ゲスト:葛飾区歯科医師会 金町ヴィナシスデンタルクリニック院長 小笠原さん かつしかFM「なかまで介護」第43回(2019年12月5日放送分)

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「なかまで介護」
毎週(1~3週)木曜日10:00-10:54 放送中!

このサイトでは、ラジオ放送から数週間遅れで、youtube再放送版を公開しております。

なかまで相談室

高齢者総合相談センター亀有 石黒さん

マスター:最近気になっている事例など教えてください。

葛飾区では、「75歳到達者戸別訪問」を実施しています。平成25年度から実施して、今年度も4月から区内の高齢者総合相談センターの職員が年度で75歳の誕生日を迎える方を訪問させていただいています。年度の初めに「広報かつしか」に掲載されるのですが、なかなか皆さんご存じなくて。

マスター:いきなり来られると驚く方も中にはいらっしゃいますか。

今は詐欺も多いので警戒される方も非常に多いですし、なんでいきなり来るんだと怒る方、来てくれて良かった大変ねと優しい言葉をかけてくださる方もいらっしゃいます。

店長:ちゃんと身元がわかるようにしているので、それは信じていただかないと。

区の委託証明書を必ず持参していて、提示することになっています。

マスター:訪問して、その後も繋がるなどあるのでしょうか。

先日訪問した方では、家族から相談しなさいと言われていたけど、どうしようと思っていたところに職員が来て、実はということがありました。外に階段があって手すりがないので、階段の上り下りがかなり大変になっていました。体の機能の低下した方という条件はありますが、手すりを付けられる区の制度がありますというお話をしたところ、ぜひ活用したいということで、無事に手すりが付きました。転ばぬ先の杖といいますか。

マスター:転ばぬ先の手すりは本当に大切。骨折しちゃうとどうしようもないからね。介護の申請とか、その後の手続きもとにかく高齢者総合相談センターに相談すれば、あとが楽ですよね。

介護保険の申請につながるケースもあります。こんな程度で介護保険を申請していいの、と思っている方たちにとってはチャンスだったのかも知れないですし、センターがあること自体知らない方がいらっしゃるので。

マスター:他にもお金の支払いがちょっとわからないとか、色々な事例がでてきますよね。

心臓とか肺のご病気だと銀行まで行けなくなってお金を下ろせなくてどうしようという相談の時は、社会福祉協議会でやっている事業がありますので、そういうところに繋いで、他にこういう制度がありますとお知らせすることができます。

なかまでゲスト

葛飾区歯科医師会 金町ヴィナシスデンタルクリニック院長 小笠原さん

葛飾区歯科医師会の活動(健診)

マスター:葛飾区歯科医師会は、葛飾区行政と一緒に、区民に対して色々な活動をされていると思います。

まず、「成人歯科健診」、「長寿歯科健診」をやっています。「成人歯科健診」は、40歳から70歳まで5歳間隔で区民の対象者全員に健診票をお送りして、区内の歯科医師会の先生方の診療所で受診してもらうというのが大きな一つの事業です。「長寿歯科健診」は75歳の方で、長寿の方に特定した項目を増やして、あらためて健診していただくというものです。

マスター:5年ごとに、きちっとあるんですね。

他にも、2歳の母子健診で「すくすく歯育て歯科健診(2歳児歯科健診)」というものがあり、「妊婦歯科健診」も最近始めています。それと、健診センターに来ていただいて、「1歳6ヶ月歯科健診」と「3才児歯科健診」を行っています。また、母の日に「母と子の歯磨き教室」今は「ファミリー歯磨き教室」といいますが、これを毎年、歯科医師会単独で開催しています。

マスター:小学生とか学生などにもやられていますよね。

これは学校歯科医会といって、葛飾区歯科医師会と同じ先生が、各学校で歯科健診を行い、歯磨き指導もやっています。

子ども達の歯の現状

マスター:子ども達の虫歯の現状はどうですか。

虫歯のある子はだんだん少なくなってきています。23区で葛飾区はいい方ではないですが、全国平均からするとかなりいい方です。

店長:これは何が起因していると思われますか。

毎日の歯磨き指導、また、学校歯科医では給食後にも歯を磨こうといって、昼ごはんの後にも歯を磨こうキャンペーンを始めて、子供たちはやっています。

虫歯とフッ素

店長:ニュースで、ある都道府県で虫歯が何%、歯を磨いた後のうがいを1回しかしない。

それは歯磨き粉です。フッ素が入っているので何回もうがいをすると流れてしまうということで、一回にしましょうと。フッ素は虫歯に対してかなり効果が高いですね。

店長:濡らして磨いて口がぐちゅぐちゅになってしまうのは、あまり良い事ではないですか。

本当は、最初は何もつけないで磨けというんですよ。歯垢は機械的に磨くだけで取れるんですね。ただそれだけだとフッ素とかがないので、それで予防するということで。歯磨き粉を付けた方が虫歯に強いということになります。

