ゲスト:葛飾区介護サービス事業者協同組合 DS訪問看護ステーション四つ木事業所の理学療法士 中川路さん  テーマ:訪問看護・リハビリについて かつしかFM「なかまで介護」第36回(2019年9月19日放送分)

  かつしかFM(78.9Mhz)から発信する地域包括ケア
「なかまで介護」
毎週(1~3週)木曜日10:00-10:54 放送中!

このサイトでは、ラジオ放送から数週間遅れで、youtube再放送版を公開しております。

なかまでゲスト

葛飾区介護サービス事業者協同組合
DS訪問看護ステーション四つ木事業所の理学療法士 中川路さん

訪問リハビリの考えや特徴、目的

マスター:日々の活動やリハビリの特徴を教えてください。

リハビリと聞くと、歩く、運動するというイメージだと思いますが、私たち訪問リハビリでは体を良くしていくだけじゃなくて、生きがいとかやりがいとかもリハビリなので、そういったところでやらせて頂いております。

マスター:運動機能だけじゃなく、心や何かをしたいというモチベーションも含めてのリハビリということですね。

健康の定義である身体的、精神的そして社会的に満たされているかどうかというところで、リハビリは重要なポジションについていると思っています。日常生活を送る上での必要な動作や行動だとか、活動と言われているところ、人との関わり、社会的な参加、そして周りの環境も大事です。どこに手すりがあるかも大事ですが、どういう支援の方がいるかということもすごく大事です。また、その人自身のこれまでの生き様や性格も一つ一つの要素として、しっかり総合的に見て、どこを補強してあげればいいのか、ここをこう上げてあげれば、この人は自分らしい生活を送っていけるのにというところもあります。

【事例紹介①リハビリのアプローチ~目的を先に実現する】

マスター:いつになったらできるか悩む方にどのようなリハビリをしていくのでしょうか。

例えば、脳卒中で半身麻痺がある方がいらっしゃって、家の中はなんとか移動できるけど、バスのステップとかも大変で外に行けない。映画が趣味で映画に行きたいというと、じゃあリハビリで映画に行けるように歩く練習していきましょうと普通だったらなると思います。実際にそうやっていくパターンもありますが、皆が皆、運動が好きではないですし、やったとしても半年か1年か見通しが立たないこともあります。そうしているうちに観たい映画なんか終わっちゃいますよね。そうしたら、行ける方法を先に提案してしまう。例えば、車椅子があれば行くことはできますし、車椅子で行ける映画館や車椅子が通りやすい道のアプリもあります。そういったものをしっかり準備してあげて、これでまずは映画に行ってみたらどうですかと提案する。目的を先に達成させちゃう。

店長:これをやるためには今何をすればいいか、逆算するということですね。

目的を先に達成してしまえば、それが本人の自信につながり、次にやりたいことにもつながります。そうすると不思議と身体やメンタルに影響してきて、良くなってくるパターンというのが結構あるんです。

マスター:これは発想としてなかった感じがしますね。

何のためにやっているかと言うと、歩くためじゃなくて、どういう風に生活していきたいか、その人らしい生活、望んでいる生き方。そこがリハビリの最終的な目的になっています。

マスター:リハビリと言うと、体の機能だけのイメージしか持っていなかったので、それは素晴らしいですね。作業だけじゃなくて、考えながら提案していくって感じですよね。

体の状態は確実に聴きますけど、それだけじゃなく、信頼関係を築くにあたって、いろいろお話を伺います。生まれたところ、どういうお仕事をされてきたか、趣味とか。なるべく最初のうちに聞けるところは聞かせて頂いて、リハビリのプランを練り上げていくという形にしています。

店長:一人一人みんな、パターンが違う。お仕事だと言ってしまえばそれまでですけど、それを見ていくというのは大変ですよね。
マスター:これが逆に介護のやりがいでもあるよね。(かなちゃんの運営するグループホームで)働いている職員たちもみんな同じことを言う。専門職で勉強してきたことによって、そうやって心のフォローまでできたことで、その方がどんどん元気になって、キラキラしていくのを見ること自体がやりがいになるよね、大きいよね。

