ゲスト:葛飾区介護サービス事業者協働組合から特養老人ホーム ル・ソラリオン葛飾の根本施設長  テーマ:特養老人ホームについて かつしかFM「なかまで介護」第15回(2019年2月21日放送分)

  かつしかFM(78.9Mhz)から発信する地域包括ケア
「なかまで介護」
毎週(1~3週)木曜日10:00-10:54 放送中!

このサイトでは、ラジオ放送から数週間遅れで、youtube再放送版を公開しております。

なかまゲスト

葛飾区介護サービス事業者協働組合から 特養老人ホームル・ソラリオン葛飾  根本施設長

葛飾区介護サービス事業者連絡会について

マスター:葛飾区の介護サービス事業者連絡協議会の中に特別養護老人ホーム(特養)に関連する部会も入られているということですが、そのあたりについて教えて頂けますか。

葛飾区介護サービス事業者連絡会は、葛飾区内の介護サービス事業関連の企業の健全な発展と多様で良質な利用者本位の介護サービスを提供するという目的で設立されています。私どもル・ソラリオン葛飾も加入していて、今は在宅サービスと施設サービスが連携して、地域包括ケア、切れ目のないサービス(シームレスケア)の実現に務めています。

 特別養護老人ホーム(特養)とは

マスター:特養さんの役割が国から指定されていると思うのですが。

特別養護老人ホームは、心身が不自由なため寝たきりの方、認知症のために常時介護が必要な方で、要介護3以上の方が入所する施設となっています。入浴、排泄、食事等の介護、日常生活の世話、機能訓練、健康管理などを受けることを目的とした施設となっています。

マスター:特養さんの運営は何か指定されているんですよね。

設立できるのは社会福祉法人や地方自治体が運営するとなっていますので、公的な介護施設と位置づけられるかと思います。

店長:一番介護が重いところが特養さんという気がしていますが。

法改正がありましたので、介護が重い方は特養で軽い方は在宅という流れになっています。

マスター:最近、特養と介護老人福祉施設という2つの名前を聞いて頭が混乱するんですが、そのへんの意味合いを教えて頂けますか。

以前は「養老院」という呼び方をしていたのですが、老人福祉法で「特別養護老人ホーム」となり、2000年に介護法が成立しましたので、そこで「介護老人福祉施設」となりました。呼び名としては特別養護老人ホーム、特養と呼ばれるのが一般的です。

マスター:葛飾区内ではどのくらいありますか。

葛飾区内に20施設、それから区外に2施設、全22箇所で、現在建設中のものもあります。

建てるには参酌標準というのがございまして、高齢者の人口に何%かけてという風に偏りのないようにしています。

店長:ちゃんと数字に基づいた、算出されたものなんですね。

施設の概要

マスター:部屋とか個室とか、そのあたりの構造を教えて頂けますか。

大きく分けて、多床室と呼ばれる4人部屋と個室の2種類があります。4人部屋のところに個室があるのが従来型個室と呼んでいます。新しく建てられた施設はユニット型個室という形ですべてが個室になっています。

マスター:それぞれの特徴はありますか。

最初は4人部屋が主流でしたが、厚生労働省が個室の方がいいだろうということで、新しく建てる特養はすべて個室になっています。ただし費用の関係で4人部屋も必要だろうと、現在は並行してやっていますが、新しく建てられた多床室の場合には、窓際に配置されるようになっています。

店長:両方ともメリットとデメリットがありますね。上手くいかない人たちが4人でいるとストレスが発生するけど、みんなで仲良くしたい人は個室だと寂しいとかってなりそう。

マスター:職員さんの配置はどのようになっていますか。

看護師さんと介護をするケアワーカーさん、生活相談員、機能訓練指導員、管理栄養士、ケアプランを作るケアマネジャーさん、事務員、施設長などが配置されています。基準が4人部屋で3対1、ユニットケアで2対1と、どの施設も職員は少し厚くなっています。法的には3対1ですが、実質はそれではまわらないので、どこの施設も2対1で配置しています。

マスター:夜間の体制、食事や入浴には基準がありますか。

特養には看護師がいない施設が多いと思います。入浴は週2回が基準です。ル・ソラリオンの場合、現在は医師は常駐しておらず、定期的に嘱託員さんが来られます。

マスター:医療機関と連携して往診して頂ける感じですね。

協力病院もありますし、すぐにナースコールで指示を仰いで救急車を手配するなど、医療の連携体制をとっています。

マスター:管理栄養士さんや機能訓練の方々なんかもいらっしゃるんですね。

おかゆの方もいらっしゃいますし、嚥下障害を起こさないようにしています。

看取りについて

マスター:最期の「看取り」についてはどのような体制になっていますか。

私どもの施設では、医学的な知見に基づきまして回復の見込みがないと医師が判断した場合には、その方に限り家族の同意など細かなことが決められていますが、それに従って尊厳と安楽と言いますか、安らかな死を迎えられるような体制をとっています。