健診の空白期間

マスター:それをできないまま過ぎている高齢者の方が今問題になっています。20歳から40歳までの20年間が(健診がなく)自分に任されているんですね。

会社で健診があるところもありますし、区によっては20歳からやっているところもあります。昔は葛飾区歯科医師会でも20歳の成人で歯科健診をやっていたのですが、受診される方が少なくて、40歳から5歳刻みになりました。

マスター:本当はこの間にきちっと予防しておくと、あとが楽なんでしょうね。

海外との比較

店長:日本は欧米に比べ、口腔に対する意識が遅れていると思っていたんですが、最近の方たちは早くに矯正ですとか歯への意識が高まってきたかと思います。

昔は特に八重歯がかわいいとか言いますけど、外国の方、特に欧米の人たちはダメですね。欧米の方たちは歯並びが悪いと、まず矯正します。

マスター:笑うと矯正している海外の人って多いですよね。

矯正することで磨きやすくなるので、虫歯にも歯周病にもなりにくいです。若い時に矯正をされるのはいいことだと思います。

8020運動ってなに?

マスター:8020運動について教えてください。

平成元年に厚生労働省と歯科医師会が始めた「80歳で20本以上の歯を残そう」という運動です。80歳で20本残す人は最初の頃は数%でしたが、今は半分くらいになっています。20本残すと口の機能が大体保たれて、色々なものを食べることが可能です。国民運動で唯一達成された運動で、厚労省もかなり喜んでいます。

 他の病気との関係(予防)

店長: 93歳で亡くなった義父は全部自分の歯でした。硬いスルメとか普段からそういうものを食べていた記憶がありますね。

硬いものを食べていると、認知症にもなりにくいという報告もあります。

マスター:口腔ケアで歯周病などを予防することでインフルエンザの予防にもなると、学会で発表されたとテレビでみました。

最近の研究だと思います。全身疾患と歯周病の関わりは知られていて、特に糖尿病や肥満、誤嚥性肺炎、心疾患、認知症、リュウマチ、早産、いろいろな病気と関わりがあると言われています。

マスター:葛飾区医師会のドクターに来ていただいたときに、フレイルとして口腔ケアが大事で、それを推進していくとおっしゃっていました。やはり口からが大事なんですね。

口腔ケアをよくすると入院日数が短くなるというのが証明されています。今は保険が導入されていて、一般的な癌の患者さんも手術する前や薬を飲む前に歯科医に行って口腔ケアをする。それによって予後がかなり良くなるということは証明されています。

予防・相談のための歯科医

マスター:歯が制限されてしまって食べられないのが可哀想だと思うことが多いので、早い段階で良くしておきたいですね。悪くなってしまった場合はどうすればいいですか。

なんでも相談できる、かかりつけ歯科医をお持ちになるといいかと思います。痛くなると行く歯科医ではなくて、常に自分の口腔内を観察して見守っていただけるドクターを探されることが一番だと思います。

マスター:たまに行って、予防も含めて相談できるドクターですね。

自分で歯磨きをしていてもやはり磨けないところがあるので、それを定期的に歯科衛生士やドクターに取っていただくプロフェッショナルケアというものがあるんですが、これを積極的に行うことで歯の寿命がかなり伸びます。虫歯にも歯周病にもならないです。

質問:歯ブラシについて

店長:私は自宅で使う歯ブラシは、毛の部分をティッシュで拭いて乾かしてからしまっていますが、濡れたまま置くのはダメですか?という質問がきています。

歯磨きしたあとのブラシには細菌が付いています。よく洗浄して乾かすことで細菌の繁殖が防げますので、乾燥させた方がいいと思います。

店長:歯ブラシの換え時はいつですか。

歯ブラシを裏側にしていただいて、毛先が見えたら換え時です。反り返っていると柔らかくなっていて、歯茎を傷つけることもあります。磨くときに力は入れなくて大丈夫です。

力を入れるとよく磨けると勘違いされている方がいらっしゃるんですが、ある程度ブラシが歯面にあたっていれば歯垢は取れます。あまり力を入れすぎると歯茎を傷つけたりするので、あまり力をいれないで大丈夫です。

かかりつけ歯科医を持とう

マスター:最後にかかりつけ歯科医が重要ということを教えていただけますでしょうか。

みなさんのお口の健康を守るため、ぜひかかりつけ歯科医を持っていただいて、定期的にお掃除をしていただくのが一生自分の歯で食べることになります。

マスター:予防も含めて、一度診てもらいたいということで行っても大丈夫ですか。

歯石をとってくださいということだけでも構いません。それと葛飾区では在宅診療の「たんぽぽ診療所」と「ひまわり歯科診療所」をやっています。お困りの方は葛飾区歯科医師会でかかりつけ歯科医紹介窓口を開いていますので、そちらの方にご相談いただければ歯科医をご紹介します。

 

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