ゲスト:葛飾区医師会 稲葉先生 テーマ:認知症予防 かつしかFM「なかまで介護」第2回(2018年10月11日放送分)

かつしかFM(78.9Mhz)から発信する地域包括ケア
「なかまで介護」
毎週(1~3週)木曜日10:00-10:54 放送中!

このサイトでは、ラジオ放送から数週間遅れで、youtube再放送版を公開しております。


第2回 マスターのカナちゃんも気合い十分♪

なかまで相談室:高齢者総合相談センター水元公園の笹原さん

高齢者総合相談センター水元公園について

マスター:まずは、センターについて教えてください。

今年の7月にオープンしました。場所は、水元公園の東側で葛飾総合高校や水元図書館がある北口のバス通りに面しています。

【地域に向けた学習会を開催】

マスター:学習会を10回以上開いているそうですが、内容を教えて頂けますか。

自分の身は自分で守る「自助」や隣近所で助け合う「互助」という言葉がありますが、知識を得てもらうことも「自助」のひとつと考えています。広く介護保険の制度を説明する際には、保険証が手元にあっても初めてでどうやって使えばいいかわからないという方もいらっしゃるので、そういうことをわかりやすくするために講座を開いています。

 【講座の内容(介護のこと)】

マスター:具体的にはどういうことを?

最初は介護制度についての講座を開きました。その他では、「転倒予防」について、リハビリの先生から、お家の中で気を付けるポイントや手すりを付けるのは有効というお話を頂きました。外出時の滑りやすい箇所を教えてもらったり、話の合間にちょっと体操をはさんだり、大変好評でした。

マスター:倒れないように自分でも日々努力していくということですね。ドクターや専門家に教えてもらえるのはありがたい。

 【講座の内容(エンディングノート)】

マスター:他の講座の内容も教えてください。

社協(葛飾区社会福祉協議会)さんの方でとても良いエンディングノートができましたので、ぜひ区民の方に知ってもらいたくてご紹介しました。

店長:私もやってみたけど、ナーバスにとらえることはなくて、日記のように、こうなりたいとか、こうして欲しいとか、今はすごく前向きな捉え方になっていると思います。

とても興味を持ってくださって、70人くらいの方に来ていただきました。介護が必要になった時にはこういう介護をしてもらいたいという意思表示や、(家に)来てくれるお医者さんがいいと書く欄もあります。お子さんと離れて暮らしている方も、このノートを機に家族とコミュニケーションを取っていただければいいですね。

【講座の内容(医療、成年後見制度、事例の紹介)】

マスター:他にもまだありますか?

エンディングノート講座の後の追加学習として、医療や成年後見制度の話もして頂きました。介護についてはケアマネさんとか実際に家族の介護をしていてエンディングノートに詳しい方に、こういうことが書いてあると家族が助かるとか、これがなくてすごく困ったという実例を話してもらいました。

マスター:高齢者に関わる身の回りのいろんなことを教えてもらえるんですね。行かないと損ですね。

高齢者総合相談センター水元公園
開設場所 南水元4-27-13  藤屋ビル1階
京成バス「水元公園」下車徒歩1分
電  話 03-6231-3567
ファクス 03-6231-3568

なかまゲスト:葛飾区医師会 稲葉内科クリニック院長 稲葉先生

認知症予防に関する活動

マスター:医師会として、認知症に対してどのような活動をされているか教えてください。

葛飾区医師会の認知症対策委員会ができて6年経ちます。6年前は私たち医師会のドクターも認知症に対する知識があまりありませんでした。「認知症の専門医」は葛飾区に4名ですが、現段階で約1万5000人の認知症の方がいらっしゃると言われているので、これを何とかしないといけないということで、特殊な訓練・教育を受けた「認知症サポート医」というのを作りました。葛飾区内で25、26名います。これがバラバラに活動すると当然まとまりがないので、この25名で葛飾区医師会の中で「認知症対策委員会」というのを設立して、その先生方の下で、かかりつけ主治医の先生方に対して認知症の知識を上げていこうという活動を6年間やった結果、「認知症サポート医」の先生の下に、約130名の「認知症連携医」が生まれました。

以前は、「私は糖尿病は診る」、「心臓病は診るけど認知症は診ない」「認知症では入院はできない」というお医者さんが多かったので、まずは医療を改善させたいと、スキルアップを図るために、いろんな講習会をして、先生方にも参加ご協力いただきました。認知症というのは、高血圧と糖尿病と脂質代謝異常(高脂血症)と併せて、国が定める4大生活習慣病のひとつで、他人事ではない一般的な病なんです。

認知症予防にはネットワークが必要

マスター:葛飾区内に「認知症サポート医」として専門の先生も増えたし、今度は連携ということで、130箇所のクリニックでも診ていただけるように組織を作られたんですね。

ネットワークを作ることは大切です。認知症は、「医療」と「介護」と「介護の予防」と「住まい」「生活相談支援」の5つの柱があって、医療と介護がタッグを結ばないと完結しないんです。そのため、高齢者総合相談センターでは定期的に「もの忘れ相談会」をおこなっています。専門的な知識(医療)と介護をどうやってサポートしたらよいか、ご家族が悩まれて相談にいらっしゃる場合もご本人を連れて来られる場合もあります。14箇所でおこなわれ、私たちサポート医や連携医が相談に乗っています。

マスター:認知症の治療は、早期の発見と、診断と治療を結びつけるのが非常に大切だと言われますが、「もの忘れ相談会」などもそういうことに絡んでいるのでしょうか?

