ゲスト: 葛飾区薬剤師会の森副会長・西尾理事・鬼山理事 テーマ:かかりつけの薬局を見つけよう かつしかFM「なかまで介護」第13回(2019年2月7日放送分)

  かつしかFM(78.9Mhz)から発信する地域包括ケア
「なかまで介護」
毎週(1~3週)木曜日10:00-10:54 放送中!

このサイトでは、ラジオ放送から数週間遅れで、youtube再放送版を公開しております。

なかまで相談室

葛飾区高齢者総合相談センター奥戸 沢田久美子さん

【事例紹介①今後の心配】

マスター:どのようなお問い合わせがあるか教えて頂けますか。

最近多いところでは、これから具合が悪くなったらどうしようという心配です。その方は90歳近い一人暮らしの方で、血圧が高いとか心臓が悪いとかの持病はありますが自立しています。ただ年齢が高いこともあって親戚や兄弟も先に亡くなられていて、今後のことが心配ということで時々お電話を頂くことがあります。

マスター:そういう時はどんなアドバイスやお手伝いをするんですか?

見守り的なところでは、「かつしかあんしんネット」の情報(登録)カードというのがありまして、緊急時にどこに連絡したら良いか、緊急連絡時の確保をおこなうなどしています。

自分の安否が心配という方には、「ひとりぐらし高齢者毎日訪問(ヤクルト)」とか、病気をお持ちの方では、「見守り型緊急通報システム」という、具合が悪い時には区で提携している警備会社さんが駆けつける区の福祉サービスなどもご案内しています。

【事例紹介②お金の管理と認知症】

マスター:お一人だと、どこか施設に入らなくちゃとかお金の話とかも出てきますか?

亡くなった時も後も心配ですが、元気に暮らしていくための資産(お金)をどうやって管理したらいいか、自分ができる間はいいけど体が動かなくなってからお金をどうしたらいいのか、誰かが動かしてくださるのか、などありますね。

マスター:認知症なんかも出てくると、それ自身もわからなくなる可能性もありますよね。

お元気なうちは「任意後見人」というのもありますし、自分で判断できなくなった場合には「成年後見(制度)」というのを勧めるとか、あとは亡くなってからのことを自分で後始末できるように、「死後事務委任」みたいなものを専門家の方に委ねるとか。こちらで直接できないことも関係機関にお願いしています。

【事例紹介③配偶者を亡くされ、認知機能の衰えも】

マスター:他になにか事例はありますか?

一ヶ月前くらいに奥様が亡くなられた80代の男性の方で、相続の整理がちょっとわからなくて区役所に行かれていました。息子さんにきちっとやられているのですが、(ご本人が)やったことを忘れてしまって区役所に何度も行って、どうしたらいいというご相談がありました。

マスター:奥さんが亡くなられてショックだから、そういう認知機能の部分でも重なりますよね。それは他人事の話じゃない。自分だって同じかも知れません。

役所の方も心配されてこちらにご連絡頂いて、ご本人ともお話ししました。

マスター:具体的にはどういう感じで動かれたのでしょうか?

まずご自宅でご本人にお会いして、家の状態やご本人の様子を見せて頂き、それからご了解のもとで息子さんにも連絡を入れて相談します。お母様が亡くなられて急に(お父様が)心配な状態になってきたということでした。

マスター:日々の生活や食事などにも支障が出ていることって、絶対ありますよね。

身なりが少し崩れていたり、言っていることがなかなか噛み合わなかったり。でも、できていることもいっぱいあって、ギリギリ頑張っているというふうに見えました。

【寂しくてバスで何度も往復】

マスター:その方を支えるためのサポートが別件で発生して結びついてくるんですね。

やはり寂しかったというところもあって、バスをただ往復して乗っているだけ、行き場が欲しかったというお話も出てきましたし、ちょっとボケてきたのかなみたいなことをご自分でもおっしゃっていましたね。

マスター:電話1本すれば、高齢者総合相談センターの方が、その方のためにいろいろと動いてくださるんですね。

【メッセージ:認知症を地域で支えたい】

マスター:これだけはやっていきたいということはありますか?

