ゲスト:ベルケアサービス ベル東堀切 訪問看護ステーション所長 福田多加美さん(葛飾区介護サービス事業者協議会 役員) かつしかFM「なかまで介護」第68回(2020年10月15日放送分)

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「なかまで介護」
毎週(1・3週)木曜日10:00-10:54 放送中!

このサイトでは、ラジオ放送から数週間遅れで、youtube再放送版を公開しております。

なかまでゲスト:ベルケアサービス ベル東堀切 訪問看護ステーション所長 福田多加美さん
(葛飾区介護サービス事業者協議会 役員)

葛飾区介護サービス事業者協議会の概要

マスター:葛飾区介護サービス事業者協議会について詳しく教えて頂けますか?

葛飾区内の、ケアマネージャー、ヘルパー、訪問看護、お風呂、介護施設など介護サービスをやっているいろいろな事業があるんですが、そういった方たちに加入していただいている協議会です。その中で、事業者の方たちや利用者の方たちに還元できるようにと日々活動させて頂いております。

訪問看護って?

マスター:福田さんは、その中の「訪問看護」をやられているということですね?

看護師さんがご自宅に訪問するというのが「訪問看護」です。文字がよく似ている「訪問介護」は、介護保険の中で事業所から派遣されてくるヘルパーさんが、ご自分の身の回りのことをサポートしてくれるサービスです。お家の周りやお家の中の大掃除だったり、買い物だったり、オムツを使っている方でしたらおむつを取り替えて綺麗にしてもらったりというのがヘルパーさんのサービスとしてあります。私たち「訪問看護」のイメージは、入院した時に病院の中に看護師さんがいらっしゃいますよね?例えば、お体を拭いたり、点滴をしたり、傷の手当てをしてくれたり。医療処置を自宅に来てやってくれるのが、「訪問看護」という仕事で、お体全体の健康状態を確認したりするのも、もちろん看護師の役割です。

「訪問看護」と「訪問介護」の連携

マスター:お一人の方を在宅で診るというのは片方だけじゃなくて、「訪問看護」と「訪問介護」が連携してってことだよね。

病院では「治療」が大優先ですけど、家に戻ると生活が基本なので、まずは生活ができて、かつ病気を持っておうちで過ごされている。今は長期入院が制度的に厳しい状況なので、家で生活しながら療養するという方が多く、その辺のニーズはかなり高くなってきています。

 マスター:そこにかかわる連携をコントロールする人が、ケアマネージャーさん。

私たちはケアマネさんと呼んでいますが、介護保険サービスのいろんな段取りをすべて整えて、その方に必要なサービスをご本人たちと相談しながらチョイスして、日程や費用面すべてのことを含めてコーディネートしてくれます。

ベル東堀切 訪問看護ステーションについて

マスター:方針だとか、こんな風にやっていきたいなどはありますか?

私を含めて5人の看護師の方で日々行っておりまして、人数は少ないですが24時間の対応をしています。携帯を持ちながら、夜は枕元に置きながら鳴ればすぐ出て、必要であれば着替えてすぐ飛んでいくという日々を過ごしています。医療従事者のエゴにならないように、ご本人たちがどうしたいのか、なるべくご本人たちに寄り添うような形で看護をしていくというのが、うちの方針ですね。

 

マスター:うちのグループホームでも看取りまで含めて可能な限りやろうってやってきていて、その中で一番大切にしているのは、やっぱり一緒。その方自身がいちばん望んでいるものを最期まで成し遂げられるように、お手伝いをしたいなあと思っています。

みなさん経験を積んできた看護師さんが多いので。あと、会社としてはヘルパーもケアマネの事業もやっていますので、医療と介護の連携が取りやすい。呼吸器をつけた難病の方、癌の末期の方、そういった方たちのサポートは本当にすぐに動けて対応できる、その連携の強みは大きいのかなと思いますね。今は医療依存度の高い方が増えているので、ご自宅で痰の吸引をするとか、そういった方達が増えていて、そういったことはヘルパーさんもやりますので、その研修を行うなどもしています。

事例:お一人暮らしの70代男性(癌で闘病)

マスター:具体的な事例を教えてもらえますか?