逆に元気をもらうと言うか、自信に繋がります。同じ疾患で同じような年齢でも、生き方によって全然ゴールの立て方が変わってくる。一人一人がドラマなんです。

事例紹介②リハビリのアプローチ~自信をつける

マスター:具体的な事例を教えて頂けますか。

入院して退院された女性の方で、筋肉の調整など運動機能を司っている機能である小脳の脳梗塞を冒されていました。例えば、目の前にある空っぽのコーヒーカップに手を伸ばそうとする時には、手を伸ばす時に使う筋肉とそれを止めようとする筋肉も同時に働いていて、ここがうまく調整できないと手が震える。この方も起き上がったり立ったりする時に体が揺れてしまうのでバランスが取れない。退院してもベットの上での生活がほとんどでした。リハビリの目的として「屋内で安全に移動する」「外に出たい」というのがあったので、後々は「デイサービスに通う」というのも含めてやっていこうということで介入しました。お腹の筋肉もちょっと弱かったので、ベッド上でできる運動をしながら、歩行車を使って何とか歩くことができるように持って行ったのですが、その後に何かしようして手を離すと震えが止まらなくなって転びそうになることがありました。この失調を完全に止めていくのは難しく、普通にやっていたら時間がかかると感じていましたが、ある時、目の前にピアノがあってちょっと弾いてもらったら、なんとその間だけ揺れていませんでした。これはいいと、「ピアノを練習しませんか」と勧めましたが、手も震えるし、関節も少し硬くなっていて、これじゃできないとおっしゃったので、(今度は)「私にピアノを教えて下さい」と言って、それから私のピアノの練習が始まりました。やっぱりその間は揺れないんですね。

店長:人間の力というのは、脳が支配しているとかそういう医学的なものはあるんでしょうけど、その方にとっては生きがいみたいな。

しっかり立たないといけないという意識も相まって、震えが余計に増長されていたというのもあり、「揺れていない」と言うと自信がついて最終的には外を歩けるようになりました。

マスター:認知症の介護も一緒。逆にお願いしたり、先生役をしてもらったりすると、すごくしっかりされて、やりがいになる。今辛い思いされている方も、必ず何かきっかけがあるので諦めないで欲しいね。仲間たちもそれをなんとか見つけ出そうとしているから。

相談窓口について

マスター:どういうところに相談すればいいのでしょうか。

まずは高齢者総合相談センターに相談していただければと思います。葛飾区リハビリテーション連絡会の副会長とセラピスト交流会の代表をやらせてもらっていますが、葛飾区内でリハビリの横のつながりが段々できてきている状態です。リハビリテーション連絡会の方では、葛飾区と高齢者総合相談センター、医師会さんや団体さんと協力しながら、地域の方に、「介護予防」という視点で色々アドバイスをする機会ができてきていますので、ぜひチェックして頂きたいと思います。

イベント紹介

マスター:高齢者総合相談センターとイベントなどもされているということですね。

今年から始まった葛飾区の「健康葛飾リハビリテーション事業」を高齢者総合相談センターと一緒に行なっています。身体測定とか今の自分の身体能力とかを図りながら、同時に体操など介護予防に関する指導を受けることができますし、その時に相談もできます。自分の相談でも家族のことでも結構です。病院のリハビリテーション専門職と地域のリハビリテーション専門職が協力しながら、地域住民の方にアドバイスさせて頂く機会を作っています。

マスター:近々でイベントなどはありますか?

立石と東四つ木の高齢者総合相談センターを担当していて、直近ですと12月10日が予定になっています。11月の広報かつしかに載ると思いますので、ぜひそちらもチェックしていただければと思います。

キラキラリポート

今回はDS訪問看護ステーション四ツ木事業所です

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