かつしかFM(78.9Mhz)から発信する地域包括ケア
「なかまで介護」
毎週(1~3週)木曜日10:00-10:54 放送中!
このサイトでは、ラジオ放送から数週間遅れで、youtube再放送版を公開しております。
なかまで相談室
高齢者総合相談センター堀切 藤原 さん
相談事例①:運動がしたい
マスター:色々な相談が来ると思いますが、紹介したい事例をお願いします。
1つめが、葛飾区が今年から作って区内に配布している「葛飾区シニア活動マップ」で、体操教室や運動教室などのマップになります。今回ご相談があった女性の方は、元々デイサービスの利用希望で、近くのデイサービスに行って体操などをしたいというお話しでした。
マスター:ご本人が直接、堀切のセンターに来られたということですか。
ご自宅が近いこともあって来所されてのご相談で、年齢的には高齢者になったくらいの方でした。デイサービスを利用するため介護保険を申請したいということでしたが、直前までお仕事をされていて比較的若くてお元気な方でしたので、介護保険の申請よりは直接自分で通え、地域でやっている体操教室の案内が適していると思いました。ご紹介しましたら、ご本人もとてもやる気を出していただいて、その日中に地区センターに行って、すぐに体操教室に通い始めることになりました。
マスター:そういったことも教えてくれるわけですね。
地域には素晴らしいものが色々あるのですが、なかなか皆さんに知れ渡っていません。高齢者総合相談センターに来ていただければ、マップの配布も行っていますし、ご本人の趣味や生活状況に合わせたものもご提案させていただきます。
マスター:体操教室だけじゃなくて、ヨガ、筋トレ、他にもたくさんありますね。
「ルーシーダットン」というタイの古式ヨガ、卓球、フラワーアレンジメントといったものもあります。連絡先も載っていますし、費用がかかるかからないことも、このマップで判別できますので、非常に優れていると思います。
マスター:この方は紹介していただいて、今は体操をやられているんですね。
気に入ってやり続けています。今は指導者的なポジションにまでなられています。
相談事例②:もの忘れ相談について
マスター:他にも事例はありますか。
遠方に住む娘さんから、ご母様が最近よくわからないことを言ったり、わからない訴えや被害妄想のようになっていたり、そういった連絡が日中夜問わず入るというご相談でした。
マスター:そのお母様はお一人暮らしだったんですか。
ご主人が逝去されて以来、お一人で暮らしていた方です。まず娘さんと連絡をとらせていただいて、ご本人の同意を得た上でご自宅を訪問して、様子を見させていただきました。もの忘れや辻褄の合わない言動、怒りっぽいなど、以前とは違った感じということでした。
認知症の初期症状の疑い
店長:お幾つの方ですか。
80代の方です。認知症の初期症状ではないかということで、葛飾区の認知症の事業やオレンジカフェ、「もの忘れ外来」などの受診の提案をさせていただきました。
マスター:医師会と高齢者総合相談センターが一緒になって、各エリアでやっている「もの忘れ相談会」を利用していただくのもひとつの案ですね。
「もの忘れ相談会」は、月1回どこかのセンターで開催していまて、管轄地以外の方も来ていただけるようになっていますので、ご応募いただければと思います。
マスター:その方はどのようになりましたか。
「もの忘れ相談会」で初期の認知症の可能性が高いという診断になり、詳しく「もの忘れ外来」を受診して脳の画像を撮ると、脳の萎縮があるということで、認知症の診断をされて、そこから服薬治療になっています。
イベントのご紹介
マスター:今後はイベントなども準備されているそうですね。
高齢者総合相談センター堀切では、オレンジカフェを開催しておりまして、そこでお茶を飲みながら、認知症について気軽にお話しできて相談もできます。
なかまゲスト
葛飾区介護サービス事業者協働組合から株式会社ほのぼの 代表 鹿野 さん
事業概要
マスター:場所や事業内容を教えていただけますか。
金町柴又に事業所を構えておりまして、デイサービスを2箇所、訪問介護を1箇所、居宅介護支援事業所が1箇所、来年の1月からは訪問看護を1箇所開設予定です。
マスター:まずは訪問介護の利用の流れを教えてください。
初めに市区町村の担当窓口に要介護認定の申請をします。ご本人が原則ですが、ご家族や地域包括センターの代行申請も可能です。介護度の認定が申請日から約30日以内に郵送されます。次に、どこの介護支援専門員(ケアマネージャー)をどこの事業所でお願いするかを市区町村や包括支援センターに相談していただくと、そこで教えていただけます。
認定後はケアマネージャーを探す
マスター:介護保険が出たと通知が届いた方は、今度は介護支援専門員(ケアマネ)を探すということになるわけですね。
ケアマネがご本人の自宅を訪問して面談を行って、面接から得られた情報をもとに、どのようなサービスが必要かを盛り込んだ介護サービス計画書(ケアプラン)を作成します。
マスター:各ご家庭におじゃまして、何を望んでいて、どういう環境かを考えて、こんなプランはどうかと提案してくれるコーディネーターですよね。
ケアプランに基づいて、実際にサービスを受ける訪問介護事業所と直接契約を結んでサービスを利用します。