 入所の条件・手続きについて

マスター:それでは、もう一度入所の要件を教えて頂けますか。

介護保険法が改正されて、平成27年の4月1日から特養に入所できる方は、原則「要介護3以上」です。生活の場なので、常時医療を必要とする方は入所できません。

マスター:手続きはどのように進めればよいですか。

具体的には、ケアマネジャーさんに相談しながら進めるのが良いと思いますが、「入所申し込書兼調査書」というのがありますので、それにご記入頂いて介護保険証の写しを添付して、希望する特養のひとつに提出します。何箇所まるをつけてもよろしいです。

判定の基準

マスター:希望のところに提出しても、判定の基準があると思うのですが。

「優先入所基準」というのがありまして、要介護5だと5点、要介護4だと4点、要介護3だと3点です。それと区民歴で、葛飾区民になって5年以上ということで1点。あとは介護の状況です。介護者が週平均40時間勤務しているとか20時間勤務しているとか、75歳以上であるかとか細かく設定されています。それからお住まいの状況で、通院中で戻る家がないとかいろいろな状況を勘案して、全部合計すると16点になります。

その中の13点以上が入所の要件と言われていますが、状況によって、新しくできた施設で人が少ない場合などではそれ以下ということもあります。

入所に向けて

マスター:困っている方から最優先というのが基準で、判定されて入所になるんですね。

判定の入所の基準を満たしている場合に、その後はどうなりますか。

施設が点数をつけますが、それが確かかどうかを区の「入所調整委員会」というので再チェックします。公平性を保ちまして、判定結果の点数を申込者に通知します。

マスター:施設だけだとちょっと高めにつけるかもしれないけど、もう一度、公の判定会議で他の方もいる中で判定会議をするんですね。あとは即入所できるかどうかですか。

施設に連絡がきます。施設では優先度の高い順に、空きが出た場合にご本人様に連絡します。状態等が変わっている場合がありますので、相談員と看護師が必ず面接に行くのが通常です。それで優先度の高い方から入所して頂きます。

 店長:介護保険が導入された時からみるとものすごく細かくなったけれど、正確になりましたね。それだけ(入所希望者が)多くなったという現状なんですね。

 マスター:現状はまだ待たれている方が場所によってはずいぶんといらっしゃいますか。

現在は医療行為の関係があって、例えばバルーン、人工肛門、在宅酸素、インスリン、人工透析、経管栄養など、そのような医療行為があるところで受けられる施設と受けられない施設がありますので、ケアマネジャーとよく相談されて申し込まれるのが良いと思います。

必要な費用の詳細

マスター:高齢者総合相談センターに連絡して、まずはケアマネさんとよく相談して、書類を整えて申し込みにいく。費用の目安はどうなっていますか。

収入など、人によって複雑になっていますが、おおよそ7万~15万くらいの間くらいです。

マスター:部屋によっても違うし、年金によっても変わってきますが、公的な機関なので、そこをなるべく公平になるように値段が決まっているということでしょうか。

介護保険料の負担割合が1割~3割の方までいらっしゃいます。所得の低い方には居住費と食費を減額します。申し込みの際に書類を確認されるとより正確にわかるかと思います。

マスター:費用の内訳ですと、介護の金額と他はどのようになりますか。

介護サービス費が基準額としてありまして、それと居住費、食費、日常生活品がかかります。オムツなどは無料になっています。

人手が足りない?

マスター:公的な機関なのでいろいろなメリットがありますね。現状、介護の人が足りないと言われていますが。

全体的に足りないのが現状です。2対1ということで我々も確保して、あとは海外の方が入ってこられるのと高齢の方も働ける方は働いて頂いて、人を確保するのが今のところ最大の課題だと思っています。

マスターからのメッセージ

マスター:ロボットに置き換えられませんし、どんどん必要な人数が広がっているので、ぜひ人の温もりのある手でやって欲しいですよね。シニアの方も第1の仕事が終わったけど、次はそういうことに力を貸して頂けるとありがたいです。

特養さんは待たれている方も多いですし大変だと思いますが、葛飾の中で包括ケアということで連携しながら、これからも一緒に頑張って頂けたらと思っています

 

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