ゲスト:葛飾区介護サービス事業者協同組合 株式会社エフ・ティー介護サービス 代表取締役 高木奈央美さん かつしかFM「なかまで介護」第54回(2020年3月19日放送分)

  かつしかFM(78.9Mhz)から発信する地域包括ケア
「なかまで介護」
毎週(1~3週)木曜日10:00-10:54 放送中!

このサイトでは、ラジオ放送から数週間遅れで、youtube再放送版を公開しております。

なかまで介護

葛飾区介護サービス事業者協同組合から
株式会社エフ・ティー介護サービス 代表取締役 高木奈央美さん

事業の概要

マスター:事業の概要を教えてください。

私どもはケアマネージャーさんやヘルパーさんの派遣、訪問の看護師さんの派遣、それからデイサービスを3施設運営しています。3施設は医療的なケアが重度に必要な方から半日の機能訓練マシントレーニングをメインにしたデイサービスまで、重度に介護を必要とされる方から介護にならないように運動してみたいという方まで、ご利用いただけます。

マスター:居宅介護支援事業、訪問看護も含めて、ご家庭の状況下に合わせて対応できる種類を組んであるということですね。範囲が広いから大変ですね。

ケアマネの仕事をしているうちに、こういうのがあったらいいなというのを一つ一つやっているうちに、このようになりました。

ケアマネージャーのお仕事

マスター:介護されている方やご家族からの要望から、こういったものが出来上がってきたわけですね。理想的ですね。今日はその中でも居宅介護支援事業について、特にケアマネさんの役割やお仕事の内容を教えてください。

簡単に言ってしまうと、利用者さんとデイサービスやヘルパーさん派遣などのサービス事業者さんの間に入って、調整をするということがお仕事になってきます。

その中にはご利用料金の調整、ご利用者様が払える範囲の中で一番良いサービスのご紹介、デイサービスの日程調整など骨格を作っていくようなお仕事から、実際にデイサービスやヘルパーさんを始めた後に、利用者様の方でこんなことをお願いしたいけれど言いづらいとか、デイサービスやヘルパーさん派遣の方から本当はこういう風に持って行きたいけど利用者様にうまくご理解いただけないという時にケアマネージャーが代わりにお話をするなど、細々した調整や相談といったことがメインになってきます。

ケアマネージャーの利用料金は、現在ご利用者様負担はありません。10割すべて国保から介護報酬が払われるという形なので、ぜひ使っていただきたいですね。

マスター: 正式には「介護支援専門員」というのですが、よく「ケアマネージャー」と呼ばれます。なんでマネージャーと付くのかなと思ったら、お金までを含めてマネージメントしてくれるから、「ケアーのマネージャーさん」なんですね。

居宅介護支援事業利用の流れ

マスター:利用の流れを教えてください。

介護認定をお持ちの方とそうじゃない方がいらっしゃると思います。まったくお使いになったことがない方は、一度、地域包括支援センター(葛飾区では高齢者総合相談センター)にご相談いただければと思います。介護度をもう持っていてこれからサービスを使ってみようという方は、実際に居宅介護支援事業所の門を叩くことになりますが、ケアマネージャーにも得意分野というのがありますので、その運営母体の法人がどんな事業を営んでいるのかを知っておくと、どういう事業に強いのかというのがわかると思います。もちろん専門ですのでどんな事業でもご紹介はできますが、医療に強いところ、運動がしたいなど、その方によっていろいろあると思います。

マスター:「かつしかほうかつケアねっと」などにもたくさんデータがあるので、自分でいろいろ調べて、どこにでもご相談できるんですね。

なかなか電話をかけるのも難しいこともあると思いますので、そういう場合でも高齢者総合相談センターにご相談いただければと思います。

事例紹介(最期まで在宅で暮らす)

マスター:事例をご紹介いただけますか。

ケアマネではなく訪問看護師として関わっていたケースです。

施設にいくか在宅で暮らすかというところが今は2つの道のようになっていますが、お元気なうちから「最期まで家で暮らしたい」という思いの方を10年以上お世話させていただいた上で、最期までお家で(暮らして)息を引き取られたというケースもあります。

