ゲスト:葛飾区歯科医師会 会長 勝俣さん かつしかFM「なかまで介護」第62回(2020年7月16日放送分)(内容追加)

  かつしかFM(78.9Mhz)から発信する地域包括ケア
「なかまで介護」
毎週(1・3週)木曜日10:00-10:54 放送中!

このサイトでは、ラジオ放送から数週間遅れで、youtube再放送版を公開しております。

なかまゲスト:葛飾区歯科医師会 会長 勝俣さん

歯の治療を取り巻く状況

マスター:今は小学生や幼稚園生も含めて、すごく虫歯の確率が下がっていると聞いて、驚きました。

僕が開業してすぐの頃は、検診に行くと虫歯がいっぱいの子がたくさんいましたが、今は逆で、虫歯がある子を見つける方が難しい。お母さん方の知識が増えているんですね。

マスター:介護の施設では、体の部分も辛くなってきて、外にいつもと同じように出るというのも厳しくなっている中で、歯がちゃんとあって美味しく食べられると言うのは人生を楽しくしてくれる大きなものですよね。

平均寿命が長くなっても健康で過ごせないとダメですよね。健康寿命と(はまだ)10歳くらい差があるので、そこをなんとか縮めたい。そのためには、歯の健康を保つことが非常に大事だという話もあります。

歯科医院でのコロナの対策

マスター:先日、ある携帯会社で抗体検査を数多くやった際に、医療機関について調べた中では歯医者さんや歯科衛生士さんの感染者数が少なかったと聞いています。
コロナの拡大で歯科医院に行きたくない気持ちはわかるのですが、患者さんが歯科医院に行って(コロナに)かかるということはあまり考えられません。というのも、何十年も前から標準的な消毒方法というか、いろいろな感染を持った人が歯科医院には来ますので、それを防ぐという意味もあって、そういうことをずっと昔からやっているので、そんなに心配しないで歯科医院に来て頂ければと思います。

8020運動とは

マスター:僕も虫歯があって、友達の歯医者さんに治療してもらったら、美味しく、気持ちよく食べられるようになりました。

「8020」という運動を知っていますか?「80歳で20本の歯を残そう」というものです。(自分の)20本の歯があると結構噛めるんですよ。それで、この運動をやっていますが、今はそういう人が増えています。

マスター:技術もどんどん進んでいますよね。歯医者さんに行って、とにかく相談する。その後は、食事を楽しめて、大きな口を開けて笑える。「歯」というのは大きいですね。

治療が終わった後が大事なんです。例えば4、5か月に1回くらいメンテナンスするといいということがわかっています。定期的に通うことを考えて頂けるといいですね。

店長:今は高額でなくても、歯を作ることができると聞いています。

日本ではそれができるんです。例えば、アメリカではお金を持っていないと歯の治療はできないので、まったく歯抜けの人がたくさんいます。日本では特別なこと以外であれば、ほとんどのことが保険診療でできるんです。

店長:小さい頃は、歯が痛くなったら歯医者さんに行く、いちばん嫌われるドクターが歯医者さんでした。今は、歯石を取りにいこうだとか、メンテナンスで予約をする人も多くなっている。

今はお母さんたちの意識が高いので、子供さんを定期的に連れて来る方もいます。そういうことを子供の頃からやっていると、一生続く可能性はありますよね。

ホームドクター(かかりつけ歯科医)を持ちましょう

マスター:データを見ると、歯の治療をしていなかった63%の人が回答していて、もっと定期的にかかりつけのドクターに見ておいてもらえばよかったと反省しています。この「かかりつけ歯科医を持とう!」という運動の趣旨を教えて頂けますか。

(ここでいう)かかりつけ歯科医というのは、行きつけの歯科医のことではないんです。痛くなってから行くとか(何かが)外れたから行くとかそういう歯医者さんではなくて、定期的に通って、口の中を綺麗にしてもらったり、虫歯と歯周病の検査をしてチェックしてもらったりして早期に治療をする、重症化を予防するのが主な役目です。もっといえば、他の体のことすべてに対して、いろんな相談を受けるのが歯科医だと思っていますので、かかりつけ歯科医というのは非常に重要だと思っています。

マスター:治療が治った後も、定期的に予防も含めながら通って、虫歯やその他の病気にならないようにする。それを診ていただけるのが、かかりつけ歯科医ということですね。

口の中には全身の病気の一部が現れることがあるので、それを診てあげることもできますよね。口の中に何か腫れものがないかとか、舌がんなんかもチェックするようになっています。自分ではわからないですからね。

マスター:そういう歯医者さんをあなたは持っていますか?ホームドクターを持っていますか?ということですね。持っていないならば、どちらかにぜひ行って頂きたいですね。

近所の人や友達に聞いてもいいですから、ぜひ探して頂きたいと思います。

歯科医師会の活動

マスター:歯科医師会としての活動のご紹介をお願いできますか。

区の委託事業として、自分で歯科医院にかかれない人やそういう高齢の患者さんに対して診療を行っている「たんぽぽ歯科診療所」(環七通り沿い、亀有2丁目)というのがあります。患者さんのお宅まで介護タクシーで迎えにいって診療所に連れてきて、歯科の診療台の上で診療するシステムと、訪問歯科診療のために、車で機材を持って患者さんのお宅で診療をするという2本立てでやっています。全国的にも画期的なことで、うちが最初に始めて、平成2年からやっているので随分と経っています。

店長:いろいろな環境の方でも(歯の治療を)受けられるようになっているんですね。ぜひ利用されるといいですね。

 マスター:高齢者総合相談センターと葛飾区歯科医師会も協力して活動されているので、相談してみてもいいですね。最寄りの高齢者総合相談センターに相談してみてください。

自分でやれる口腔ケア

マスター:日々、自分で行えるような口腔ケアを教えてもらえますか。

歯ブラシの持ち方がまず大事です。力を入れて握ってはダメで、ペンを持つように持って歯にあてて、小刻みに動かしてください。全部の歯と歯の裏側もやってください。全部やると5,6分はかかるので、寝る前だけでもやってみてください。汚れをしっかり取った方がいいですから、その後にデンタルフロスとか糸ようじとかも使って欲しいですね。最後にリンスを使ってうがいをしてください。寝る前にやるのは、夜は寝ていて口の中に唾液も出ないので、虫歯や歯周病になりやすい。だから1日の汚れを取って寝てくださいということです。

店長:正しいうがいの方法は?

まず口の中をブクブクやっておいて、喉という手順でしょうか。今の歯磨き粉にはほとんどフッ素が入っているので、磨いた後2,3分は何もしない方がいいかもしれませんね。

今後の活動について

マスター:予防教室のようなイベントも、(感染拡大の)様子をみながら今後はやっていかれるのでしょうか?このへんの情報は「広報かつしか」に載ったりするのでしょうか?
そうですね。いつもは「成人歯科検診」というのをやっているのですが、コロナのために延期したりして、秋頃にはやる予定です。

メッセージ

マスター:最後に、聞いている方へ伝えたいことがあればお願いします。
我慢しないで診療を控えないようにして頂きたいですね。あまりほおっておくと、重症化するなど、いろいろと困ることが多くなります。あまり我慢しないで、ぜひ歯医者さんにかかってください。

 

介護についての悩みやご相談など、なんでも結構です。
ぜひ番組までメールください。

かつしかFM「なかまで介護」

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