地域の方に認知症を正しく理解して頂きたいということで、「認知症サポート養成講座」を開催していますが、限られた方しか参加されていないので、そういう勉強の機会に触れてない方はぜひ参加して頂きたい。それで、みなさんで認知症の方も支えていけるような地域になっていきたいと思っています。

なかまゲスト

葛飾区薬剤師会の森副会長、西尾理事、鬼山理事

葛飾区薬剤師会の概要と活動内容

マスター:葛飾区薬剤師会はどんな組織でどのようなことをされているか、教えてください。

森)入会していない薬局もありますが、葛飾区内にある薬局とそこにいる薬剤師が主に入会しています。目的は、薬剤師の質の向上と薬学等の進歩に対応できるよう、勉強会などの開催をするほか、区民の健康や福祉への貢献のために会議やイベント等への参加をしています。そのために葛飾区役所や保健所、医師会、歯科医師会、介護サービス事業者等と密に連携をとって、会員間でも助け合っています。

マスター:高齢者総合相談センターさんともすごく密につながっていて、「なかまで介護」に関わっているみなさんとも連携されていますよね。

森)高齢者総合相談センターでは、オレンジカフェなどのこじんまりした集まりの中でお薬の説明会を行うなどしています。一般的な薬の飲み方の説明ですが、それよりも個人の質問コーナーが結構予定をオーバーして、もうそれがメインかなと最近では思っています。

マスター:一緒にフェアとかイベントとかもやられてらっしゃるということですね。

森)健康プラザかつしかで行っている健康食育フェア、堀切包括フェスタのブース参加、最近では理科大学の学園祭のキッズファーマーシー。あとは災害対策ですね。そういう時に葛飾区薬剤師会は、医師会とか区役所と共同で救護所の方に向かいます。

かかりつけ薬局とお薬手帳

マスター:よく、かかりつけのドクターや薬局さんを持とうと言いますが?

西尾)「かかりつけ薬局を持とう」「お薬手帳をひとつにまとめよう」ということを今日はご紹介させて頂きます。お医者さんの場合には、みなさん昔からかかりつけのお医者さんや病院を持っていますが、薬局だとはハテナですよね。内科の病院さんに行くのであれば、その近くの薬局に行き、整形外科さんに行ったら整形外科さんの近くの薬局に行く。

マスター:確かにそうですね。病院さんの近くにあるから、ついそこでもらうなどします。

西尾)3つの薬局に行っていたら、お薬手帳も3冊なんてこともあると思うんです。

マスター:かかりつけ薬局を決めて同じ場所で頂いて一冊にまとめるということですよね。

西尾)薬局が全部決められないとか病院の中で薬をもらう時もありますが、そういう時でもお薬手帳は一冊で、ここに書いてくださいってお願いして頂けると一冊にまとまります。

店長:私は守っています。血液検査したデータとかもちゃんと入れています。

森)検査データを貼るのもいいですが、それプラス、お医者さんに今度行くときに何を聞こうとか、そういうものをメモしてもらうのもいいと思います。あとは、飲んでどうだったか書いておくと目安になります。

重なってしまう薬、残った薬

マスター:痛み止めとか胃薬とか、いろんなドクターから出して頂いて、結構いっぱい重なっちゃう。

西尾)例えば、整形外科の方で腰が痛いともらっている痛み止めと、内科で頂いている風邪薬や頭痛薬とかの痛み止め、それから歯医者さんで出してくださる痛み止め、よく重なっていることが多いですね。その痛み止めで胃が荒れないようにするためにそれぞれの病院で処方してくれている胃薬も重なっている。それぞれ違う薬局でもらっていたりすると、気が付かなくて重なって飲んじゃうこともあるかも知れません。

マスター:いろんな名前の薬があるから、別な名前だと同じ胃薬だとは全然わからない。だからこそ、かかりつけの薬局なり薬剤師さんにご相談するということですね。

薬剤師、かかりつけ薬局の重要性

マスター:残ったお薬で困っている方ってたくさんいらっしゃる。アドバイス頂けるとありがたいです。

西尾)外にまで持って行けなくて残っているとか、お昼の分をついつい飲み忘れちゃうとか、処方が変更になって古い薬が余っていて間違えそうで困る、ということもあります。かかりつけ薬局を持っていれば、どこに相談すればいいかがすぐに分かりますよね。例えば、処方箋で同じ薬が出て重なってしまって他の薬と日数が合わない時などは、薬局が先生と相談して日数合わせなども出来ることがあります。

