ゲスト:こやのエンジョイくらぶ 副理事長 山中實二さん かつしかFM「なかまで介護」第102回(2022年3月17日放送分)

  かつしかFM(78.9Mhz)から発信する地域包括ケア
「なかまで介護」
毎週(1・3週)木曜日10:00-10:54 放送中!

なかまゲスト

こやのエンジョイくらぶ 副理事長 山中實二さん

こやのエンジョイくらぶの概要

マスター:「こやのエンジョイくらぶ」の概要について教えてください
今年で創立15年になります。当時、町のコミュニティとしてスポーツあるいは文化を通して拠点作りができないかということから、「いつでも、誰でも、いつまでも」自分の住んでいる身近な地域でスポーツや文化を楽しみながら、人との繋がりを大切にしたコミュニティとしての場、そんな環境作りを葛飾区にご指導頂いて設立したというのがそもそものいきさつで設立の理念です。

こやのエンジョイくらぶの特徴

マスター:特徴についても教えてください

行政の基本計画に地域コミュニティを、スポーツを通して作れないかということで、葛飾区の生涯スポーツ課を中心に説明会がありました。今も場所の確保だとかのご支援をいただきながら我々も一緒に活動しています。基本計画の中に何箇所か作ろうというのがあって、堀切と南綾瀬とお花茶屋地区のコミュニティとして候補地が決定し、「かつしか地域スポーツクラブ」認定第1号になりました。

マスター:第1号ということは他にもあるのでしょうか?

「オール水元スポーツクラブ」というクラブがあります。水元総合スポーツセンターの中に事務所があって、多くの方が利用しています。

マスター:拠点はどちらになりますか?

堀切の駅から歩いて2、3分の旧小谷野小学校です。閉校後に地域で使用していますが、クラブハウスを作っていただいて、そこを拠点に事務と受付関係をやっています。大きいところではないので、体操や球技をやるにしてもあそこだけではできませんので、区内の地区センターやテニスコートなどでもやっています。

 マスター:それくらい、たくさんスポーツの種目があってやられているということですね。

 店長:15年の間にずいぶんと発展されていますね

紆余曲折があって、いい面では平成27年には文部科学大臣から「生涯スポーツ優良団体」として表彰していただいたこともありました。ただ、今回のコロナみたいにソーシャルディスタンスを取ってと言われると、運動などの屋内の種目についてはものすごく制約を受けるんです。60人で行っていた種目を10人、20人に減らさなければならない。そんな環境になって、この15年の中でいちばん壁にぶつかったということですね。

会員の特徴・会費について

マスター:会員数や特徴について教えていただけますか

平均年齢60代~70代の会員さんが多いので、感染への恐れやご家族からの心配もあって出にくくなるとか、15年経つと高齢化などもあって今は少し減ってきています。会員さんが463名でキッズの教室では111名、全部で574名で、男女比では7割程が女性ですね。土日はお仕事されている一般の方がお使いになりたいので、(場所の確保は)なるべく遠慮していて、平日に参加可能なある程度時間の自由のきく女性、しかも高齢者という傾向になってきます。それが我々の会員の特徴ですが、教室みたいなものをやって、今のお子さんたちがスポーツを楽しむ、あるいはどこかで「こやのエンジョイくらぶ」を頭の隅に置いてくれるような育ち方をしてもらえれば、将来大人になった先にやってくれるかなと、かなり長い夢をみています。

マスター:実際にそれを15年やられていらっしゃいますから、この後も続くわけですよね

15年前にやり始めた子が大学生になっています。そういう意味では会員の傾向は徐々に変えていきたいと思いますけど、人生100年というとそう簡単に若返る訳にはいかないかなと思いつつ、頑張ってやっているということですね。

マスター:会費などはどうなっているのでしょうか

区がやっている無料の受講に慣れている方から「なんでお金を取るの?」というところから始まります。設立当時から会費についてはものすごく関心が高く、検討しました。現在では月会費が一般(16~74歳)2,000円、高齢者(75歳以上)1,700円です。1種目を月に4回出て2,000円なので1回あたりワンコイン(500円)です。設立当初は何個出てもいいですよということでやっていました。ファミリー割引などもあって、ご夫婦で3,000円です。