マスター:例えば、デイサービスを使うとかヘルパーさんにこのくらい入ってもらおうとか、ケアマネさんがプランして、段取りもしてくれるということですね。助かりますね。
ヘルパーさんのお仕事
マスター:ヘルパーさんも使うということになれば、こういうことをやってもらいましょう、ということもプランの中に入れてもらえるってことですね。
ケアプランをいただいたら、サービス提供者が伺って、そこで細かい情報を得て、ヘルパーさんに伝えます。ご自宅に伺って、洗濯や買い物、掃除などの「生活援助」、入浴のお手伝いやおむつ交換や食事の介助など「身体の援助」をさせていただきます。
マスター:悩んでいる方は、まず高齢者総合相談センターに電話していただければ、こういう順番で進められる可能性があるということなので、ぜひ電話してみてください。
介護保険を有効に使う
マスター:他にも何か事業所のPRなどありますか。
自分で頑張れることには限りがありますし、高齢者の介護をされるご家族にも限りがあると思いますので、介護保険という国の制度をお使いになり、無理のない生活を送られると良いと思います。介護保険とは皆さまがお使いになっている医療保険と同じで、保険料を支払う義務もありますし、使える権利もあります。上手にお使いになるのが良いと思います。
マスター:ご家族がすべて抱えてしまうことにはならないようにということですね。
店長:本来ある形として、介護を受ける側にとってメリットがあるのはもちろん、それを支える家族にとってもメリットがあって欲しい、国の制度だと私は思っています。
マスター:自分たちで抱え込んでしまうと、すべて落ち込んでいっちゃいますからね。
店長:鹿野さんも自ら介護を経験されているからこそ、伝わってくるものがあります。
どうしてプロなのにもっと介護をしなかったのかと、母が亡くなってからとても後悔しました。「じゃあそれを仕事に活かしてちょうだい」と母の言葉が聞こえてくるような気がしています。
店長:いま鹿野さんを導いているのはお母さんかも知れませんね。
事例紹介①:娘さんの介護疲れを軽減
マスター:具体的な事例を教えていただけますでしょうか。
お母さんと娘さんの二人暮らしのご家庭で、娘さんがすごくお母さん思いの方で、お母さんのためお母さんのためという思いの中ですべての時間を介護に使われていました。疲れ切ってしまって、お母さんに暴言を吐くようになったんですね。それでまた自暴自棄に陥ってしまった中で、ケアマネージャーがケアプランの中で、デイサービスの利用をすることを提案して、娘さんの介護を軽くしました。
マスター:きっかけとして、娘さんが介護保険を申請するような何かがあったんでしょうか。
介護申請をして認知症もあるので、その中で弊社のケアマネージャーを受けることになりました。
マスター:娘さんがもう無理だと思って、一歩踏み出して電話をかけたわけですね。
娘さんの介護の負担を軽くするということで、ケアマネージャーがデイサービスの利用を提案したところ、娘さんもやめていた趣味を再開、お友達ともたまにランチもできるようになって、今ではお母さんに優しく接することができてよかったと仰っています。
店長:自分自身も枯渇してしまって、他の人にも嫌な顔するようになりますから。罪悪感を持たないで。愛情がないから人様に預けるとかそうことではない。
愛情があるからこそ良い介護をしたいという、質を上げるということだと思います。
マスター:心のゆとりを持つことによって、さらに愛情をもって接することができる。だからこそ堂々と自分の時間をもってほしいよね。
心のゆとりの時間は必要だと思います。
事例紹介②:支えながらおこなうリハビリ
マスター:他にもうひとつ事例があるということですが。
天涯孤独で寝たきりで指を動かすこともできず、天井を見て日々送っていた男性の方でした。ヘルパーさんが1日数回入って介護ということでしたが、ケアマネージャーが弊社に変わることによって何とか今よりも質を高くしたいと、ご本人と話し合って、ご本人も頑張ってみると強い意思を持たれました。スタッフも一丸となって体制を整え、デイサービスに通われました。今では、車椅子から皆さんと同じ椅子に座ることができ、自分でストロー付きのコップで水を飲むことも、エアコンの操作もできるようになりました。
マスター:自分の中で諦めてしまったものを、もう一度頑張ってみようという気持ちにまで結びつけることができたんですね。
寝たきりになってしまっても、座れるように立てるように、決して今の状態を諦めないという結果だと思います。
マスター:脳梗塞など後遺症が残る方も多く、頑張ってリハビリされている方もたくさんいます。でも思ったとおりにいかなくて、諦めて人生を捨てちゃうことがないように皆さんがお手伝いをしてですね。一人で考えると確かに辛いよね。
一人だと頑張りきれないので、「人差し指が動きましたね」とか、スタッフが入れ替わり励ましています。そうするとニコニコされて次は中指が動いたっていうような。
店長:結局、人は一人では限界があるということですね。
キラキラリポート
今回は居宅介護支援事業所「ほのぼの」さんです
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