かつしかFM「なかまで介護」第49回(2020年2月6日放送分)

  かつしかFM(78.9Mhz)から発信する地域包括ケア
「なかまで介護」
毎週(1~3週)木曜日10:00-10:54 放送中!

このサイトでは、ラジオ放送から数週間遅れで、youtube再放送版を公開しております。

なかまで相談室

葛飾区高齢者総合相談センター奥戸 澤田さん

事例紹介:安否確認の重要性

マスター:最近の事例を教えてください。

安否確認のひとつの方法として、区の方で(やっている)食事が用意できず買い物ができない方を対象に配食サービスというのがございます。年末年始にこの配食サービスを利用している方の事業所からご連絡があって、訪問させていただいた結果、2件とも救急車で運ばれてすぐに入院ということになりました。

マスター:この間も別のセンターで同じようなケースがありました。配食サービスの方からお電話をいただいて緊急で対応して行ってみたら、家が開かなくて救急隊の方がご近所と話をして窓から入るとトイレの前で倒れていた。この年末年始で2件もあったんですか?

年末年始に限らず、日々こういう通報でレスキュー隊が対応するということはありますが、今回は年末年始が長かったので、鍵は開いているけど食事をとられていないから入ってということで。今回のケースはご本人にお会いできて、すぐに対応してということでした。

マスター:高齢者総合相談センターに行くと、安否確認ということで配食サービスやヤクルトの配達、郵便局の何かあるいはセンサー的なものなど、いろいろあるので、お一人でちょっと心配かなと思っている方は一度相談に乗ってもらったらいいと思います。

 もの忘れ相談会の開催

マスター:「もの忘れ相談会」についても教えてください。

14箇所ある高齢者総合相談センターで月1回ペースで行なっていますが、今回うちの方で2月19日に開催します。認知症サポート医の葛飾区医師会の先生方が当番でやって来ますので、初期の段階でご相談頂くと、本当に治療に結びついて改善されていくこともあります。病院だったらちょっと抵抗がある方なども、ぜひご利用いただければと思います。

 マスター:多くのご家族が、「なんて言って連れて行こうか」、「説得するのが大変」と言います。お医者さんだと確かにいきづらい面もあるけれど、この「もの忘れ相談会」のように病院じゃないところにはどんなふうに言ったらいいでしょうか。

先生に診てもらうとか見極めてもらうとか言わないで、「ちょっと話を聞いてみましょう」みたいな感じでいくと、割と皆さん行きやすいとおっしゃってくださいます。

店長:「健康診断みたいなものをお金がかからず区で診てもらえるんだから、行こうよ」と。私はこの方法で連れて行きました。

葛飾区シニア活動マップのご紹介

マスター:14箇所ある高齢者総合相談センターのエリアで分けて、その中からセンターの皆さんがいろいろな団体や活動している所に行って、地図の中に場所と電話番号、活動内容、連絡先や注意点、会費などを細かくまとめてくれたすごく分かりやすいマップです。今日持ってきてくれた奥戸・新小岩エリアで何か所あるのでしょうか。

掲載しているのは53か所です。掲載できていないものもあります。

マスター:男性も楽しめるものはありますか。

「シニアクッキングクラブ」という男性の料理教室が掲載されていて、会員も募集しています。基本の料理から少しグレードを上げたものまで、講師を迎えて実費で行ないます。

店長:意外と男性は好きだと思いますよ。片づけは下手ですけどね。やはり物を作る、極める人というのは男性が多いですよね。

マスター:「シニア活動マップ」は、高齢者総合相談センターのほか、地区センターにも置いてありますので活かして頂きたいですね。

なかまでゲスト

NPO法人かつしかシルバー介護相談室 理事長、
(有)みやびメディカル代表グループホームみやびの里(西水元・亀有)かなちゃんこと 金山雅俊

サービス付き高齢者向け住宅で看取りが増えている?

店長:今日のなかまゲストは、介護業界のプロでもあるマスターこと、かなちゃんです。

介護に関することで、最近ちょっと気になった新聞記事があったのでそれを紹介します。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、有料老人ホームで介護を受けるまでは必要無くて、ある程度自分のことはできるけどいろいろ心配という方向けの住宅で、要は高齢者の方々が、安否確認や生活を相談する方がいて、それ以外はなんとか自立してできるところに住もうということで、国が民間の方も参入してくださいと、サービスのついた高齢者に向けた住宅としてできました。だから(病気などが)重たい方々や介護が必要な方は介護付きの老人ホームに行っていたのですが、ついこの間の2018年度に、サ高住での看取りの方が増加して22.4%という非常に大きな数字になってきているというのがすごく気になったので取り上げさせて頂きました。それも毎年パーセンテージが増えてきているという感じですね。心配なのが、例えば設備的にも、非常に重たくなられた時には介護をしている時でも入浴させるのがすごく大変です。硬直してしまったり、自分で動かせないからリフトを使ってみたり。リフトのまま入れる特殊なお風呂もありますが、大きな場所の中に(置く)費用もものすごくかかる。でもそういう特別な物はこの施設に関しては準備されていないんです。

