04認知症の人と接するときの心構え

誰よりもつらく、苦しいのは本人

もの忘れによる失敗が増えた、いままでできていたことができなくなってきた...
なんだろう、おかしい。 と、まず本人が感じ始めるはずです。
”認知症かもしれない” ”自分はこれからどうなってしまうのか”
不安な気持ちは本人でなければ計り知れないものでしょう。
それが ”認知症なんかじゃない”と認めることを拒む気持ちとなり、”私はまだ大丈夫”と頑なな心になってしまう場合もあるのです。
まずはそういう本人の気持ちを理解しましょう。

様々な周辺症状にも”何かしら”・”本人なりの”理由がある

誰でももの忘れをしてそれが思い出せないとき、モヤモヤとしてすっきりしない気持ちになります。思い出せるまでそのことを考えて、イライラしたり、不安な気持ちになることもあるでしょう。 また、自分ができると思っていたことがうまくできなかったとき、悔しい思いをしたり、自信を失ったりすることがあります。それを他人から指摘されれば余計にショックを受けたり、腹を立てることもあるかもしれません。
認知症の人は、そういうもの忘れが多くなりしかもそれが思い出せなくなるのです。
失敗が目立つようになり、悔しい思いをすること、情けないと落ち込むことも増えてきます。 抑うつやイライラ、暴言などの様々な認知症の症状は、そういうことが原因で引き起こされている場合もあるのです。
認知症の人は常に不安感を抱えているので、好ましくない状況に自分が立たされていると感じると、自分を守るために強い拒否反応を示すことがあります。 これを防衛反応といいます。
認知症の人と接するときは、これらのことを予め知っておき、認知症の人を安心させるよう努める必要があるでしょう。

”何もできない、何もわからない人” ではない

認知症は急に”思い出せない・覚えられない”という状態になるわけではありません。
病気は少しずつ進行していきますが、その人なりにできることはたくさん残されているのです。
また、知的機能が衰えても、喜怒哀楽などの感情が完全に失われるわけではありません。
失敗を責めることなく温かく見守って、できることは自分でしてもらい、できないこと・難しいことにはさりげない支援をしてあげるとよいでしょう。

NPOかつしか・シルバー介護相談室