ゲスト:亀有 浄土宗香念寺 住職 下村達郎さん テーマ:「介護者の心のやすらぎカフェ」について かつしかFM「なかまで介護」第34回(2019年9月5日放送分)

  かつしかFM(78.9Mhz)から発信する地域包括ケア
「なかまで介護」
毎週(1~3週)木曜日10:00-10:54 放送中!

このサイトでは、ラジオ放送から数週間遅れで、youtube再放送版を公開しております。

なかまでゲスト

亀有 浄土宗香念寺 住職 下村達郎さん
介護の悩みを抱えている方々が思いを分かり知合うため、 情報交換の場として、お寺で開催されている 「介護者の心のやすらぎカフェ」について
目的 ①: 現在介護をされている方々のミーティング 「説法」ではなく、「打ち明ける」会
目的② : 介護を終えた方のやりきれない思いを伝えるミーティング
地域の介護における見守りにおけるアンテナ的な役割もある

マスター:地域会議や介護の会議で私がよく会っていて、介護で悩まれている方にカフェみたいな感じでお寺を開放して定期的にみんなで悩みを話し合おうということをボランティアで実行されているとのこと。みなさんにも聴いて頂きたいと思ってお呼びしました。

会を始めた経緯と参加者について

マスター:下村さん、香念寺で(そういうことを)初めた経緯を教えて頂けますか。

私が所属している浄土宗の研究所の中で、「介護をする方向けの場を作る取り組み」が話題になったのがきっかけです。介護が理由で離職やうつ状態、思い余って大事な家族を手にかけてしまうということも社会問題として取り上げられる中で、介護される方はもちろん、介護する側の支援が必要という声が次第に大きくなっている現状もございます。お寺は場所があって、お茶やお菓子も用意しやすい。既存の資源を活かしつつ、社会に貢献できるのではないかというのがありました。また参加者から、「説明やお話を聞く場所はあっても、なかなか話せる場所がない」とか「もっとそういう場所を設けて欲しい」という声を聞いております。身内のことで抱え込んでしまう方も少なくないと思いますので、そういった理由で孤立しないように、人との繋がりを持って頂くきっかけになればと始めました。

マスター:お寺さんというと檀家さんだけが集まって、全然関係ない宗派とかその他の人が行っていいのかなと思う方もいると思いますが、そのあたりはいかがですか。

檀家さんに限ったものでなく、どなたでも参加頂ける会です。実際に葛飾区の方を中心にいろいろな方に来て頂いています。

店長:身内の悲しみ事などで、お坊さんをお呼びしてその後にお話をしてくれます。その中には、生きることと亡くなることと、今私達ができること、そういうことをお話して頂くと浄化されるというか安定剤みたいになりますので、ケアという意味ではよっぽど相応しいかもしれませんね。

 マスター:みんなが集まる場所をもう一度、地域のコミュニティの場所ということで始めたんですね。

每日ずっとはなかなか難しいですが、定期的にでもお寺に足を運んで頂けるようにと思っています。

活動内容

マスター:活動内容や事例を教えてください。

「介護者の心のやすらぎカフェ」という名前で活動しています。座談会を開いて、集まって頂いて、皆さんと一緒にお茶とお菓子を頂きながらお話をしましょうとことです。活動の発端としては介護する側に寄り添っていこうということですが、介護を終えた方やこれからの方など、いろいろな方が参加されています。30分程度自己紹介をして、その後は座談会で一緒に一つの輪になってお話をしています。

 事例紹介:介護を終えて

マスター:介護をされて亡くなった後、残った家族の方々のいろいろなお話もあるということですが。

参加者の方の印象的な言葉「介護は終わっても終わりじゃない」ということで、すぐに日常には戻れないと度々聞かせて頂いています。親の介護中にはご兄弟やご両親との関係などいろいろ大変なことがあったけれど、まだやることがあって、介護が終わった今のほうが気持ち的には辛いとおっしゃる方は少なくないです。

店長:兄弟関係が悪くなることもあるんですよね。

兄弟がなかなか協力してくれない、介護を通じて仲良くなったという話もあって、いずれにしても何度が参加されてくると気持ちも少しずつ落ち着いてこられるのか、介護に携わったことが自分の支えになっている気がします、とお話しくださることもあります。先日お会いした方は、最初は表情も明るくなくて、先月両親ともに亡くなってしまったと話されていたんですが、2回目には、前回の参加がきっかけで外に出るようになりましたと、最近はカフェがきっかけでシニアセンターの麻雀の会に行くようになりましたという言葉を聞くと、ひとつのきっかけとなってよかったなと思います。

会のコンセプト

マスター:心に溜まったものが集まって、自分から話せることによって自分なりに整理がついていく、聞いてくださる場所というのも大きいんですかね。

自分の気持ちを話していくうちに自分の中に答えがあったというもありますが、だんだん自分でも気づかなかったことが出てくるところがあるのかなと思います。会のコンセプトと言うか皆さんにお約束して頂いているのですが、「聞く意識」ということで、お互いの気持ちやお話を否定しない、他の方のお話も聞く姿勢で、認め、許し合う心でお互いに集まりましょうというのは、仏教の心だと思っています。背伸びしないで、至らない所を素直に認めるというところから始まります。

仏教の心と介護の基本的な考え方

マスター:介護で言うと「傾聴」ですね。認知症の基本的な考え方も、認知症という病気を正しく理解するのもそうだけど、耳を傾けて認知症の方から話を聴くと、初めて繋がりができていくということです。仏教で教えていたことと介護の基本的な考え方ってすごく繋がっていますね。

私も最初はお寺と介護をどういうつながりかと考えてきまして、ひとつに長寿に恵まれただけに悩む命の悩みかと思います。仏教は本来、生まれ生きて老いて亡くなるというのが、仏教ではこれを「苦」と捉えていて、それに寄り添うというのはお寺であり仏教の一番大切なところです。いろいろな形で、人生の割り切れない思いが誰しもある中で、私もそうでしたとか、こうでなければいけないではなくて、お互い許し合うことで、一人ではなく繋がりがあるから、これからまたやっていけるという気持ちになればということで仏教的な寄り添いが「介護」であり、「人生」のことです。

店長:生きているということは、極端にいってしまうと死ぬという最終ゴールに向かっている日々だと思います。歳を重ねてくるとゴールのテープが見えてくるようで、身内がそうなると恐怖感がある。でも話して、「大丈夫だよ」と言われると、「そうだよね」って。そういうふうに単純に物事を導いてくれるというのも素晴らしいことだと思います。

人の繋がりってすごく大きいなと思いますね。

店長;言うことも必要ですよね。

話をすることは大事なことが2つあると思っていて、ひとつは「安心できる」。ここでお互いに自分の話を聞いてもらえる方がいるということ。もうひとつは、「人生の先輩の話を聞かせて頂いて学ばせて頂いている」というのがあります。年齢を重ねてこられた経験というのはとても尊いことで、自信を持ってお伝えする役割を担って頂けたら私も有り難いです。どっちが上とか下でなく、お互いに役割を担うことで手を取り合っていくということです。

今後の活動

マスター:今後はどのような感じで進めていく予定ですか。

香念寺では2ヶ月に1回、会を行っています。事前連絡がなくてもご参加頂けます。参加費無料で、途中で入退室も自由ですので、お気兼ねなくいらしてください。椅子も用意しています。特にプライベートをお聞きするなどもありません。また、奥戸8丁目の専念寺も私と同じ年の副住職がおこなっています。

マスター:これからも地域のために一緒に頑張りましょう。

 

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