例えば今、将来どうしますかと言われた時に「将来はやっぱり子供に迷惑をかけたくないから施設に入りたい」とおっしゃる方が多いと思いますが、「じゃあ今、施設に入りますか」と言われた時に「入ります」と言う人は少ないと思います。80歳になっても90歳になっても「いやまだまだ早いよ」という思いをお持ちの方も多くて、ちょっと転ぶようになったり、お金の使い方がわからなくなったりして、危ないから施設に入った方がいいと周りが思っても、ご本人は「まだまだですよ」と。そこの開きをどういう風に埋めるのかというのが、訪問サービスをしていての課題ですね。

マスター:それと、介護しているご家族の気持ちと疲弊の状態とか、いろいろな部分が絡み合ってくる。日にちが経っていく度に段々と違ってくるんですよね。

体の疲れの部分はいくらでもお手伝いできるのですが、衰えていく親をみていく子供の心の疲弊の部分というのは私たちでは力不足なところが多くて、皆さんそうなんですよという一般論ですげ替えることではなかなか…。日々傷ついていらっしゃるご家族の気持ちにどう寄り添っていくのかというのは、本当に課題ですね。

寄り添うということ

マスター:でもこうやって実際に多くの方の介護をやって、つらいことや喜んでもらったことなど経験されている方だから、ご家族の気持ちがわかる。ご家族に今いちばん何を言ったらいいのかとか、どういう対応の仕方をしたらいいのかとか、経験が生きてきますよね。

 店長:そういう人の言葉は人を動かします。机上の学習だけで理論的に進めてもダメなものというのはある。

それはすぐご利用者様やご家族に見えてしまいますね。

マスター:そこに寄り添っていくのは本当に大変なことだよね。

店長:うちの義母がサ高住に入っていて週ごとに面会に行くのですが、1日だけでも(疲れて)、帰ってくると必ず「こういう仕事に従事している人ってすごい」と話しています。

マスター:ご家族だと365日、24時間、それもいつ終わるかわからない状態でみていかなければならないからストレスが溜まります。介護の現場の職員さんは本当によくやってくれているし頑張ってくれている。プロとしてちゃんと勉強を積んでいる。でもひとつだけ言えるのは、例えば8時間の労働で、その後に週休2日があって、有給もあって、そこでプツって切ることができるからこそ、プロとして徹してそういう対応が出来る。だからご家族が、「私はできていない」と落ち込む必要はない。

心や体が回復していく時間がなく、お世話をされているわけですから。

マスター:だからこそ逆に、高木さんのところのようなプロの方にお願いして入っていただいて、自分の心にゆとりができるような時間を作る。全部が全部を一人で抱えたらだめです。

 変わりゆく介護業界

店長:時代は変わっていて、大学を出た新卒の子が介護の中で自分のクリエイティブな部分をいろいろと発信しながらみて行きたいというゲストの話もありました。介護保険導入の時から今日まで、本当に日進月歩で、スタッフの質もそうですし、変わってきていることは事実ですよね。

若いヘルパーさんの考え方はびっくりすることもたくさんありますし学ぶことも多いです。

マスター:ケアマネさん(介護支援専門員)もそうですけど、そうやってキャリアアップしていけるように介護の業界はできていて、初任者研修(旧ヘルパー2級)試験から始まり、それから3年以上経って、今度は介護福祉士という国家資格が受けられる。きちっと3年以上やらなくちゃいけないし、それで介護福祉士試験でステップアップできるし、さらに今は介護福祉士を取ってから5年以上経たないとケアマネの試験は受けられない。それこそ10年くらいかけて国家資格を一つ一つ取りながらステップアップ、キャリアアップしていけるという、そういうものもきちっと介護の業界は出来上がっています。だからこそ、大学を卒業した人たちもみんな来てくれているし、ぜひ来ていただきたいよね。

 店長:かなちゃん(マスター)も教育に比重を置いていますよね。

 マスター:それはとても大切。そういう意味では企業の責任も大きく、きちっと教育していかないといけないよね。

 デイサービスのご紹介

店長:「健康スタジオあしたば」というのもあるんですよね。

そこがマシントレーニングをメインにやっているデイサービスで、朝に来られた方はお昼ごはんの前に帰られて、お昼ごはんの後に来られた方は夕方に帰られるという2部制になっています。「あしたば」は次の日には生えてくるようなすごく生命力がある葉っぱなので、その生命力にあやかりたいと思っています。

キラキラリポート

「エフ・ティー介護サービス」

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