていていない。災害が発生する曜日や時間によっては、支援する側の人がいない状況が十分想定されるんです。

女性市民消火隊の発足

店長:(東日本大震災は)14時46分でしたから、真っ昼間ですね。いわゆる地元に関しては、奥さんとか女性の方しかいない地域がたくさんあった可能性があります。

今の女性は忙しいですから地域にいるとは限りませんが、男性と比べればまだ可能性があるということです。災害が起きたときの「女性による災害チーム」を作りたいと思い、断られるのを覚悟で女性部会に相談しました。幸い賛同して頂き、総勢20名で女性だけの災害時支援チーム「女性市民消火隊」ができました。これは、すべて女性がやるということではなく、この地域では女性も防災について頑張っていますと、地域の方に防災について関心を持ってもらうということですね。

マスター:具体的にはどのような活動をされているのでしょうか?

防災組織というと、だいたい消火ポンプの消火訓練だと思われますけど、それもやってはいますが、それよりも町会として考えているのは、避難する必要がある時に助けて欲しいという方がいらっしゃいますので、まずそういう方たちの安否確認とか避難誘導ですね。

店長:細やかな気配りとか、そういうことができるのは男性より女性ですからね。

担架の搬送訓練とか応急手当、AEDを使っての心肺蘇生など、それぞれ年に2回ほど訓練しています。自治町会では、今までは女性は裏方で活動していたのですが、これからは表に出て女性が地域を引っ張っていく、というような町会にしていきたいと思っています。

女性だからこその視点

マスター:災害が起きたときでも、あそこのおじいちゃん、おばあちゃんはどうかしらとか、そういう情報、特にコミュニティを持っているのは女性の方が強いですよね。

各学校で避難所の運営会議というのがあるのですが、今まではだいたい男性の出席が多い。半数は女性なのに、なんで女性が入っていないんだと思いました。

マスター:ましてや、子供たちのことはお母さんの方がずっと知っていますもんね。

それで、うちの町会では5人のうち3人を女性(の参加)にしました。お願いしているのは、女性の視点でどんどん意見を言ってくださいと伝えてあります。

マスター:いわゆる日々の細かい気遣いの部分での町会の情報だとか、それこそ、消火器の点検をしながらご近所にちょっとお話しするとか、これは男性よりも女性の方が情報網をもっていますね。

私の経験では、女性の方が頭が柔らかいですよね、いろんな視野を持っています。

 

 

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