指導者へのこだわり

マスター:ヨガとか太極拳とか、先生にはかなりこだわっていると聞きました

設立時も今も、地域ボランティアさんにお世話になっていることもあるのですが、やはり10年~15年経ってくると体操系のものについては内容が変わってきますので、指導してくださる人はちゃんと勉強して資格を持っているような方にお願いしています。アンケートなどでも、「指導者がいい」という声を聞いています。

店長:ちょっとしたスクールに行ったら、こんなに取るの?という感じですよね

そういう意味で、地域ボランティアの方もありがたいし、さらにそういう条件を我々の方でお願いしながら頼んでいるということで、やはり地域でまかなえない部分は遠くからでも先生に来ていただいてお手伝いいただくと。

マスター:クオリティが高いから、皆さんも納得されているんですね

運営している立場としては、参加される方にアピールしたいなあという感じはしますよね。

マスター:民間のスポーツのクラブだと、ちゃんと利益を出して、職員さんや運営側にもお金を払って、それが成り立つような会費をいただかないと運営ができない。でも、「こやの」はNPOということで、山中さんはじめ皆さんがボランティアのような形で運営して、その代わり、先生たちにはちゃんとお金を払ってクオリティを維持している。だからこうして有料でやりながらもずっと続けていらっしゃるということですね

ボランティアでやっていただけるという言葉に甘えてお願いしていますが、本当にいいのかなという方もいらっしゃいます。でもそれが必要なんじゃないかと思うんです。

コロナ禍での活動や対策

店長:コロナ禍での活動状況についても教えてください

緊急事態宣言の時には2か月ほど休みました。ところが、むしろやらないことで体を動かさないことで、体が弱ってしまう。精神的にも友達と話す機会もないという話があって、我々は気を付けてやろうということになりました。参加する方には、自分の平熱はもちろんのこと、ご家族の状況とか全部細かくチェックして持ってきてもらって、1回に入れる会場の人数は何人ということで、今の会費でということにしました。(ただし)場所の確保がなかなか難しく、何種目もどうぞという制限をはずさざるを得なくなりました。

マスター:これまでは会費の中でいくつでもどうぞということでしたが、厳しいですね。

例えば、元気アップ体操でも、今まで1回で済んでいたのが2、3コースに増やさないといけなくなりました。3つに分ければ1/3しか収入はないのに経費は100%かかるということもあって、本当にどうなるんだろうと思ったぐらい大変でした。昨年になって、定員は変えずにプラス1,000円で2種目まではいいよという緩和をしました。

 店長:東京都のイベントの基準がものすごく細かくて厳しい。これをボランティアで考えながらやっていくのは大変ですよね。

健康維持のためにやっている活動で感染を拡大させるわけにはいきません。やはりその辺はかなりシビアに、したがって家庭での管理から、行き帰りはマスク、来たら消毒して体温計って、家庭でのチェック表を見せていただく。

店長:今は特に10歳以下の感染者がいちばん多いですから。

高齢者(の感染)が少ないというのは、むしろそこを皆さんが徹底してくれているから。自分が怖いからどうしても身を守りますよね。そういうことで助かっています。

店長:感染対策は大事ですが、そこでじっとしていなさいというと二次災害が起きるんです

 

マスター:いわゆる「フレイル」という言葉になりますが、筋力が落ちたり、家に閉じこもって精神的な部分でのストレスがあったり。

大げさにいうと、我々もそういう意味ではできるだけ活動を通して寄与したいと思います。

店長:「自宅でできるレッスン動画」をYouTubeに公開しているんですよね

「こやのエンジョイくらぶ」のYouTubeということで先生にも協力していただいています。

プログラムの紹介

マスター:プログラムについて詳しく教えてください

スポーツを通しての健康維持増進だけでなく文化も入れてエンジョイしようという意味で、「スポーツクラブ」ではなく「エンジョイクラブ」にしています。人気は、スポーツ系では特に体操系と球技、歩くこと。文化系では囲碁、コーラス、健康麻雀などですね。男の料理などもやっていましたが、コロナの感染防止を優先しないわけにはいかないので、文科系についてはかなり苦労しています。コーラスは声を上げないと何もならないですし、うちの場合はカラオケではなく先生とピアノの先生の2人ペアで来ていただいていましたので、コロナでそれができなくなりました。

