ゲスト:葛飾区医師会から かつしか心身総合クリニックの駒形先生 テーマ:「ホームドクターを持とう」 かつしかFM「なかまで介護」第5回(2018年11月8日放送分)

  かつしかFM(78.9Mhz)から発信する地域包括ケア
「なかまで介護」
毎週(1~3週)木曜日10:00-10:54 放送中!

このサイトでは、ラジオ放送から数週間遅れで、youtube再放送版を公開しております。

今週はマスターのカナちゃんがお休みのため、店長の啓子さんが進行。

なかまで相談室

高齢者総合相談センター高砂 中村センター長

店長:まずは、高齢者総合相談センター高砂のエリアを教えてください。

京成の高砂駅の周辺で、住所としては高砂1丁目から5丁目の方、鎌倉地区全域、細田地区全域の65歳以上の方の相談を承っております。

【相談事例:手すりを付ける】

店長:どのような相談ごとがあるのでしょうか。

介護保険の申請についてもありますが、お元気な方からのご相談もたくさん受けています。その中で(ご紹介すると)ご本人やご家族から、階段に手すりがなくて最後の2、3段で転倒して、ちょっと怖い思いをしたので手すりをつけたい、というご相談を受けることがございます。手すりも、階段につけたいという方もいらっしゃれば、玄関の上がり框の段差がとても高くて、そこに捕まるところが一本あればとかもありますね。

店長:ご家族からも、こういう風にちょっと付けたいって方も多いでしょうね。

お母さまが2階に洗濯物を干しに行く時に、階段を登っている姿が心配で、手すりをつけてあげたいとご相談を受けることもございます。

店長:全部買い取りか、どのような形で補助金が出るのかなど、方法を教えてください。

すでに介護保険を申請されている方に関しては、介護保険を利用して設置することができます。ご本人様の収入によって変わりますが、20万円までの工事を1割または2割で付けることが可能です。まだ介護保険は必要ないよというお元気な方に関しましては、私どもが訪問して、「65歳からのいきいき元気度チェック」を行います。そこで事業対象者というのに該当した場合に、20万円までの工事をご本人負担1割で行うことができます。内容としては、手すりの取り付けや段差の解消です。階段等の滑り止め防止の床材の取り替えや引き戸に取り替えるということも考えていくことができます。今もまだ便器が和式のお手洗いを使っている方もいらっしゃいますが、段々足腰が弱ってきてつらくなってきたという方では、便器の洋式化に関してもこちらで適用することができます。

【ご家族からの相談事例:話し相手をみつけたい】

店長:ご家族からのご相談ではどういうことがいちばん多いですか。

ご近所の友人が入院したり亡くなられたりして、ご自宅を行き来しておしゃべりできる相手がいなくなって、お家で一人でポツンと、誰と喋ることもなく日中過ごしてるので、心配だという話をよく伺います。

店長:高砂で立ち上げた「オレンジカフェ」を知って、これはいいなと思いました。

地域の方でもなかなか集まれる場所というのが少なくなってきているので、認知症の方や介護している方が気軽に集まって、100円玉を握りしめてお茶とお菓子を楽しみに来ていただける場を作っていて、高砂の地区では2箇所あります。「カフェ花みずき」は都営高砂団地24号棟の第二集会所で、毎月第2・第4火曜の午後1時半から3時半まで。もうひとつは「カフェ花水木 高砂」で場所はレンタルルームアップルというところ。毎月第4金曜午後1時半から午後3時まで行っております。ご家族が一緒に来ていただくことも可能です。レンタルルームアップルは、千代田商店街を通りぬけて右に曲がって、ライオンズマンションと商店街の間に入っていったところ、旗も掲げているので目印にしてお越しください。

【高齢者を取り巻く現状について】

店長:センター長、介護支援専門員社会福祉士として、現状をどう受け止めていますか。

お一人暮らし高齢者の方、老々介護されている方もとても多くなってきています。そんな中でも80代後半や90歳になっても介護サービスも使わず元気に過ごしている方も大勢いらっしゃいます。ぜひ今の状態を維持してするためにも、いろんな場所に参加していただければ。オレンジカフェでも、参加者の方でハーモニカの演奏や歌、体操を教えてくださる方もいらっしゃいます。ご自分の活躍できる場をどんどん見つけていただきたいですね。

なかまゲスト

葛飾区医師会 かつしか心身総合クリニック 駒形先生

認知症対策の取り組みについて

店長:「認知症の専門医」は葛飾区内で4名しかいないと聞きました。でもその枝派で、たくさん勉強してドクターが関わり始めているということで、他の区と比べてどうですか?

葛飾区医師会で認知症対策事業を推進するということで、最初は足立区の方が先行していたのですが、今は追いつけ追い越しということで、かなりいいところまで迫ってきています。特に、亀有の稲葉先生(いなば内科クリニック)がその点では非常に先に進んでいて、葛飾区の認知症対策事業を都内でも有数な位置に引き上げてくれたと思っています。

ホームドクターを持とう!