「もの忘れ相談会」で、早く診断をしましょう、早く介護の方に向きましょうとご指導することは多いですね。ご家族一人で悩んでいる場合も多く、医療も介護も介入できない方が結構いらっしゃる。そこに高齢者総合相談センターを介して、私たちサポート医や連携医が直接お話しするということで、結構実績は上がっていて、皆さんに喜ばれています。

 認知症の早期発見

マスター:「早期発見・早期診断・早期治療」について、詳しく教えてください。

なんといっても早期発見です。早い段階で認知症を見つけて生活習慣を改善してあげることで、かなりの人が元へ戻る、良くなる、改善します。年月を経て進行していく方が多いので、軽度認知障害あるいは早期のアルツハイマーの段階で、生活習慣をもう一度見直してあげる、ご家族も意識を変える。国立長寿健康医療センターの統計でも、軽度認知症だと50%から70%は改善するというデータが出ています。そこで私たちは、東京23区で初めて68歳から72歳くらいの方を中心にした「もの忘れ予防健診」というものを区の委託事業として始めたところ、過去3年間で早期認知症の方が900名近く発見されました。

「もの忘れ防止フェスタ」について

マスター:区と医師会の共催でイベントをやっていますね。

楽しく「もの忘れ」を防止しましょうと、「もの忘れ予防フェスタ」をおこなっています。今年は11月10日に青砥駅前シニア活動支援センターを貸し切りにして開催します。「もの忘れ予防健診」を受診された方は特別講演を聞くこともできますよ。

マスター:稲葉ドクターをはじめ、専門に勉強された先生方の企画や地域包括支援センターの協力もあるし、それ以外にも脳トレとか予防の運動みたいなものも盛りだくさんですね。

女性の方には、どんな色合いを着たら認知機能が上がるかのカラーコーディネートや、どういうお化粧をしたら良くなるのか、脳トレアロマなどもあります。あとは食事ですね。今は地中海料理が認知症予防にいいと言われていますが、どういう風にお家でできるか、東京管理栄養士会の方に来ていただいて試食会などもおこないます。生活習慣ですから、いかにしてご自宅でできるか、どう改善していくかが大切です。

認知症の診療で大切なこと

店長:先生のお話を聞いていると、まるで受診しているように感じます。

認知症の診療でいちばん大事なのは、患者様の立場で寄り添えるかどうか。だから、外来医は、みなさんに笑顔で帰っていただくことを大切にしています。アンケート調査で、ご家族が一番がっかりした言葉が「認知症は治りません」で、逆にほっとした言葉は「一緒にみていきましょう」でした。この「一緒に」というのがキーワードです。私達がやれることは少ないかもしれない、医療だけでは完結しないけれど、「一緒にみていきましょう」と笑顔で握手をして外来を終えるようにしています。

医療と介護病院の倒産件数が増えている!?

マスター:昨日の新聞に、専門の利益の生まれる科を優先的にしていかないと、病院の維持が難しくなっているという記事がありました。でも先生たちは他の外来よりも(詳しく)話を聞くので、時間がかかりますよね。

時間はかかります。その方の生活や背景、家庭環境やキーパーソンも違いますからね。

どういうことでいちばんお困りなのか、生活習慣や社会的な環境、生まれや趣味、最終学歴、家庭環境か、お子さんが何人いるかなど、まとめていただいたものをお持ちになるとありがたいですね。それを見ながら診察すれば、非常に時間の短縮にもなります。また、ご本人にお聞きできないこともありますし、認知症の方では取り繕ってしまって、私は大丈夫ですという感じにもなりますしね。以前からの情報などを教えて頂けると助かります。

メッセージ(認知症ケアの心得)

マスター:最後に、認知症ケアの心得について教えてください。

記憶力の障害はなかなか元に戻りません。でも、我々も記憶力は落ちています。大事なのは、医療だけでなく、介護でその人らしい生活能力が維持できたら、これもターゲットポイント。獲得目標は完成しているということです。

「イベント情報」
もの忘れ予防フェスタ
日時 11月10日(土) 11:00~
場所 シニア活動支援センター

次週10/17のゲスト

葛飾区介護サービス事業者協同組合さんの皆さんです。
生活介護員研修やケアマネージャーのシステムについて教えて頂きます。

介護についての悩みやご相談など、なんでも結構です。
ぜひ番組までメールください。

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