かつしかFM(78.9Mhz)から発信する地域包括ケア
「なかまで介護」
毎週(1・3週)木曜日10:00-10:54 放送中!
このサイトでは、ラジオ放送から数週間遅れで、youtube再放送版を公開しております。
なかまゲスト:葛飾区金町地区民生委員 児童委員協議会 唯根優子会長
民生委員とは
マスター:まずは民生委員について説明して頂いてよろしいですか。
葛飾区から配られている「わたしの便利帳」120ページにとても分かりやすく民生委員のことが書いてあります。『地域の身近な相談相手として、介護や子育て生活上の問題で困っている方々の相談に応じる、区や関係機関との橋渡し役』ということで、専門的な知識を勉強した人というわけではなく、主に、ごく普通の主婦や定年になった男性などがなっています。
私たちが答えるというのではなく、お話を聞いて専門の方に繋げる役目だと思っています。
マスター:任期が3年間で無償のボランティア。葛飾区全体でどれくらいいるのですか?
19地区に分かれ、400人ちょっとで活動しています。担当地区が決まっているので番組をお聴きの方の地域にも民生委員がいます。民生委員がわからなければ、区の福祉管理課に連絡してご住所をおっしゃってくだされば教えてくださるはずです。
活動紹介
マスター:金町地区の活動を教えてください。
金町地区の定員は29名で現在欠員があり26名で活動しています。男性9名女性17名で、バランスが良いと思います。女性だけでは難しいケースもありますし、男性だとちょっと行きづらい母子家庭などもありますので。
マスター:どのようなことをされているんでしょうか。
一番大事なのは、「相談に応じること」。地域で民生委員だというのがわかってくださった頃からいろんなご相談が来るようになりました。電話してわざわざというよりは歩いている時にたまたま出会って立ち話をした時に、「実はね」とか「この頃お隣の誰々さんが心配なのよ」とか。そういうことが相談につながる事もあります。
店長:自分の地域の民生委員の顔を知っているだけで、もしかしたら事件や事故に発展する前に相談に乗ってもらうとか、一人じゃないんだと知ることができますね。
児童問題の増加
マスター:児童委員も兼ねているので、子どもの虐待なども連絡の中に入るわけですよね。
児童委員を兼ねるようになったのは戦後と聞いています。介護の問題はご本人やご家族が高齢者総合相談センターに直接ご相談に行かれるなどしています。児童問題は結構多くなってきました。
コロナ禍の悩み①高齢者実態調査ができない
マスター:本来であれば、民生委員さんが3年に1度、行政からの依頼でおこなっている高齢者実態調査などで、どこにどうやって住んでいらっしゃるかとか、よくご存じですよね。
実は昨年がその実態調査の年でした。一昨年の12月に改選があって(本来なら)次の春に実態調査をやります。新しく委員になった方は調査もできない状況で(特に大変だと思います)。それをやって自分の担当地区のことが分かって、そこからまたご相談が結構あるんですね。行くことによって、その時にこういう名刺を出しています。
大きな名刺でわかり易く
店長:大きい!お名前にひらがなもふってあるので、高齢者にも小さい子にもわかりますね。
実態調査の時にまずこれを渡して、「私はこういう者です、何かお困りの時はいつでも電話下さい」と言って置いてきます。(次に訪問すると)電話のそばに置いて下さっている方も多くて、頼りにしてくださっているかと思うと嬉しいですね。先日の民生委員の集まりである委員が、「マスクで訪問して怪しまれてドアを開けてくれない時に名刺を(ドアの)穴の所に見せると開けてくれる」と言っていたので、私もいつも持ち歩こうと思います。あと、ここに書いてありますが、私たちが大事にしているのは、民生委員児童委員には守秘義務があって相談内容や個人の情報が他に漏れることは無いということです。これは私たちが民生委員になった時に、とてもしっかり言われます。
マスター:安心して相談できる人だなって思いますもんね。これは大切ですね。
コロナ禍の悩み②玄関先でお話ができない
マスター:そのほか、コロナの影響で困ったことや課題はありますか。
