かつしかFM(78.9Mhz)から発信する地域包括ケア
「なかまで介護」
毎週(1~3週)木曜日10:00-10:54 放送中!
このサイトでは、ラジオ放送から数週間遅れで、youtube再放送版を公開しております。
なかまで相談室
高齢者総合相談センター柴又 日下公佑 さん
事例紹介①退院後の生活の不安
マスター:最近の事例を教えてください。
お一人暮らしの方の退院後の生活についてご相談がありました。80代の女性の方で転倒して骨折、そのまま入院されて、いざ退院となりました。ご家族は区外に住んでいて、今後もお一人で生活をしていくというお話で、病院でお会いした時はものすごく落ちこんでいました。「もう外にも出られないし、このまま一人で死ぬのも迷惑だから、買い物だけは困るからヘルパーさんだけお願い」とのことでしたが、よくよく話を聞いてみると、入院前はカラオケ教室とか書道の先生の資格を持たれている方なので、楽しみがたくさんあったんですね。
マスター:活動的にされていたんですね。
活動支援する際、これができないでしょあれができないでしょということで、こういうサービスがありますというお話をしていたのですが、できないことばかりに注目してしまってご本人を落ち込ませていたんです。退院後に何がしたいかという話になったときに、先生を続けたいとか買い物に行きたいということで、私とケアマネジャーさんとご本人とご家族で考えさせていただき、結果的には、出かけるときに利用する杖や歩行器、筋力を維持するためのリハビリデイサービスに通って、今も先生を続けられ、買い物もできています。
店長:高齢者の方は特に骨折が多くて、入院すると体だけじゃなくて心も疲弊してくるという事例はありますよね。
マスター:介護の現場って、できなくなったことだけついこだわってしまうけど、これはできないけどこれだけやればできそうですね、という考え方はすごく大きいですね。ご本人のモチベーションもすごく上がる。
事例紹介②家族による認知症への理解
マスター:他の事例も教えていただけますか。
ご家族からお父様についてのご相談です。既にデイサービスの利用も介護サービスも始まっている方でしたが、毎日同じことを聞かれる、物がなくなるとご家族のせいにされるのもうんざりというお話で、家族に対する嫌がらせじゃないかと思うくらい追い詰められているようでした。どうやって支援していけばいいかと考え、「認知症サポーター養成講座」の家族会への参加を提案させていただきました。それだけですべてが解決するわけではありませんが、結果的に「お父さんが言ったことってこういうことだったのか」というのがわかってきて、毎日のストレスがなくなってきたというお話でした。認知症サポーターは、認知症の方やそのご家族の応援者ということで、認知症に対する正しい知識や接し方を勉強したり、マスターにも先生をお願いして地域の方に講座を開催させていただいたり、郵便局や小学生向けにも、「認知症ってなんだろう」ということで開催しています。家族会は、認知症の方を介護している家族が集まって愚痴を言う会のような感じです。
マスター:認知症サポーター講座では、認知症とはどういう病気でどういう障害がでるのか、きちっと説明します。脳の構造もお話しするので、病気自身をご家族が正しく理解して納得することで、その行動が腑に落ちるようになって、「じゃあお父さんがこう言っているのは仕方ないな、だったらどうしよう」という考え方になれるので、まずご家族みんなが理解するのが大きいことですね。
なかまゲスト
亀有ケアコミュニティーそよ風 施設長 戸倉久美さん
施設の概要
マスター:「亀有ケアコミュニティーそよ風」さんは、「介護付き有料老人ホーム」という位置づけですね。行政が付けている名称だと「特定施設入居者生活介護」。介護付き有料老人ホームについて、教えていただけますでしょうか。
介護付き有料老人ホームは、施設とはいっても、ご高齢の方々にお住まいいただく住居ととらえていただくといいかと思います。介護付きですので施設の中に職員が常に勤務している状態で、必要があれば24時間通して身の回りのお手伝いをすることができる施設です。
マスター:入居の条件はどのようになっていますか。
概ね65歳上で、介護保険の支援1、2から要介護5までの認定を受けている方はもちろん、認定は受けなくてもまだまだ自分で頑張れるという自立の方のご入居も可能です。入居金として一時金をお預かりするコースと、入居金なしの月額型のふたつのプランを設けてご案内させていただいています。
マスター:どちらも選べるんですね。
