ゲスト:平成立石病院 大澤院長 かつしかFM「なかまで介護」第64回(2020年8月20日放送分)(内容追記)

  かつしかFM(78.9Mhz)から発信する地域包括ケア
「なかまで介護」
毎週(1・3週)木曜日10:00-10:54 放送中!

このサイトでは、ラジオ放送から数週間遅れで、youtube再放送版を公開しております。

 

なかまでゲスト:平成立石病院 大澤院長
(葛飾区医師会協力)

平成立石病院の概要と葛飾区医師会での役割

マスター:あらためて、平成立石病院の概要と葛飾区医師会での役割について教えてください。

当院は203床の急性期病院であるとともに東京都の災害拠点病院となっています。今回の新型コロナウイルスに対しては、患者の入院重点医療機関ということで積極的に患者さんの受け入れを行っています。また、葛飾区医師会においては、当院の猪口理事長が東京都医師会の副会長ということもあって、東京都あるいは葛飾区の医師会に対して積極的に参加しています。特に救急や災害等に関しては、医師会の方といろいろ関わりながら、地域のためにその役割を担っています。

急性期病院:急性疾患または重症患者の治療を24時間体制で行なう病院

葛飾区の新型コロナの状況

マスター:早速ですが、葛飾区の新型コロナの現状を教えてください。

最新のデータでは、葛飾区内は約400名ちょっと超えたぐらいの陽性者、感染者ということになります。近隣の足立区や江戸川区に比べるとかなり数は少なく、大きなクラスターの発生も今のところ聞いていないので、このぐらいの数で収まっているのかなという印象です。

病院の体制

マスター:大澤院長への応援メッセージや感謝の声がたくさん届いています。

ありがとうございます。少しだけ自慢をさせてもらうと、この先は分かりませんが、これだけ身近に実際に患者さんに接している中で、診療も含めて今のところ職員から一人も陽性者が出ていないんですね。それだけ意識を高くもって、みんなが仕事しているんじゃないかと思っています。

店長:平成立石病院の一般外来というのは、棟を別にして道路を挟んで別の施設で診療されていますね?

安心して頂きたいのが、コロナの患者さんの病床と一般のところが、空間的にも完全に分離されているので、そこが交わることがないというのが、一つ大きな当院の特徴ですね。

質問①コロナの症状、感染者数について

マスター:ここからは質問コーナーです。まずは70歳男性の方から。

サークル活動や講座など区内でボランティア活動をしていますが、どこまで進めていいのか悩んでいます。感染者数がまただいぶ増えてきたということですが、原因についてどのようにお考えでしょうか。

一つは PCR検査が増えたということも当然あると思います。もう一つは、家族内感染みたいな形でまだなんとなく広がりを見せているのかなというのはありますね。ただ、実際私の耳に入ってきている情報ですと、そろそろ頭打ちになって、これから少し感染者の数は減っていく方向にいくのではないか、第二波かどうかは難しい判断ですが、徐々に収束の方向に向かっているのかなと感じています。

質問②シニアの過ごし方についてアドバイス

マスター:続いて72歳男性の方から。

連日コロナの患者が激増中ですが、外出しないと色々な病気も出てきてしまうし、ストレスも溜まってしまいます。シニアの過ごし方のアドバイスをお願いします。

私の患者さんの中にも、今回のコロナで一切外出せず、家に引きこもってる方が多くいらっしゃいます。そういう時は、決して空気中にコロナが漂っているわけじゃないから外出しても大丈夫、ただ、密になるような状況は避けなきゃいけないと話しています。足腰や心肺機能が弱るとか、それこそ命を落としてしまう可能性だってあるわけですから、気分転換も含めて外出することは構いません。人に会うような場面においてはマスクをしてもらって。今の時期は熱中症のこともあるので、周りに誰もいないところではマスクをする必要はないよ、ともお話ししています。