店長:声を出すのってものすごく若さの維持になるし、必要なんですよ。麻雀は頭を使うし楽しいですし。それを取ってしまって動くなと言われたら3日で朽ちちゃいます。

マスター:本当にそう。頭を使うのと言葉を発するのは健康維持の元ですよね。

文科系でかろうじて復活できたのがこのコーラスと健康麻雀で、手探りで始めました。

本来はスポーツで健康になってもらおうということもあり、体操系は定員制にしたのでコース数が増えてしまい、例えば「元気アップ体操」は3つの地区センターを使って5つのコースがあります。立ち体操がきついという方もいらっしゃるので、体育館で椅子に座った状態で筋トレみたいに。認知症の予防を含めてご指導いただける先生がいるので、1つのコースで体育館に45の椅子をいっぱいに並べて工夫しながらやっています。うちは体操系の参加を楽しみに入っていらっしゃる方が多いんです。そのほかにも、もう少し動きの激しいエアロビクスや中年の方のチアダンスとか。

マスター:女性にはフラダンスも人気があるのではないでしょうか

フラもそうですが、習ったら発表したいという感じもありますよね。

店長:見せたいという気持ちになることは大切ですよね

「いきいきチア」なんかも、自分の健康だけでなく、衣装やお化粧とか発表の機会が欲しいとかもありますよね。種目によっていろいろな目的や狙いがあるかもしれません。

マスター:硬式テニスは上千葉公園のテニスコートでやるのでしょうか

硬式テニスは、土曜日の午前に小学生コースと大人コースと2つあります。今年の7月いっぱいは小菅東スポーツ公園が工事中で使えないので、その間は上千葉公園運動場テニスコートをお借りしています。土曜の午前なんてまさにゴールデンタイムですが、そこを使わせていただける。それを楽しみに入っていただける方もいるので、こういう機会を大いに伸ばしていきたいと思います。その他にはバトミントンとか卓球ですね。卓球はお子さんからご高齢まで結構人気があるんですよ。

マスター:昔はマイナーなイメージがあったけど、今はオリンピックを含めて強くなったからかっこいいですよね

世界選手権やオリンピックなど注目を集めてくれるスポーツをやってみたいとか経験してみたいとかがありますね。ただし、サッカーや野球などすでに地域にあるスポーツは「こやの」の中に入れないというポリシーがあります。お互いの域は荒らさない。指導者も専門の方がいらっしゃるから、それはそれでよくなると思うんですね。

地域との交流

店長:それはすごくいいと思います。ちょっと別物ですものね。

グランドゴルフは、会員以外との交流大会をしていて、今年は奥戸の陸上競技場を借りて、地域の何チームかに声をかけて、参加してくれるところにきていただいてやりました。個人戦ですが、そういう地域交流も図ります。もう7回やっていますので、その時期が来るのを楽しみにしている方がいるくらい定着しました。地域のコミュニティとして、会員以外にも呼びかけようということでやっています。

お試し体験

店長:お試し体験2回まで無料というのがあるのですか?