70代の男性でご結婚されていなくて、弟さんが他界されて一人になってしまった方です。癌が見つかって転移もあったので、ベッドで寝たきりの状態だったんですけど、それでも、お家で自分のペースで生活して過ごしたい最期も自宅でということで、結局3ヶ月弱ぐらい関わらせて頂きました。ベットから動けないので、すべての面に関して人の手が必要になってくるんですが、そこは介護保険のサービスをフルに利用して、食事の準備や買い物、洗濯や身の回りの掃除をヘルパーさんにやって頂いて、看護師は医療的な処置を行いました。痛みがあって麻薬のテープを貼っていたので、痛みのコントロールや床ずれの処置など、先生も一緒に毎日訪問させて頂きました。

やっぱり一人だと不安になってしまうようで、ボタンひとつで介護ヘルパーさんの方のケアコールセンターにつながって必要な時は契約をしている訪問看護師に連絡が来るんですが、連絡が来てお伺いすると、痛いわけでも、何かをしてもらいたいわけでもなくて、ただひたすら世間話とか1時間程おしゃべりして帰ってくるということが夜中にありました。また、整理のために、その数ヶ月の間に後見人の方などの手配も周りで進めました。そうすることで、ご自宅に先生が来て看取りをしてくださった後も滞ることのないよう、そのように準備されて逝きました。

お一人お一人の残された時間、自分自身がどうしたいか、過ごし方の選択肢の幅を広げてあげるということも、私たち在宅の医療従事者、ヘルパーさん、ケアマネさんたちの役割なのかなとは思いますね。

認知症のサポート

マスター:以前、(葛飾区の看取り診療で代表的な)わたクリニックの先生に来て頂いたときに、「ほとんどの方が癌で2か月とか3か月とか期限がある程度見える状態で、その間をどうするかということだから出来るけど、介護は本当に先が見えない。それをご家族も施設系も含めて、ずっと先がわからない状態でやっている方々を私はすごいと思う」と逆に言って頂きました。

期限がないといえば、認知症の方たちですね。認知症の方々をご自宅で見ながら、その変わっていく姿を見ているのは家族もつらいですし、ご本人も自分が変かもしれないと揺れ動いている状況で、いつまでこれが続くのか先が見えない。やはり、介護の中で一番大変なのは認知症の方達のサポートなのかなとは思いますね。

マスター:でもね、うちのグループホームでも訪問看護や訪問医療など皆さんの協力を受けながら、24時間体制でスタッフたちも頑張れるし、ご家族の協力もある。認知症のご本人自身も、あまり深く考えないでとにかく今を楽しもうって感じで、本当に笑顔が多い。

「老いる」とか「病気になる」とか、歳を重ねていくことをすべてネガティブに捉えるのではなく、その時々を楽しんでいくという、そういう考え方はすごく大事だと思います。

最期まで自分の希望に添えるようにするには

マスター:最期まで自分の希望に添えるような人生を送れるように、みんなで協力していこうっていう土壌が葛飾区ではできてきているし、そういうシステムも制度もできてきている。介護保険は大きいよね。医療保険との連携もそうだしね。

一人ひとりがこの先に年を重ねていった時に、どういう形が望みなのか、どうしたいのかということを、常々、頭の中でイメージして、友達でも家族でもいいので、そういったことをお話ししてほしいですね。そうすると、具合が悪くなることや認知症になることも、ネガティブではなくなります。

マスター:自分たちで早めにちょっと話し合って、ある程度決めておくだけで、その人の希望やなにかを、周りのみんなが、プロ達がお手伝いしやすくなるんだよね。

タブー視しないで向かい合って話して欲しいですね。私の家では夕飯を食べながら、よく、おむつを替えてくれた人にお母ちゃんの貯金の残りをあげるねと言っています(笑)。

現実にできるかできないかは置いといても、希望としてはこうしてもらいたいとか、延命措置とかやって欲しくないとか、それを早めに家族や周りに伝えておくことが重要です。自分が最期の段階の時に意思表示ができるように、どんな形であれ、それがすごく大事かなと思いますね。

 

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