マスター:調整してくれるわけですね。逆に期限が切れているなどもありますよね。

西尾)押入れの中とか、冷蔵庫の奥に袋に入って眠っていた薬とか。それもかかりつけ薬局にご相談してもらっていいのですが、調剤してもらった薬局に持っていって相談してもらうというのを原則にしたいと思います。というのも、調剤していない薬局ですと本当に捨てていい薬なのかどうかわからないといういことです。

マスター:最初はとりあえずご相談にいって、その後は今みたいにいろいろアドバイスしてくれる。あとはお薬手帳を一冊にしておけばいいんですよね。

西尾)余った薬を捨てることに関しても、実はきちっとした形で捨てないといけません。例えば道端とかに転がっていると、お散歩中のワンちゃんや猫ちゃんの口に入ってしまうとよくないですし、安全性を踏まえて薬局できちんと廃棄処分をさせて頂いております。

マスター:残った薬もそうですが、これ飲んじゃいけないとか、いわゆるお薬の飲みあわせって普通の人はわかりません。

鬼山)お薬を受け取る時に、あれと一緒に飲まないでくださいとか時間を空けてくださいとか言われると思いますが、やはり薬の効き目に影響が出てしまうと意味がないので、薬剤師はそのあたりはしっかり説明していると思います。お薬手帳一冊にまとめるのも、自分の体の中に入るものを一目瞭然にするというのが目的です。影響が少ないものも対策を取れるものもありますし、お薬もサプリメントも全部情報をまとめて名前が正確にわかるようにして頂けると薬剤師も対応がし易くなります。

マスター:市販の風邪薬とかも持っていたりするけど、それについてもご相談させて頂いていいってことですよね。

鬼山)自己判断も結構多いようなので、かかりつけ薬局に相談して頂いて、その正しい情報で自分も安心して飲めるようにというふうに心がけて頂きたいなと思います。

高齢者総合相談センターとの連携

マスター:そのためにはお薬手帳がないとプロのみなさんでもちょっと判断しづらいから、そこは必ず一冊にまとめようようってことですよね。

鬼山)かかりつけ薬局を持って定期的に来て頂くと、ちょっとずつ歳をとられて記憶力も低下しているという変化に気づくこともできます。高齢者総合相談センターとお薬の講習会をやっているのも、連携がとりやすいようにと考えて推進しているところです。

マスター:全部繋がっていますね。ずいぶん来ていないとか、来た時でも話がうまく通じないなどあれば、高齢者総合相談センターと連携を取りながらお宅訪問してみようかとか。

鬼山)専門病院など区外の医療機関にかかっている方も多いと思いますが、段々と歳をとってくると遠くまで行くのが大変なので、薬局は近くにもって頂いて相談しやすい場所を作っておくと、災害とかそういった時にもそこから医療に繋げることができます。

防災などでも役立つお薬手帳

マスター:区外の大きな病院に行った時でも、お薬手帳を持っていってお渡しすれば、そこにちゃんと付けてくれるのでしょうか。

鬼山)大丈夫です。

西尾)お薬手帳は総合的なミニカルテ的なものなので、東日本大震災の時に葛飾区にもいろいろな方がいらっしゃいましたが、お薬手帳を一冊にまとめて持ってきた方は最初から検査をやり直しじゃなくて、すぐにお薬が出ました。すごく役に立ったんですね。なので、旅行されるときにも皆さん持って行かれてください。

メッセージ

マスター:最後にPRなどありましたらお願いします。

森)葛飾区薬剤師会では区民のみなさんのためにいろいろと連携をとって活動しています。これからも様々なイベント等もありますので、ぜひ参加して頂きたい。また、災害などで動くのは地域の商店街や町会、我々の団体なので、ちょっと気にして頂けたらと思います。

 

 

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