店長:今日のテーマのひとつはホームドクターを持とう。主治医を持てということですね。

医師会では「かかりつけ医」という表現をしますが、高血圧とかコレステロールが高いとか、あるいは糖尿病だとか腰が痛いとか膝が痛いということで常々通院されているところの先生が、「かかりつけ医」になると思います。どこも悪くないという方も、風邪をひいた時などに大体決まった先生にかかっていれば、そこが「かかりつけ医」と考えてよいと思います。

店長:お医者さんを敬遠しないで、病気のことでお話ができる方を持っておくと、大きなことがあった時にどこかに紹介してくれるということもあるかもしれませんね。

普段の状態を良く分かっていれば、異常が起こったとき早めに専門家の立場でそれに気づいて、その先生が治療をして大丈夫という判断であれば、治療を開始。もっと専門的な検査や治療が必要であれば、適切な場所に紹介状をもらって紹介していただくという形になります。

おくすり手帳の重要性

店長:病院の薬局に行った時に「おくすり手帳」を持ってきていない人が多くいました。「おくすり手帳」はただの記録ではないんですよね。

紹介状がなくても、「おくすり手帳」の過去1年間分を見れば、どういう病気でどういう治療をして、途中でお薬が変わっていれば、おそらく病状が変わって調整をしたんだろうということがわかるなど、非常に重要な情報になります。かかりつけ医としては、「おくすり手帳」の記録をコピーしてカルテに入れておくことで、その方がどのお薬で治療されていたかがいつでも分かるようにしています。

店長:救急等で知らない所に運ばれても、その人の体の状態を示すものになるということ?

非常に重要な資料です。区の方で配布されている救急の入れ物に保険証と直近の一番新しい「おくすり手帳」の情報を入れておけば、運ばれた救急病院でも初めてのところでも、おおよその見当がすぐについて、どういう合併症があってどういう治療がされているかということがわかるため、治療の開始などが素早く迅速になされると思います。

店長:命を守るものにもなり得るということですね。

「おくすり手帳」も、かかりつけ医と同じように、かかりつけ薬局でお薬をもらう。整形外科や内科で、場合によっては同じ薬が出ることがあるので、そういったものもすべて「おくすり手帳」を見ることで、重複しないようにできる。少なくとも過去1年分ぐらいはちゃんと保管して、保険証と一緒に持っていっていただくことが必要だと思います。

医療保険と介護保険

店長:医療保険の適用範囲を教えてください。

車で言えば、修理する時などに「保険」という機能が効果を表すのですが、医療保険では、病気にならないようにするための保険というのは今のところあまりないんですよね。しかし、今は予防が非常に重要であるということで、例えば、この時期ならインフルエンザの予防接種があります。注射することで、重篤な肺炎とか脳炎を起こさないように、あるいは軽く済ませるという意味も含めて予防接種を勧めていますが、これは医療保険ではなくて自費診療になっています。区も医師会も、発病をいかに抑えるか健康寿命をいかに伸ばすかいうところに力点が置かれていると思います。

店長:医療保険と介護保険の違いがわかっていない場合もすごくあると思います

医療保険は、診療所や病院において、検査や治療を受けるときに給付されるもので、介護保険は介護サービス、訪問看護も一部は介護保険から出る場合があります。それ以外にはケアマネジャーの居宅支援事業、それから通所サービス(デイサービス)ですね。それをすべて統括しているのがその方の担当のケアマネジャーいうことになります。

家族の負担と介護する側へのサポート

店長:例えば便の始末とか、体に触る医療行為みたいなものを家族がしなくていいように、この辺が違うということを知っていないと、確かにややこしくなるかもしれませんね。

例えば、インシュリンの注射を糖尿病でする場合には、その適切なやり方を主治医や訪問看護師から教えてもらえば家族がやることはできますが、訪問介護の人はできません。訪問看護はケアプランに基づいて週2回とか時間を決めてサービスを提供するので、夜中に便が出たりとかでは、正しいやり方を教えてもらって家族の方が実施していくと。それで、ご本人も家族も安心できる状況ができるんだろうと思います。

店長:在宅医療での家族の関わり方を家でみると、これはハードルが高いんですよね。

我々は日常的に医療的な処置を仕事としていますが、(ご家族にとっては)初めてのこと。それも24時間やらなきゃいけないので相当疲れも蓄積していくと思います。そういう疲れを解消するために、デイサービスあるいはショートステイで短期間、一週間とか2週間、施設で見てもらうとか。介護している方の健康を守る仕事も非常に重要になると思います。

家族の介護は、奥様やお嫁さんがそれをやらなきゃいけないというような古い考えがありますが、そうではなく、社会で介護をサポートしていくという形にしないと、介護疲れでいろんな悲劇的な事件も起こるんだろうと思いますね。

介護のこれから

店長: 2025年を一つの目標地点として、今までやってきたことがちゃんと機能するかどうか、そこに向かっていると考えて良いでしょうか。

医療保険制度や介護保険の制度が破綻しないように、かつ、効率的にスムーズに円滑に進めていけるように、いろんな職種の人が連携して一つの方向に向かっていく。その中心にある区に対して、医師会や歯科医師会、薬剤師会ほか色々な団体が協力をして、一緒になって進めていく必要があるということだと思います。

メッセージ

店長:介護を受けている方やご家族にメッセージをお願いします。

介護をしている方の健康状態を良い状態に保つのも、我々在宅医療をやっている人間の使命のひとつだと思っています。また、通院ができなくなって訪問診療が必要になった場合、まずは、かかりつけ医の先生に「通院が難しくなってきたので訪問してくれますか」と聞いて、その先生が来ていただけるのであれば、それが一番いいと思います。

 

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