ゲスト:葛飾区医師会 地域医療部 地域包括ケア担当理事 大山クリニック 院長 大山高令さん テーマ:「フレイル元年 フレイル予防、サルコペニア対策」 かつしかFM「なかまで介護」第35回(2019年9月12日放送分)

  かつしかFM(78.9Mhz)から発信する地域包括ケア
「なかまで介護」
毎週(1~3週)木曜日10:00-10:54 放送中!

このサイトでは、ラジオ放送から数週間遅れで、youtube再放送版を公開しております。

 

なかまでゲスト

葛飾区医師会 地域医療部 地域包括ケア担当理事 大山クリニック 院長 大山高令さん

 

フレイルについて

マスター:フレイルについて詳しく教えてください。

日本語では、弱ってくる、虚弱してくるという意味です。食べることや飲み込みが弱ってくる「口腔」。筋力を含めた「身体機能」。もう一つは頭、認知症も含めた「脳神経」面の弱り。あとは「社会的」な弱りで、閉じこもったり社会から孤立したり。この4つを合わせたものをフレイルと言います。身体面フィジカルの「P」、口腔面オーラルの「O」、神経ブレインの「B」、 社会的な面ソーシャルの「S」。それで「POBS」、フレイルということで、葛飾区や葛飾区医師会の方では健康長寿のための必須アイテムということで、対策をしています。

 

マスター:生きていく上で必要なもの、社会も含めて網羅されているということですね。

健康長寿を目指すには、心と体の両方が健康でないと本当の健康とは言えません。食事や嚥下がうまくいくか、筋力をちゃんとつけているか、体が動かせるようになっているか。一方で、脳神経的なところがちゃんと伴っているか、社会的にちゃんと交流があるか、そういった面も含めて本来の健康になります。

事例とフレイルのチェック項目

店長:お一人で住んでいらっしゃる方が、俺は健康だからと。でも社会と断絶しているので決して健康ではない状況ですよね。

まだ認知機能が大丈夫な方だと、一人でも俺は大丈夫となる、のですが、時間とともに自立できなくなってくると周りから隔離されて、すごく問題になるケースが出てきています。

 

店長:高齢者総合センターの方も民生委員の方も関わってくださって、危ない状態だったのを回避できたと聞いて、すごいなと思いました。

フレイルのチェック項目として、一つは「体重減少」、もう一つは「歩行速度」が落ちていないか。信号が変わらないうちに渡りきれないなどは、フレイル予備軍です。

 

店長:体重増加は対象ではないでしょうか。

ご高齢の方では体重が減ることがすごく問題になります。高齢者では体重が減っている方の方が脂肪率が高い。だから両方ケアしないといけない。適正体重があって、太っていても痩せていても良くない。特に高齢者が痩せ出したというのは、やはり食べられていない、筋力がついてない、フレイルじゃないかというところで要注意ですね。

 

店長:うちの義父が亡くなる3年ぐらい前から体重が減少してきて、歩行とかが出来なくなって、寝たきり状態になりました。

ちゃんと食べているか飲み込めているか、それができてないのであれば何らかのサポートをしなければなりません。医療機関で栄養剤を補給したり、普通の食事を食べやすくしたり。食べたものが体を動かすことで筋力になっているか、こういったことをオーラル面、フィジカル面、POBSですごく注意していかなければならないと思います。


店長:信号を車で見ていると、そういう方をよく見かけますね。

また、「筋力の低下」という項目があって、お歳になってくるとペットボトルを綺麗に開けられず、開けてもらえる?となってくる。筋力が落ちているひとつの指標にはなります。


マスター:まず信号を渡りきれているかどうか、ペットボトルを自分で開けられているか、それが自分で判断する上での一つの目安ですね。

普段の生活の中でそこに気付くかどうか。他の人と比べてちょっと最近歩くのがついていけないとかあれば、歩行速度が落ちてきているということなりますね。

葛飾区医師会のフレイル対策

マスター:フレイルについて、医師会の活動を教えてください。

体重の面、歩行速度の面、筋力の面、あとは精神的な面。最後に5項目として、身体活動量が低下している、動き回らないということですよね。座ったままであったり外出しなくなったりとか、ソーシャル面のフレイルが該当します。元気なお年寄りの方って何歳になっても元気ですよね。それはブレイン面とかソーシャル面がすごく活発だということで、そういった面が落ちていないかも一つのチェック項目です。これらになんらか該当する場合に、葛飾区医師会では「フレイル予防サルコペニア対策室」というのを今作っています。「サルコペニア」というのは「筋肉量が低下していること」ですね。どうみるかというと、両腕の親指と人差し指で輪っかを作り、ふくらはぎがこの輪っかより太ければ大丈夫。スカスカになっていれば、サルコペニア筋肉量が落ちているということです。