会員になると月2,000円いただきますので、2回までは見学兼お試しでどうぞ参加してくださいとしています。今は事前申し込み制にして定員をコントロールしながらやっていますが、4月からは事前予約もはずして、どうしても密で入れないという時は指導者の判断でお断りすることもあるかもしれませんが、できるだけ納得した上でお友達になっていただこうということです。

 今後の目標・予定など

店長:最後に今後の目標や予定を教えてください

運営が大変なところもありますが、会員もボランティアの方も楽しい雰囲気で今後も続けていければいいですね。人生100年時代ともいわれていますので、やはりスポーツや文化のコミュニケーションの果たす役割は大きいと思います。そういう意味で、我々の団体がやっているような活動はできるだけ多くの方にご参加いただいて、楽しむと同時に運営部門でもご協力いただきたいなと思っています。連絡先電話番号は03-6662-9500です。平日午後12時~午後4時まで受け付けていますので細かいことなど何でも聞いてください。

ホームページ http://www.koyano-ec.jimusho.jp/index.htm

番組最終回を迎えて

店長:最終回ということで、振り返りたいと思います。

まずは番組に込めた想いを聞かせてください

 マスター:介護の仕事をやっているので、介護の現場や介護関係で働いている職員さん、あるいは、その中にいる入居者さん、この方々や職員のみんなが本当にこんなに輝いて頑張っているんだというのを一人でも多くの方に知ってもらいたい、元気をつけてもらいたいということで始めたのがきっかけかな。

店長: 2018年10月4日が第1回目で、2019年、2020年、2021年、2022年の3月ということで、やり始めてからほとんどがコロナだったような気もします。

 マスター:でも充実したゲストの方にお越しいただいて、しっかりといろんなお話をお聞きしました。これまで(1回~102回)のゲストを見ると、前半に高齢者総合相談センターの方、後半に他のゲストさんという回もあったので、人数で言うと120~130人になります。

店長:人生の中で人と会う数には限りがありますが、そんな中、このカフェでコーヒーを飲みながらお話しできた方たちがそれだけいました。

この3年半の中で印象に残っていることはありますか?

 マスター:例えば、葛飾区の中で看取りの在宅医療をされている「わたクリニック」の渡邉院長かな。年齢も一緒で、本当にすごいなあと感じました。※第47回放送

 店長:涙を出してしまった回もありました。

 マスター:これだけゲストの方に来ていただけたのも、いろいろな団体の協力のおかげです。まずは葛飾区。区長をはじめ、高齢者支援課とか区の方が協力してくれるからゲストさんにも来ていただける。いろんな町会の町会長さんや高齢者総合相談センター14か所からもみんな来ていただいています。また、葛飾区介護サービス事業者協議会の吉田会長や事務局長の勅使河原さんが協力して、ゲストを紹介してくれて。葛飾区医師会の先生方にも歯科医師会の先生方にもずいぶんと来ていただいて、いろんなことを教えていただいた。あと社会福祉協議会さんもいるし、他の団体さんもいっぱい。その協力でこれだけゲストを呼べました。

 店長:お互い、パートナーについての感想は?

 マスター:啓子ちゃんには、時間の経過とかタイムスケジュールを見ながらちゃんとゲストの方にも時々ポッと言葉を入れていただくなど、プロとしての指導を直接受けられました。その分はタダで働かせていただきましたよ笑。本当にいい勉強になりました。

 店長:かなちゃんは物事をすごくポジティブに捉えていくので、悩んでいてもかなちゃんに会うとナーバスな気持ちが一瞬消えたなっていうのを本当に思いました。感謝しています。また、食べることもそうですが、おしゃれをしたりすることがお互い好きだったり、そういうところで合致するところがありました。

 聴いてくださった方へのメッセージ

店長:聞いてくださっている方へ伝えたいことをお願いします

 マスター:長く聴いていただき、ありがとうございました。

とりあえず最初の目的としては果たせたかな。ホームページにも今までのゲストさんのお話をまとめた文面が上がっていますので、ぜひ見ていただけたら嬉しいです。

いろいろ企画を練りながら、次に皆さんとお会いできるよう準備を進めたいと思っておりますので、その時はぜひよろしくお願いします。

 店長:私はただただありがとうございました、です。

最後にこのコールに行きたいと思います。

介護のことなら、

 マスター:「かなちゃんに、おまかせ~」

 店長:また会える日まで!

 マスター:お待ちくださ~い!

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