ゲスト:葛飾区介護サービス事業者協働組合 代表理事 吉田博さん テーマ:生活介護員研修とケアマネージャーのシステム かつしかFM「なかまで介護」第3回(2018年10月18日放送分)

  かつしかFM(78.9Mhz)から発信する地域包括ケア
「なかまで介護」
毎週(1~3週)木曜日10:00-10:54 放送中!

このサイトでは、ラジオ放送から数週間遅れで、youtube再放送版を公開しております。

なかまで相談室 

ゲスト:高齢者総合相談センター金町 佐藤ひとみさん

【センターの概要】

マスター:まずは、センターのことを教えてください。

金町駅北口を出て大型スーパー裏手の金町駅前団地の中にあります。美容院や歯科医院、介護サービス事業所などと並んでおり、金町駅から歩いて3分ぐらいのところです。センターの前は広場になっていて、イベントなども開催される、地域では馴染みのある場所ですね。

20代~40代の相談員が5名いて、それぞれ保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員の資格を持って相談にあたっています。

マスター:「金町エリア」の特性というのはありますか。

集合住宅が多い地域です。特に金町駅前団地は駅も近く、大型スーパーもあるので、高齢になってから引っ越して来られる方も多いですね。下町人情にあふれているところもあって、民生委員や自治会長は特に協力的で、ひとり暮らしや孤立しがちな方にも積極的に声をかけて、困っている方や支援の必要な方を見つけると、私達に知らせてくれる心強い存在です。高齢者が集う居場所を作り、孤立せず楽しく過ごせる街づくりに一役かってくれています。

【相談の内容と来所の理由】

マスター:どのような相談があるのでしょうか?

突然のケガや病気で入院したことをきっかけに生活に不安を感じて、介護保険や葛飾区のサービスを利用したいという相談が比較的多いですね。駅から離れた水元公園や江戸川に近い方からは、年齢とともに足腰が弱って買い物が大変になったのでお手伝いしてもらえないかなどの相談が多いように思います。また、今すぐには必要ないけど話を聞いておきたいと情報収集に来られる方、毎日同じ話をして帰られる認知症の方など、来所が多いですね。

【事例紹介(お友達の心配)】

マスター:実際の事例を教えてください。

相談対象者(90歳)と同じ団地に住んでいて、昔からお互いの家を行き来する、会えばたわいのない話をする交流のある人(75歳)からの相談でした。90歳の方は、家事はなんとかできていて買い物も週1,2回は行くようなんですが、ほとんど外に出なくなってしまって、耳も遠く、玄関チャイムを鳴らしても電話をかけても出ない。また、生きがいにしていた飼い猫が先日死んでしまったようなので、心配になって声をかけるんですがそっけない返事が返ってくるだけ。誰が見ても心配になるくらい年をとっているし歩行も不安定でふらふらしていても、心配されるのが嫌なのか外に出ることも減って、それ以上の会話もなくなってしまったそうです。

マスター:どのように対応したのですか?

地域にあるNPO法人が毎週水曜日と木曜日、高齢者向けに昼食を一緒に食べたりお弁当を作って届けたりする活動をしていて美味しいと評判なので、そのお弁当を一緒に食べる機会を作ってはと提案しました。一人で食事をするよりもいいと相談者の方も賛成してくれて一緒に食事をすることに。昔のように会話も増えて、今ではお互いの楽しみになったそうです。ちょっとしたきっかけで良い関係が取り戻せたので、提案してよかったと思いました

なかまゲスト

葛飾区介護サービス事業者協働組合 代表理事 吉田博さん

葛飾区介護サービス事業者協働組合の事業

マスター:団体の概要について教えてください。

介護保険法に基づく介護サービス事業、在宅福祉サービス事業や地域支援事業を担うことで葛飾区にお住いの高齢者や地域住民の健康と福祉の増進に寄与することを目的に設立されました。主な事業のひとつめは介護事業者における介護人材の確保。次に介護人材の定着と育成です。事業所でお仕事をした場合に、育成して定着することによって葛飾区内で継続して働いて頂くということです。もうひとつは介護保険サービスの質の向上。働いている方に研修をおこなうなど仕事の資質を向上することによって、ご利用者にいかに貢献できるか、側面的にバックアップしていきたいということですね。平成28年度には、葛飾区から訪問型のサービスに従事する「生活介護員の養成」を受託しましたので、その人材育成をいま開始しているところです。

生活介護員研修とは

マスター:生活介護員やその研修について、エフティー介護サービス代表取締役で、「生活介護員」研修のご担当もされている高木さんにお話を伺います。

今までまったく介護のお仕事をされていない方向けに、3日間の研修を受けると葛飾区内で生活援助、(例えば)お年寄りの方のお家でお掃除をしたり買い物したり、そういう(介護以外の)お仕事に限ってヘルパーさんと同じようにお仕事できるという資格になります。介護の業界に一歩踏み出せないという方も多いので、そういう方向けにも敷居を低くして、皆さんに受けていただきたいという無料の研修になっています。