店長:だからこそ、医療現場の先生方に負荷を与えない、自分がかかった時に最善の治療を受けさせて頂くためにも、やっぱり注意をするってことは大事ですよね。

質問③熱中症と新型コロナの違い

マスター:次は40代女性の方から。熱中症と新型コロナとの違い、見分け方を教えてください。

どちらも熱が出るというのは似ているといますが、基本的に新型コロナは「肺炎」なので、熱と共に咳とか呼吸苦とか呼吸器症状が伴うパターンが多いです。よく言われる味覚障害、嗅覚障害であったり、少し下痢をしたりという方もいらっしゃいます。コロナを疑うのは、濃厚接触含めて周辺にコロナの感染者、陽性者がいるなどあれば、かなり感染のリスクは大きくなってきます。熱だけでなく、頭がボーっとするとか口が渇くとか、手足がちょっと痺れてくるとかだと、熱中症と考えた方がいいですね。

質問④他の感染症との比較

マスター:インフルエンザや他の感染症と新型コロナの症状との違いを教えてください。

あくまで私見ですが、年明けからインフルエンザ関連の死亡というのはもう3000人以上出ていて、コロナでは1000人強ですので、ウイルス自体の強さはインフルエンザの方がきついという印象です。ただコロナが怖いのが、病状の変化のスピードが速いことと無症状で人にうつしてしまう危険性があるという点で、インフルエンザとはちょっと違う。実際に診ていると、若い人はそれなりに症状がきつくても体力があるので乗り切れる。問題は、よく言われている高齢者、持病がある方は重篤化するスピードが早いということがあるので、医療者側としては注意しておく必要がある。

質問⑤インフルエンザへの対応

マスター:秋から冬にかけてインフルエンザが増えてくると思いますが?

インフルエンザに関してはワクチンも治療薬もあるので、できるだけワクチンは受けた方がいいですね。もしあやしければ、簡易の検査キットですぐに調べられるので、医療機関に行って判断して、インフルエンザであれば早めに治療して休む、ということが大切です。これから冬場にかけてどうなるのか、現場としてもいろいろ不安はありますね。今年、インフルエンザの患者数が少ないのは(感染拡大防止のため)消毒をしたりマスクをしたりしていることが、予防につながっているからではないでしょうか。

質問⑥PCR検査について

マスター:30代の介護職関連の方から。PCR 検査は感度があまり高くないとの情報があります。

マスコミでも言われていますが、感度自体は悪くありません。偽陰性が出てしまうので3割~7割の率にはなります。適切な時期を逃さずにおこなえば、(ウイルスは)つかまってくると思います。

 マスター:自費のPCR検査を希望した場合、受け入れはできますか?金額はどれくらいですか?今いろいろなクリニック等でもPCR検査をやっています。事情があってコロナ疑いということであれば公費負担になるのですが、健康診断というか、帰省するのに心配だから検査する、という話になると保険はききません。医療機関によって値段は違いますが2万円から3万円ぐらいでしょうか。詳しいことは各医療機関に確認してみてください。

質問⑦抗体検査について

マスター:抗体検査は、どのような時に受けるのが有効ですか?
また、抗体検査で仮に陽性と出た場合にPCR検査を受けなきゃいけないと聞いていますが?

抗体検査は、かつてコロナにかかったという証拠で、今かかっているかどうかの判断にはなりません。抗体がマイナスだから安心だと勘違いしないようにしないといけません。また、コロナウイルスは過去6種類、今回のものが7種類目になるということで、かつてかかったものが抗体として拾われるということもありますので、プラス(陽性)になったから今回の新型、という訳にもいかないと聞いています。

質問⑧ワクチンについて

マスター:いろいろな情報が流れていますが、ワクチンについて教えてください。

ワクチンとは、ワクチンを打つことによって弱い抗体を作り、そのウイルスが入ってきた時にやっつけるため体の中に武器ができるようなもので、自分が酷くならないということには有効かもしれません。今いろいろな国でワクチン製造の話がありますが、絶対というのは多分ないと思いますので、その辺を見極めていかないと。いつ頃入るか、どこの国のワクチンを使うかは、国の政策の話になります。

質問⑨治療薬

店長:インフルエンザでは「タミフル」などいろいろな薬がありますが、コロナで飲む薬はない?

今、治験ということでいくつかの薬は出ています。まだ認可はされていませんが、アビガンとか。他にも研究開発が進んでいます。早く治療薬が出来れば多くの人が安心しますが、病気のスピードが速くて間に合わないくらいに病状悪化ということもあり得ます。

質問⑩入院の判断基準

マスター:陽性と診断された時に、入院の判断基準はどういうところでしているのでしょうか?

