かつしかFM(78.9Mhz)から発信する地域包括ケア
「なかまで介護」
毎週(1~3週)木曜日10:00-10:54 放送中!
このサイトでは、ラジオ放送から数週間遅れで、youtube再放送版を公開しております。
なかまで相談室
葛飾区高齢者総合相談センター奥戸 所長 澤田久美子さん
事例紹介①高齢ご夫婦の在宅での介護
マスター:早速ですが、最近の事例を教えて頂けますか。
今回は104歳と92歳で子供はいなくてお2人(暮らし)で、介護認定が要介護2をお持ちのご夫婦のお話をさせて頂きます。
マスター:要介護2ということは、病気とか色々な状況があるんですね。
年齢を考えますと、ご主人の方はとてもお元気という印象ですが、前立腺炎や神経痛、加齢に伴って足が動かなくなる筋力低下があります。奥様はシルバーカーを利用していて、家事全般をこなしていますが、少し認知症を出ていらっしゃるようで、それでもご主人の介護をしている状況です。
マスター:このご夫婦と何かの絡みで関わったんですよね。
3年位前に、通院されている病院からご相談がありました。お2人はずっと家で過ごしたいという思いがあり、介護保険を使って訪問診療と訪問看護を利用して様子をみていましたが、最近は奥様の認知症が進んで食事作りなどが負担になって、ご主人にあたることが多くなってきたということでした。いよいよ在宅が限界かと、病院関係者やケアマネさん、包括支援センター(高齢者総合相談センター)も入って考えていたところに、突然ご主人の姪っ子さんから連絡がありました。それなら施設入所を積極的に勧めていこうとチームで話し合いをしてご主人に勧めたのですが、奥様の思いと一致せず、とりあえず姪っ子さんには緊急連絡先になって頂き、家を少し片付けて、ベットやポータブルトイレを利用して頂いています。ご主人には、「お国にお世話になるのは申し訳ない」という思いがあるようです。
マスター:古い方は皆さんそうなんですよね。頑張ってきたんだから、いいのにね。
少しずつ歩み寄って、前よりは介護サービスを利用して生活して、施設(への入所)はもう少し先延ばしにしていこうということで話を進めています。
事例紹介②介護を拒む単身の男性
マスター:もうひとつの事例も教えてください。
84歳の単身の男性で、結婚歴はあってお子さんがいたのですが、今は全く連絡をとっていないという方です。お1人暮らしで、不動産屋さんからご本人が動けないでいると連絡がありました。不動屋さんが救急車を呼んでくださったんですが、本人がとても頑固で拒否をして、断ってしまったということで。
マスター:それでどうなりましたか。
この方の場合は下肢の静脈瘤みたいな血流が悪くて動けなくなったんだろうという印象で、トイレに行けなくて枕元に尿瓶を置いて、痛みもあって動けない状態でした。「まず病院で診て頂いてそれから考えましょう」という話をしたのですが、救急車に乗りたくない、あと2、3日すれば元気になると。食欲は多少あったので妥協案で2日後にまた来ますということにしました。不動屋さんとも相談しながら安否確認も含めてお声がけすることにして、おにぎりなどを届けながら2日後になると、もう少し様子見れば元気になりそうだから病院には行かないと。それが10日続きました。本人が病院に行きたくない理由が(家が)汚いということで、綺麗好きという印象がありました。
店長:私はわからなくもないですね。
現金も血圧の薬もなくなり、いよいよ10日目あたりで受診しましょうとなり、かかりつけ医に行って精密検査を受けるという話になりましたが、それでも納得はされていませんでした。介護保険の申請もして、少しずつ元気になって、この歳だから好きなようにしたいということを尊重しながらこれまでやってきました。
マスター:無理やりではなく、その方の気持ちを聞いて調整しながらやっていく。介護や医療の専門知識がない自分たちだけで考えないで、とにかく高齢者総合相談センターに電話をかけるようにしてください。その人に合わせたプランをみんなで考えてくれます。
お便り紹介コーナー
本日はリスナーさんからのお便り紹介を 中心にフリートーク。
<匿名女性から> 私は40数年 福祉の仕事に携わってきましたので、 介護専門番組があると聞き、ラジオを聴くように なりました。私自身、介護の厳しい現実を楽しい イメージに変えていってほしいと期待しています。
<匿名男性から> マスターと店長の絶妙な掛け合いで、 介護の番組とは思えない楽しい雰囲気です。 進行役のカナちゃんは介護関係の方という事が分かり、 ときより鋭い意見を挟んでくるのも納得しました。 これからも放送楽しみにしています!
マスターカナちゃんは、日頃から美容や健康など男性ながら、 アンチエイジングが大好き。 また、音楽が趣味で仲間とバンドを組み活動しています。 仕事のほかにも自分が楽しめる事や場所をつくる事が「健康寿命」にも繋 がる大切な事と話しました。
介護についての悩みやご相談など、なんでも結構です。
ぜひ番組までメールください。