相談支援以外に、88歳99歳100歳それ以上の方のお宅に(葛飾区からの依頼で)寿状とお祝い金をお誕生日にお届けしています。以前でしたら玄関先でお話ができたのですが、その方はたまたま外に出てらして耳の遠い方で、お金を確かめてハンコを頂くのに大きい声で言ってくださいと言われるけど、通行人もいてお祝い金をこんなところでやって何かその後あったらと心配しました。その時、他の委員が、自分はいつも紙を持っていてサインペンで書いて見せられるようにしていると。そういう心配りも本当に大切だと思いました。
事例紹介①認知症疑いの方
マスター:何か事例を教えて頂けますでしょうか。
継続中のお話はできないので、ちょっと前の話になって恐縮です。地区センター長から、70歳ちょっとの女性が区民事務所に何回も印鑑登録に来ていて心配だと職員さんから言われていると連絡がありました。認知症の心配もあるので何度も伺って何回目かにお会いできたのですが、出かけると言うのでその時は終わりました。それから間もなくして、その方のアパートの大家さんから電話があって、アパートに住んでいる方で心配な人がいると。よく聞くとその方のことで、大家さんがお隣に住んでいて懇意にされていて、心配で病院に連れて行ったこともあるということで。
店長:本当に昔の「大家さん」ですね。
高齢者の問題はいつも高齢者総合相談センターに連絡してお願いするのですが、大家さんがその方のご親戚の方のことも知っていたので、大家さんと高齢者総合相談センターの職員さんとご本人の義理のお姉さんと私の4人で今後の事を話し合いました。私の役割はそこまでですね。
マスター:いわゆる「(人と人とを)繋ぐ」という一番大切なところですね。
介護保険を申請しようという話し合いが進み、ご実家の福島県いわき市にいる姪っ子さんが連れて帰りたいとお迎えに来て下さいました。その後は向こうの高齢者総合相談センターとも話し合いをしてくださったようです。
みんなで繋ぐ
マスター:周りの方々が気づいた段階でそのまま終わってしまうともっともっと大変な事になる可能性があるけど、それを民生委員さん達に繋いで頂く。そうやって専門家に繋いでいく中で高齢者総合相談センターと一緒になって、みんなでケアしていく。
店長:だからやっぱりコミュニティの大切さ、心あるおせっかいはいいと思います。
民生委員はおせっかいじゃないとできないんです。
マスター:高齢者総合相談センターに行って、お隣の方がこうだとか、まず繋いで頂きたい。または、民生委員さんでも町会長さんでもいいですよね。
町会長さんはよく地域のことをご存じなので。そこから私たちの方にも連絡が来ます。
事例紹介②後見人を探す
マスター:他の事例も教えて頂けますか。
私が民生委員になってからずっと一人暮らしで身寄りもない94歳の方で、米寿のお祝いをお持ちした頃から先のことが心配でした。介護を受けていたので、ケアマネさんとお会いする機会があり、ケアマネさんも心配されていたので、高齢者総合相談センターの職員さんと3人で成年後見制度についてご本人にお話しすることになりました。養子になってくれるかもしれない人がいるということで少し様子を見ることに。その後お断りされたので、話だけは聞いてみようということになり、ちょうど高齢者総合相談センターを辞めて成年後見事務所を開いた方が金町にいらしたので繋ぐと、後見人になってくださることになりました。その後ちょっと前に入院したというのをお聞きしましたが、病院の手続きやお金の引き出しも後見人がついているので安心できましたね。
店長:(ケアマネさんや)高齢者総合相談センターとの連携で、後見人を見つけるまでに至ったということですね。
金町地区で「お茶飲み会」を開催
マスター:社会福祉協議会との「小地域福祉活動」についてもPRして頂ければ。
5年程前から月1回、金町地区センターで「お茶飲み会」というサロン活動をおこなっています。コロナ前は50人ほど集まる時もありました。お茶を飲んで皆さんでおしゃべりするのが趣旨ですが、「居場所」ですね。主にご高齢の方が対象ですが時々若い方が小さいお子さんを連れて寄ってくださいます。ただお茶を飲むだけでなく、そこで手作りの物を作ろうということになりました。
店長:私達も先ほどマスクケースを頂きました。
マスクは針を一切使わず布用の両面テープを使って作って、皆さんに持ち帰って頂きました。「お茶飲み会」は、地区以外の方でもどなたでもウェルカムです。毎月第2水曜正午から3時ぐらいまで。1・2月は(緊急事態宣言で)できなかったので、3月はぜひやりたいと思っています。
介護についての悩みやご相談など、なんでも結構です。
ぜひ番組までメールください。