店長:うちの義母がサ高住に入っていますが、私もこの記事を読んだ時に、ちょっと違和感というか、現実と。

確か2011年に法律(高齢者住まい法の改正)ができて、民間の力を入れたいということで民間がサ高住に参入できるようになって、通常のマンションだけでなく、高齢者向けのサービスの付いた住宅の需要があるということでした。ただし、先ほど言ったように、自立されているけどもちょっと心配だって方が入る位置付けだったのが、今は民間がどんどん作って、競争も激しくなってきて、最初の募集の段階で、非常に重たい方を最初から入れるような感じのところも随分出てきているということです。

店長:ルールから逸脱しているけど法律にかかるわけではない?

マスター:設備もないのに最初から重たい方をお入れしますという方向性が出てきているから、そこで看取りの方、亡くなる方が多い。でも、そういう方々が看取られる施設と設備的なもの、人員、医療との連携とか、最初から想定していなかっただけに心配しています。

店長: 2018年度で、サ高住で看取りをされた人の割合(看取り率)は、前年度より3.3ポイント増加の22.4%でした。国交省は(1月)29日、サ高住の課題を話し合う有識者懇談会を開催しましたが、これは、そうしたサ高住の最新の動向について報告して、入居者の看取りが行われるケースが増えているということを懸念しての勉強会ということになったのだと思います。それだけ介護施設に入居しなければならない高齢者が増えてきたのと、そのレベルなのか、ということが見分けにくいのもあるかもしれませんね。

サ高住と有料老人ホームの違い

店長:介護従事者として、今後の課題など検討していかなきゃいけないことはありますか?

その前にサ高住と有料老人ホームは何が違うのかというと、まず、サ高住というのは賃貸がベースで、いわゆる部屋を借りるような感じ。有料の老人ホームは、そこを使う権利を購入するような感じです。ですから、サ高住だと礼金と敷金、有料老人ホームだと少しまとまった入居金という名称でお金を預けます。有料老人ホームも競争が激しくなってきて、入居金を下げるとか5年とかで徐々に償却をしていきながら、早めに出た場合にはお返ししますというように、国の指導もあって、入りやすくなってきています。

特別養護老人ホームとは?

もう一つは、国(自治体等)が運営している特別養護老人ホーム(特養)ですね。サ高住は民間で特別な指定じゃなくてもできます。有料老人ホームは国から指定を受けた事業者がやるような感じです。昔は、特養にいつ入れるかわからないからサ高住に入るという選択肢でしたが、葛飾区もだいぶん充実してきて、今は特養にも結構入り易くなっています。

店長:私が小学生くらいの時には「老人ホーム」と言っていたのが、「特養」に変形してきたんですよね。それしかなかったようなイメージです。

今の新しい特養は、全部ユニット方式ということで個室になっていて、その代わり、他の施設と比べても金額がそれなりにかかるようになっています。ただ、収入など部分によっては国からの援助があって、実際に払う金額が少なく済むという特別なメリットはあります。申し込みが多くて入れないと言いますが、(お一人が)何箇所も申し込まれているため、本当に待っているかというと他に行かれたりもしているので、いろいろ当たってみるべきです。

施設における看取り率

店長:2018年には「有料老人ホームの看取り率」というのも同時に公表されたようで、住宅型で27,6%、介護付きでは34,9%にのぼっている。合計すると、いかに施設における看取り率が高いか(がわかります)。

逆に、重たい方を最初から入れるようになってきているということは、良い悪いは別として、需要があるから必要なんですが、それだけの設備や人員の基準、あるいは夜間の常勤の何人っていうのが追いついていない。そこはもう一度、国が考えて見直しして、基準をきちっとしていかないといけないと思います。

サ高住の現状について

店長:介護度が進んでいて、いわゆる老人ホームではもう全部、横になっていると機械がそのまま浴槽の中に入ってという状態だけど、サ高住には無いですもんね。義母もそうですけど、ただ側にいて2日に1度の入浴。そういう状況ですから、当然それを出来るヘルパーさんなり介護士さんということになります。それ以上になると、なかなかサ高住では実際できていないですもんね。

先程も言ったように、安否確認だとか生活の簡単な相談、それ以外は自立できる人が入る場所として作ったんだけど、今それが変わって来ました。民間なので、どうしても入って頂かなきゃならない、売り上げも作らなきゃならない。重たい方は介護度が高いから、それだけたくさんの金額が頂ける。どうしてもそういう方々に入って頂くような感じにどんどんなってきているような気がしています。

店長:これを一概に責めることはできないと思うので、世の中を見て、国にも考えて頂いて。うちの義母に関しては、理想的な立ち位置でサ高住を選んでいるなという風に思います。

リスナーの皆さんも、自分で勉強して、自分のために選んで頂きたいですね。

 

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