06家族だけで抱え込まない

がんばらない介護

「がんばらない介護」という言葉を耳にしたことはありますか?
でも、現実として”私ががんばらなければとても介護できない”、”今日1日を過ごすことでいっぱいいっぱい”という方も多いでしょう。

では、どうして「がんばらない介護」と言われるのか。
まず、介護はいつ終わるともわからなず、長期戦になる可能性が高いものです。
最初からフルパワーで臨むと、途中でスタミナが切れてしまい共倒れになりかねないのです。
また、がんばるとどうしても無理を重ねることになり、心や体にストレスが溜まります。
ストレスが溜まると余裕がなくなり、つい厳しい口調になったり本人に当たってしまったりして、相互の関係を悪くしてしまいがちです。
それがまたストレスとなって...という悪循環に陥ることも考えられます。
それに、介護する人が無理をしてがんばっている姿は、介護されている人にとっては気兼ねや遠慮につながるかもしれません。

介護をする人もされる人も過度の負担を強いられることなく、心穏やかに過ごせるように-。
そのためにはいくつかのポイントがあります。

  1. 1人で介護を背負い込まない
    ~できる範囲で家族で分担する。
    家族会など介護する家族同士の横のつながりを築く。~
  2. 積極的にサービスを利用する
    ~福祉サービスを利用し、プロの手を借りる。
    レスパイト(小休止=介護からの一時的開放)でストレス発散。~
  3. (介護をする人もされる人も)現状を認識し、受容する
    ~元に戻そうとするのではなく、病気と共に本人が生活しやすい方法をみつける。~
  4. 介護される側の気持ちを理解し、尊重する
    ~介護される人のプライドを尊重し、自分でやろうという気持ちを大切にする。 介護する人のやり方を一方的に押し付けない。~
  5. できるだけ楽な介護のやり方を考える
    ~介護される人にとって精神的・肉体的負担の少ないやり方を選ぶ。
    介護用品や福祉用具をうまく活用する。~

参考: 「がんばらない介護生活.com」(がんばらない介護生活を考える会)

”つながり”を築く

”家族が認知症になってしまった…”
辛く、やるせない気持ちを抱えながら日々の介護に追われていると、気持ちが煮詰まってくることもあるでしょう。
そんな時、救いとなるのは介護する家族同士の横のつながりです。
”自分1人だけじゃない”という気持ち、そして”こういう介護もあるんだ”というような気づきが希望に結びつくことがあります。
”つながり”を築くことで、介護に役立つ様々な情報を得られることもあります。
絶望的な気持ちに陥る前に、誰かに相談してみることが大切です。

地域単位で家族会が設けられ、悩みを相談したり情報交換などをしている場合もあります。お住まいの地域包括支援センターに相談してみましょう。

また、公益社団法人「認知症の人と家族の会」も、家族同士の情報交換や支え合いの場となっています。
介護経験を持つ会員が同じ立場で電話相談を受け付けています。
ホームページをご参照ください → 公益社団法人認知症の人と家族の会

社団福祉法人浴風会 在宅福祉・地域サービス事業
介護支え合い電話相談室(フリーダイヤル) 0120-070-608
受付時間:月~金曜日 10~15時 (土日、祝日、年末年始はお休み)

NPOかつしか・シルバー介護相談室