 フレイルの判断基準

店長:わかり易いし、楽しいですね。

ふくらはぎの筋肉量がサルコペニアになっていると、歩行速度も落ちてきているでしょうし、歩行速度が落ちていて筋肉が落ちている方は、やはり握力も低下しているはずですし、それは何からきているかと言うと、うまく食べれていないんじゃないか、栄養を摂っていてもそれを筋肉に変えるだけの運動ができていないんじゃないか。そういったフレイル状態の判断になります。

 

店長:年齢によっては、歩行するより車に乗っていた世代というのがありますよね。

万歩計を付けて1日1万歩あるいていますかといったのがひとつの目安になりますし、フレイル予防も、体を動かさないと筋肉はつかないです。歩けないとフィジカルフレイル、身体面の低下機能になってきています。

カロリーを摂ることも重要

マスター:今は高カロリーのものとか色々なものが開発されていて、摂りやすい時代になっていると思います。

カロリー制限も生活習慣病を予防する面ではすごく大事ですが、それをもう気にしなくてもいいような状況になってきた段階だと、やはりカロリーを摂らなくてはいけない。最近CMによく出ているMCTオイルは、普通の油と違って直接肝臓で代謝されるので脂肪が付きにくい油になっています。一方で、油なのでエネルギーはある。よく食べられなくなってきた方に、液もパウダーもあるのでご飯に振りかけたり味噌汁に入れたりしてエネルギーを補充して体重が減るのを防ごう、栄養面の摂取を増やそうというのがあります。筋肉が落ちている、タンパク質が足りないという方には、プロテインパウダーというのもあります。

 

マスター:本当に体重が落ちることが危険だとなってきたときには、そういう摂りやすいものができているということですね。

「フレイル予防サルコペニア対策室」では、管理栄養士さんと嚥下の面の言語聴覚士さん、体を動かしているかどうかの理学療法士さん、体の細かい運動がどうかということで作業療法士さんに、看護師も加わって体調チェックも兼ねています。この5つの職種が相互協力しながら、フレイル予防、サルコペニア対策のチェックから指導、相談室に来た段階から毎月電話フォローして半年後まで、よくなったかどうかを無料でおこなっています。信号が渡りきれなくなった、ペットボトルが開けにくくなった、(先程お話しした)輪っかがスカスカになってきたと言う方は、ぜひとも医師会に相談して、「フレイル予防サルコペニア」の対策をして頂ければと思います。 

高齢者総合相談センターに相談する

マスター:高齢者総合相談センターに電話をかけて、フレイルについても、どうやって手続きすればいいというのも教えていただけますか。

「フレイル予防サルコペニア対策室」は葛飾連携相談室といった形で、高齢者総合相談センターと一緒に地域ケア会議を行うとか、医療面の相談に乗るなど、順次連携をとっています。高齢者総合相談センターに相談してもらえれば、そのまま医師会の方にも連絡が来ますし、直接、医師会の方に連絡して頂いても構いません。

長寿健診のあとに

マスター:弱った方が元に戻ってもらうためには本当に必要なこと。自力だけじゃできない。

長寿健診の時に、葛飾区医師会「フレイル予防サルコペニア対策室」のご案内が載った「フレイル予防サルコペニア対策」といったパンフレットが健康づくり課から配られます。長寿健診が終わってパンフレットをもらったら、自分は大丈夫かなという方はご連絡頂ければと思います。

メッセージ

マスター:認知症も進んでしまうと今の医学だと戻すのは難しい。同じように、介護にまでなってしまうと簡単に戻るのは難しいけど、フレイルの状態だったら、ドクターも含め、いろんなアドバイスをもらうことによって戻れる確率が高い。だから予防を含めて大切だということですよね。

早くフレイル状態を見つけて、健康長寿を延ばして頂ければと思います。

 

 

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