東京都では調整本部が都庁にあって、そこで上がってきた届出と症状を加味しながら、入院の必要があるのか、ホテル療養なのか、自宅療養なのかという判断をしているようです。葛飾区では保健所の方である程度判断しています。持病がある方では症状は軽くても入院になる方も当然いらっしゃいますし、発熱等の症状が実際あって体調も優れなくて入院になることもあります。それぞれの症状と持病、あと年齢的なものも当然あります。やはり重症化する可能性のある場合には、入院して数日様子を見るということになると思います。

店長:例えば、救急車で搬送されてコロナが疑わしいとなった時には即そのまま入院体制を取るということも病院の判断でできるのでしょうか?

コロナ疑いの患者さんを受け入れる医療機関は指定されているので、どこでもできるというわけではありません。当院は受け入れ病院になっているので、もし疑いがあれば入院して頂きます。当然、個室管理して専用のお部屋に入って頂いて、当日あるいは翌日に PCR 検査をやると、翌日には結果が出ますので、プラス(陽性)であればそのまま病棟に、マイナス(陰性)の場合には数日加療をしながら一般の方で診ていきます。

質問⑪ECMO(エクモ)の治療

マスター:重症化した場合に、平成立石病院ではECMO(エクモ)の治療はおこなわれますか?

当院は中等症までの患者さんを受け入れる医療機関であり、エクモなど気管内挿管するような重症化した場合には、しかるべき医療機関に転院していただきます。(これまで)数名いらっしゃいました。

マスター:エクモは70歳以上の方には使用できないと聞きましたが、本当でしょうか?

エクモに関して年齢的な制限はあるようです。高齢の方だと、エクモを使ったとしても、それ以外の体力的なものとかいろんなことで回復が難しいということで、75歳を目安にしているようです。

質問⑫インフルエンザの流行

マスター:インフルエンザが流行になってきて、医療機関が破綻しないか心配しています。

もう少し時間が経つとコロナのこともいろいろ分かってきて、何でもかんでも入院という形ではなくなってくる可能性もあります。実際、インフルエンザにかかって入院するかというと自宅療養も多いですから、医療機関がそれで破綻するというような話にはならないと思っています。

 マスター:皆さんそういうことを意識しながら無理な負荷はかけないようにした方がいいですね。

質問⑬認知症の方の受け入れ

マスター:次は30代介護職の方からです。

高齢者施設の入居者さんに陽性が出た場合、認知症がある方の入院が受け入れてもらえますか?

認知症のコロナの患者さんに関しては、入院して診るというのは難しいのが現状です。陰性の人と分けて施設内で療養という形になることが多いのではないでしょうか。中等症でぐったりして動けなくなるなどあれば、しかるべき医療機関で入院することになるかと思います。

質問⑭高齢者の外出時の注意点

マスター:高齢者の施設などでは外出を控えていますが、どうしても筋力が落ちてしまったり、ストレスがたまったりしています。外出する際に注意すべきこと教えてください。

蜜を避けることがまずは大事、人のいない場所で散歩をするとか。飲食の場での感染は多い印象がありますね。だからもう家庭内は仕方ないという部分ではありますね。

質問⑮病院への受診控え

マスター:今は怖いからと我慢して病院に行かないようにしている病人が多いです。

コロナ後の2次被害によって、うつ病や認知症、糖尿病や腎臓病、歩行障害、あるいは癌など、重度の病人が急激に増えて、病院はますます大変になってしまうのではと危惧しています。

多くの医療機関でも「受診控え」という話は耳に入ってきます。当然、医療機関の方も十分注意しながら(診察を)行なっていますし、我慢して病状悪化というのは本末転倒です。きちんとマスクをして、ある程度ソーシャルディスタンスを取りながら、かかりつけの先生の所に普通に受診されることをお勧めします。行ったからうつるということはまずないと考えていただいてよろしいかと思います。

区民の皆さんへメッセージ

マスター:最後に葛飾区民の皆さんに向けて何かメッセージがあればお願いします。

自己管理をしながら、医療においては普通に受診をして、三密を避けてというような一般的な注意をしていけば、決して怖がるようなものではない、という事を皆さんに考えていただければと思います。

 

 

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