一時金をお預かりする場合ですと、お預かりした金額は5年間60ヶ月で償却させていただきますので、60ヶ月以内にご退去が発生した場合は、未償却の部分に関してはそのままお返しします。それから、61ヶ月以降も引き続きご入居していただける方は、この入居金がお家賃相当に当たりますので、月額の方に比べますとお家賃の金額に大きく差がでてきます。61ヶ月以降もお安くなっているお家賃のままで生活を続けることができます。
マスター:お家賃の前払金のように、まとまったお金があれば預けておいて、その代わりその分を毎月安く払えばいいってことですね。まとまったお金がない場合は、毎月払えばいいということですね。
私どものところにご入居されますと、みなさんとってもお元気度がアップされますので、そういう場合は最初頑張っていただくと、長くお過ごしいただけると思います。
店長:住まいを変えるというか、賃貸住宅とか分譲とかそんな感じですね。
施設というと、自由がないとか色々規制されていてみんなと一緒になんでもしないといけないと考えがちですが、意外とそうでもなく、皆さんご自分のペースでお過ごしいただいて、ちょっと困ったという時はボタン一つで職員が駆けつけるという、そこをお守り代わりにしていただくと、より生き生きとお過ごしいただけるのかと思います。
施設内での生活
マスター:入居者さんの日常について教えていただけますでしょうか。
朝起きてお食事を召し上がっていただいて、その後、午前中は毎日、歩行訓練と健康体操が10時半くらいから始まります。朝は行進の音楽を施設全体に流させていただいて、回廊型になっている施設のフロアを1周、2周、中には3周される方など、音楽に合わせて少し体を動かしていただいて、そのまま1階のホールに降りて11時から体操が始まります。土日を含めて365日毎日行っています。
マスター:毎日続けるって、大切ですよね。
店長:私より運動量ありそう。筋力ありそうですね。
お昼ご飯をはさんで午後2時からは、毎日プログラムを変えながらレクリエーションの時間になります。音楽系も、運動系のレクリエーションもあり、手工芸やお習字というものもあります。皆さんからこういうのをやって欲しいというご希望を伺って、プログラムを組み替えながらやっています。
マスター:1年中、色々なパターンを繰り返しながらやっているんですね。
あとは季節にあった日本独自に文化にあった行事も取り入れながらやっています。その後は3時におやつがあって夕食になりますが、この間にお風呂や訪問診療の往診、歯医者さん、訪問の理美容さんなど。ご入居された方から、のんびりできると思ったのに意外と毎日忙しいと言われることもあります。
マスター:お医者さんはみなさん一緒に診ていただけるんでしょうけど、訪問の理美容とかは個別でお願いするわけですね。歯のことも個別で来ていただけますか。
歯は治療という形でやられている方もいらっしゃいますし、お口の中の健康診断でお受け頂いている方も多いです。
店長:外出というか、お正月は家族と家で過ごすということも大丈夫ですか。
大丈夫です。病院のような面会時間の設定もありませんので、お仕事行く前に来られる方も、お仕事帰りに寄られる方もいらっしゃいますし、みなさんそれぞれのご都合に合わさせていただいています。家族と食事に行くのでお昼ご飯を止めてくださいということもよくあります。
マスター:私の施設も年中ご家族がきて、近くのファミレスに食べに行くなどしています。
ご入居さん同士で明日のお昼ちょっと隣にお蕎麦食べに行くから施設の食事を止めてっておっしゃる方もいます。
職員さんと一緒に作る、施設のこれから
店長:今はどのくらいの人数の方がいらっしゃいますか。
施設としてはちょっと小ぶりで、全部で34室、30名のご入居様がいらっしゃいます。
マスター:色々なレクリエーションもあって、楽しく暮らせるようにしていただいています。職員さんは色々な生きがいを持たれて働いていると思いますが、教育も含めてどのように力を入れていますか。
私どもの施設はオープンして17年目を迎えています。10年、15年以上勤務を継続してくれているスタッフもたくさんいます。亀有という下町の程よい温かみある中で、長く勤めている職員が多いので、テキストにはないような介護の裏技みたいなものも職員は身につけています。一人ひとりの職員も自分の得意不得意があるので、そこはチームケアの良さを逆手にとって、得意な方が積極的に動くとか、まずやってみようと。こういう風にやればうまくいくんじゃないかなど職員間でできるようになるように、上手く職員と施設の力を上げていければと思っています。
店長:若い人も介護に取り組んでくださるというのは未来が明るいってことですよね。
マスター:ほんとにやりがいがある業種ですよね。本当にそう思います。
キラキラリポート
介護付有料老人ホーム「亀有ケアコミュニティそよ風」
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