ゲスト:有限会社青友ホーム 代表取締役社長 青木堅治さん  かつしかFM「なかまで介護」第80回(2021年4月15日放送分)

  かつしかFM(78.9Mhz)から発信する地域包括ケア
「なかまで介護」
毎週(1・3週)木曜日10:00-10:54 放送中!

このサイトでは、ラジオ放送から数週間遅れで、youtube再放送版を公開しております。

 

なかまでゲスト

有限会社青友ホーム 代表取締役社長 青木堅治さん

東京都宅地建物取引業協会葛飾支部 支部長

東京都宅地建物取引業協会とは

マスター:まずは、東京都宅地建物取引業協会葛飾支部について教えてください。

日本には不動産屋さんが大体125,000社あって、その中で東京都宅建協会が15,500社くらいで、他の団体が11,000社、その他を合わせると約30,000社です。東京都だけで全国の1/4ぐらいあります。統計的にはコンビニよりも多いです。葛飾支部は約340社あります。増えもしないし減りもしていません。

葛飾区の不動産やについて

マスター:昔から地域に根ざして、代々やられていらっしゃる不動産屋さんが多いということでしょうか。

葛飾の場合は東京の下町ということもあって、二代目・三代目として継がれる方も多い。また、その若い方の学校の同級生とが、地域に根ざした仕事をしたいということで新たに不動産業を作るところもあるんですね。

葛飾区の賃貸物件の特徴

マスター:葛飾区の賃貸物件の特徴を教えてください。

葛飾区は東京23区の中で足立区とか江戸川区と同じように下町の位置にあるので、本当にその人たちが居住するという物件ですね。テナントなんかも都心とはまったく比べものにならない。自営業とかも4~5階建ての事務所でやっているとか、しっかりと安定志向の方達が住む街というふうに私は思っています。

マスター:賃料は結構安いという感じでしょうか。

はっきりデータが出ているわけではありませんが、東京23区の中では、家賃が安いというところで下から1番目か2番目ですね。

マスター:住む人からすれば嬉しいですよね、安い方が絶対いいですもんね。

葛飾で住宅一戸建てを求めた時に、4000万に近かったとしても月々の支払いが10万円から12万円ぐらい。4 LDK ~3 LDK で10万12万だったら家賃と同じくらいじゃないですか。だから住宅を求めるには優しい街だっていうことで、葛飾に来る方が多いですよね。

マスター:生活の中で一番、東京に住んでいて高いと思うのはやっぱり住居費。食費や電気、水道代は抑えられるけど、住宅費だけは抑えようがないですからね。

 

高齢者に関する現状や課題など

マスター:高齢者に関する問題や特徴というのはありますか。

全国の高齢者率は26.6%です。仕事は65歳まで、その後は年金暮らしですので、民間の賃貸物件を業としている大家さんからすると、やはり安定した収入の方を優先してしまう。大家さんもいずれは年を召されるのだから、もう少し拡大解釈していただければ。区とか福祉事務所とかを絡めて、住まいを要求する方に対して優しくして頂きたいなと思いますよね。

マスター:賃貸マンションとかアパートとか、比率は出ているのでしょうか。

葛飾区においては、ほぼ50%が持ち家、民間の賃貸物件が30%前後です。あと残り2割ぐらいは公営のいわゆる公団とか。それと、ほんの少しですけど社宅というのがありますよね。

また、65歳以上のご夫婦の世帯が約2万世帯、高齢者の単身者が2万世帯でしょうか。

店長:収入の面だけでなく、例えば、病気になったり、単身世帯で知らないうちにお亡くなりになったり、そういうリスクが嫌だと思われる方もいるのかなと思います。

自分が持っている賃貸住宅では、どこも受け入れ先がなくて非常に困っている時は、保証人がいなくても、息子さんとか娘さんなど緊急時の身元引受人だけあれば入居してもらいます。どこかが引き受けてあげないと。

公営住宅を考える

マスター:このあたりをクリアしていくには、行政などの補助、あるいは公営の場合にはもっと安いところがあるんですよね。

公営は民間と違って、業としてやっているのではなく、住宅に困窮している人たちの救済としてですから、最初に公営住宅について区に相談に行って、それでも見つからない場合には私たちの団体も協力する体制ができています。

事例紹介:親の物件を探す

マスター:高齢ということで、他にも問題があると思います。事例を教えてください。

高齢になると、息子さんや娘さんに迷惑をかけたくないと、自分達だけで探そうとします。そうすると民間の場合では、もう働いていないならちょっととほとんどがお断りされます。預金はありますと言っても預金通帳を預けてくれる訳ではないですから。それで一つのヒントとして、娘さん息子さんが近所にいるとすれば、視点を変えて、お子さんが直接不動産業者に行って欲しいんです。去年の暮れ、うちの事務所に50代のご夫婦がご相談に来られました。入居するのは奥様の親御さんで、どこの業者にも80歳と85歳ではと丁重にお断りされた。何かいい方法はないかと思い、「失礼ですが、どういうお仕事なさっているんですか」と聞きました。自営業でお二人とも給料があって持ち家でもあったので、「借主さんをあなた達にして、ご両親を住まわせると最初から話して、そういう条件でやってみたらどうですか」と話をしました。それで借りられるのであれば是非ということで、すぐに私の近くの不動産業者に電話して、そういう条件で何件か了解をもらいました。その日のうちに親御さんにも見てもらって、ここでいいと決まったんですよ。解決できて自分まで嬉しくなりました。

