ゲスト:葛飾区医師会 いずみホームケアクリニック 和泉紀彦先生 テーマ:最初の相談の重要性 かつしかFM「なかまで介護」第32回(2019年8月8日放送分)

  かつしかFM(78.9Mhz)から発信する地域包括ケア
「なかまで介護」
毎週(1~3週)木曜日10:00-10:54 放送中!

このサイトでは、ラジオ放送から数週間遅れで、youtube再放送版を公開しております。

 

なかまで相談室

事例紹介①病気の発見

マスター:事例を教えて頂けますか。

西新小岩一丁目絆の会という地元で体操や講話を聞くなどする自主グループがあるのですが、そこで「旦那さんがお風呂から出られなくなって困っている」という相談がありました。

引っ張り上げないと出られなくなってしまったということで、訪問すると、あきらかに様子がおかしいのですぐに受診を勧めると、病気が見つかり緊急入院、手術ということになりました。硬膜下血腫ということでした。散歩から帰ってきて様子がおかしくなったということで、どこかで転んで頭をぶつけていた可能性があります。

マスター:血が溜まってきて数カ月後になるようです。

入院中に介護保険を申請、退院後にサービスを使い、今は元気に生活されています。低い浴槽に浴槽交換工事をして、お一人でお風呂も楽しく入られているようです。

マスター:介護保険を申請すると、お風呂だけじゃなく、段差とか手すりとかスロープなど、いろいろ助成して頂ける。高齢者総合相談センターに相談すると全部教えて頂けますよね。

今回は西新小岩一丁目絆の会に参加されていたということでしたが、電話とかセンターで相談するということはなかなか難しいかも知れません。我々が地域に出向いていって顔が見える関係を作っておけば、気軽に声をかけてもらえるようになるかと思います。

事例紹介②電気が止まっていた例

マスター:他に事例はありますか。

薬局の薬剤師の方から、薬を取りに来た目が不自由な男性で、お一人暮らしと伺ったけど、何のサービスも利用していない。大変だろうから様子を見に行って欲しいと相談がありました。最初は何も困っていないということでしたが、よく聞くと電気のブレーカーが壊れているので直さなくちゃと支援したら、実は1年以上電気が止まっていたということでした。

店長:暑さ寒さがあるじゃないですか。扇風機も使えないですよね。

クーラーはお部屋にありましたが、一度も使ったことがないということでした。

店長:熱中症とかにならなくてよかったですね。

朝起きたら図書館など涼しいところに行って、夕方帰って来て寝るという生活をされていたと思います。今は電気が復旧して、冷蔵庫も使えるようになっていますので、もう大丈夫です。このようなことがないように関わり合いながら支援していこうと思っています。

イベント紹介

マスター:イベントのご紹介をお願いします。

地域の介護事業者さんたちと定期的に研修会を行っていて、先日は「難病支援についての講話と連携」について研修会を開催しました。次回は地域のケアマネさんたちと「医療連携」について研修会を開催します。また、先程の事例にもあった西新小岩一丁目絆の会には、男性の参加者もたくさんいらっしゃるので、男性の方でも参加して頂けたらと思います。「シニア活動支援マップ」でも紹介されています。

なかまでゲスト

葛飾区医師会 いずみホームケアクリニック 和泉紀彦先生

 

【熱中症について】

マスター:この暑さで熱中症の方が1週間で2万人弱ということです。

35度以上の日が続き、年齢に関係なく自宅にいても熱中症で運ばれてくる方が増えています。高齢者も認知症の方もよく熱中症になりやすいと言われます。季節の感覚がわからなくなる、暑くなるのが予想できなくなり、水分をとらないといけないという判断ができなくなってしまいます。高齢者の方は水分を取りたがらないのはどうしてだと思いますか。

店長:トイレに行くのが嫌なんじゃないですか。

大正解です。夜トイレに行きたくないというのがあって、寝る前に水分を控えてしまう。それで脱水症になってしまうこともあります。大事なことは「水分をとっているか」と「室内の温度が大丈夫か」というところです。本当は家族の方やヘルパーの方が1日1回は直接見て、水分も取れているかどうかを確認するのが一番いいです。実は熱中症のリスクが高いところにいるとか、夜はクーラーが体に悪いからと止めちゃう方もいらっしゃいます。そうすると脱水症になってしまいますので、夜の方が安心してしまうので危ないです。

葛飾区医師会が行う認知症の取り組み

マスター:認知症の予防の取り組みについて教えて頂けますでしょうか。

特に、お独り住まい方、ご家族が遠くにいてお独りで住まわれていている方に特に聞いて頂きたいと思います。一人の時に大丈夫かなとネットや雑誌などで調べたくなると思います。

予防の取り組みとして、東京23区で先駆けて取り組んだのが「もの忘れ健診」で、始めて5年近くになります。68歳〜72歳が対象で、今年からは75歳の方も対象になっています。それ以外にも、「もの忘れ相談会」や「もの忘れ外来」、「認知症カフェ」など地域での取り組み、行政や介護施設などでもいろいろな取り組みがされています。それでも手紙を見ていなかったとか、病気がないので行かれない方が、少しずつ認知症になっているかもしれないということもあります。そういう方がどう相談したらいいか、セーフティーネットがあるか、ご紹介したい例があります。

 事例紹介

75歳男性で、4~5年前から認知症と思われる症状がありましたが、健診を受けていない。ただ気にしてくれる民生委員の方がいて、高齢者総合相談センターに相談されています。その方は独居で、姉妹は遠くにおられるということで。

マスター:上のお姉さんも結構高齢ですもんね。

上の方も認知症の支援を受けていて、本人に接触はできていない。家族はいらっしゃらないので、周りに見守ってくれる人がいたのが大きいですね。いろいろとお話をして説得しますが認めない。病院に行かれているんですが健康診断もしていないのでわからない。高齢者総合相談センターの方が訪問診療をしてみましょうと言うのですが、成年後見人もいないということになると、契約は自分でしなければならないけど、それもできない。診療所に行っても拒否をする。そうなると診断もつかないまま、ずっと何年も過ごされることになります。

認知症初期集中支援チームについて

マスター:医療を拒絶しちゃうと、認知症の症状を判断できないとか、色々な意味で関われない。大変ですよね。

認知症があるというだけで医療サービスも制限される部分もあって、ここでは診れないとなった場合にどこに行けばいいかわからない。独居の方は周囲の方とも断絶していく感じでなかなか難しい。セーフティーネットから外れてしまった、どこに相談していいか困ってしまった場合に、高齢者総合相談センターの方が区の方やチームに相談して、いろいろな職種の人が集まって解決していこうという「認知症初期集中支援チーム」を昨年から発足しています。このチームは認知症を治すわけではないですが、半年後にあるべき姿を決めようとしています。その基準というのは、「その方が幸せに生きているかどうか」です。そして、「どうしたらそれを実現できるか」を目標にしています。必ず最後に支える場所があって、そういう人たちが集まって支えているので心配しないでください。

マスター:幸せに生活できるために、そのどうしたらいいかっていうことを考えてくれるって嬉しいですね。

 

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