マスター:無料というのはありがたいですね。

できるだけ介護に関わる方を広く育てていって、その中からキャリアアップもどんどんしていっていただきたいなという思いですね。

マスター:研修の内容を教えていただけますか。

お年寄りのお家に行ってお仕事をするわけなので、基本的な知識はつけていただきます。介護制度や認知症に関すること、それから大事なことですが、倫理であるとか皆様の尊厳を傷つけないようにという、お気持ちの上での研修ということもかなり注目しておこなっています。事業所さんごとのお給料形態になりますが、ボランティアではありません。

店長:介護が必要な親を抱えている人が、少しでも介護の知識を得たいという目的で研修を受けて、後々、人のために(働く)ということでもいいのでしょうか?

はい。すぐに仕事をしなくても、実際に介護で行き詰まっている方が、研修を受けたことで新しい知識を持って、少し新しい接し方ができるようになったという声も頂いています。

ケアマネジャーって?

マスター:ケアマネジャーさんのお仕事について、ケアステーションダッシュ 主任介護支援員の佐藤さんに分かりやすく教えて頂きます。

病気や怪我などで急に介護が必要になった方、年齢とともに介護が必要になった方が、介護の認定を受けて、介護保険を使って計画を立てて行く。その連絡調整の係としてケアマネージャーという仕事があります。区内に170程度の事業所があって、そこにケアマネージャーいわゆるケアマネさん、正式には介護支援専門員がいます。ケアマネさんは、皆さんがご自宅で生活を続けていくための方法、心配事や不安を一緒に考えて、少しでも安心に変えられるように、ご本人やご家族の希望を伺いながら、いろんなサービスをコーディネートあるいは介護保険外の、地域で様々な取り組みがあったものなどをご案内して行く係です。

マスター:病院で言うと、専門のホームドクターということで、いろんな相談ができる。

先生方は医療の面ですが、私達は、皆さんがご自宅で生活できるように、出来るだけコーディネートさせて頂いて、あくまでも「ご提案」させて頂いて、選んでもらいます。

マスター:選べるのはいいよね。デイサービスとかヘルパーさんとか他にもいっぱいあるけど、何がどうなんだか普通の人にはわからない。

ご希望に合うものを一緒に考えます。人それぞれいろんな条件が様々ありますのでね。

住み慣れた町で生活が続けられるように、できるだけご案内していきたいと思っています。

【事例紹介①認知症をお持ちの方への提案】

マスター:具体的な事例を教えてもらえますか?

先日、78歳の女性が要介護の認定を持って、80歳のご主人と一緒に相談に来られました。ご自宅兼工場でご夫婦でお仕事をされていますが、奥様の認知症の症状が進んで、工場にかかってくる電話の応対あるいは電話の内容をお忘れになってしまったり、お昼のおつかいに行ってくると言って帰れなくなってしまったりして、ご主人のお仕事に影響が出てきたということでした。今は、奥様は介護保険を利用して週3回デイサービスに通われています。ご主人のお仕事の繁忙期などはショートステイを3泊4日ご利用になって、お仕事に集中できる日を作っています。奥様も元々は社交的な方なので、デイサービスやショートステイをとても楽しんで過ごされています。

マスター:ショートステイは利用したい人が多いので、早めの予約が必要と聞いています。

通常は2か月前の一斉予約になります。ただ、皆さんご事情があって、キャンセルが出るとか突然用事が出来て利用しないということもありますので、まずは担当のケアマネさんに、いついつに利用してみたいけどどうかな?と発信して頂ければ、用意できるところを探してくださると思います。

【事例紹介②ひとり暮らしの方の退院後の心配】

マスター:他にもなにか事例はありますか?

80歳女性でひとり暮らしの方ですが、段差で転んで骨折して、手術も成功して、今は病院でリハビリをされています。間もなく退院ということで介護の申請も済んでいたので、病院に伺って退院後の生活の不安、今ここまでリハビリできてるけど、ちょっとお風呂が心配というようなお話をしました。

マスター:家に帰ってからが大変。助けてくださらないと生活ができなくなっちゃう。

お風呂は転んだり滑ったりが心配なので、そういうところだけヘルパーさんに見守って欲しいとか、浴槽を低くする「浴槽の取替え」という住宅改修のご案内をしてみるとか。「浴槽の取替え」は、一定の条件が合えば葛飾区の制度で助成もでます。また、浴槽に入るときに便利な福祉用具やご自宅での訪問リハビリなどもご案内しています。

【イベントの紹介】

マスター:近々イベントがあるということですが。

「認知症を知り、地域で支えあおう講演会」を、11月4日にテクノプラザで開催します。講演は午後1時半からですが、その前に「介護フェア」を10時頃からやっていますので、雨が降っても大丈夫ですから、ぜひ皆さんいらしてください。

 

次回の放送は11月1日(木)です。

 

介護についての悩みやご相談など、なんでも結構です。
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