 

マスター:不動産屋さんの方で収入も確認しているし、何かあった場合でも、借りてくれるのが息子さん夫婦だと、保証人みたいなイメージで大家さんも安心できますよね。

葛飾区の空き家について

マスター:葛飾区の空き家対策はどうなっているのでしょうか。

葛飾の空き家は約25,000件で全世帯の11%くらい。近隣の方から、屋根の瓦が落ちてきたとか屋根が抜けているとか窓ガラスが割れて猫が入り込んでいるとか、そういう苦情が約900件で、そのうち区が対応しているのは750件です。「空き家」と「苦情が来ている」と言うのはまた別の問題です。全国で見ると850万件ありますからね。
店長:我が家とお隣の家との間に空き家があると、不審者が入るんじゃないかとか、火災が起きるんじゃないかとか、ちょっとそういう心配も感じますよね。

近隣を回って歩くと必ず9件か10件は空き家がありますから、ちょっと見てみてください。

 

店長:父が亡くなり母が施設に入っているので家を始末しなきゃいけないのですが、まだ始末できない状態だと、これもやっぱり2年以上は空き家状態になっているわけですもんね。

ご両親が亡くなって住まなくなるなど比較的条件が良い物件は売却することもできますが、屋根が抜けた、窓ガラスが割れたというものについては、区として有効利用をしようにも現実的には有効利用できないんですよね。

 

店長:どうして始末ができないのでしょうか。

ひとつには50年も60年も前に建てた物件で建築確認が取れないような物件も結構あるんですね。あとは借地権で地主さんと揉めているとか。また、相続人不明というのもあります。特措法の関係で、区は誰が相続人かを調べられますが、それでもたどりつかない。そういう人は所有者不明、相続人不明となって固定資産税も請求できません。10年間で葛飾区が強制執行したのはたったの1件です。不動産に関しては財産権が絡んできますから、日本の場合は難しいですね。

 

 詐欺防止などの活動について

マスター:お年寄りだけで住んでいると、お金のトラブルや特殊詐欺というのもあります。不動産業界で啓蒙活動というのもやっていらっしゃるんですか。

私達の団体では、葛飾警察と亀有警察と「安心安全な街づくり」をスローガンに協定を結んでいます。その中で、振り込め詐欺や訪問販売詐欺などの事件件数が毎年出てくるのですが、葛飾区でいちばん多いのは「自転車の盗難」です。その他に振り込め詐欺とかもありますが、地元の金融機関の方の協力を得て、大きな金額を動かす時には銀行の担当者が何に使うか、しつこいくらいに聞くようにしています。警察の発表では、郵便局などの金融機関が振り込め詐欺を事前にストップするケースが毎年何件もあります。

 

マスター:なくなりそうでなくならない。どんどん手法を変えてしつこいですね。

日本人のいいところを逆手にとっているんですね。人は悪いことをしないという性善説がある。それで真面目な高齢者にうまいこと取り入ってしまう。それをまた高齢者の方はプライドが高いから誰にも相談しない。そこが問題なんです。

 

店長:戦後生まれとかでは、ひと様に迷惑をかけてはいけないという教育の中で育ってきているから。

離れて住んでいても、親御さんに対して常々口をすっぱくして「お金のことをいうのは詐欺に近いんだよ」と言っておいて、そういう電話があったら「子供に相談してみますから」という風にクセを付けておくことが必要です。

 これからの目標や希望

マスター:今後の希望や目標について教えてください。

葛飾区には思いやりのある区民が多いと思います。区長さんは7期にわたっていろんな区民の方のためになるようなことで動いています。待機児童もかなり減りました。住民もこの10年で42万人から46万人に増えている。それだけ区長さんはじめ皆さん一生懸命やって頂いているのですが、せっかくいい相談窓口があってもわからない人がたくさんいます。広報とかに毎回毎回出して欲しいと思います。

 

マスター:ハトのマークをよく見かけます。

これは東京都宅地建物取引業協会葛飾支部のロゴマークです。毎月第2・第4火曜に区役所の中で不動産相談をおこなっていますが、その時はあえて会社の名前も一切言いませんし、セールスも致しません。それが私達ハトのマークの団体です。業としてやるのはご法度で、あくまでアドバイスです。

マスター:相談に行く方も行きやすいですよね。公のアドバイスですよね。

 

 

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