ゲスト: 葛飾区訪問看護ステーションの高木所長 テーマ:在宅医療ついて かつしかFM「なかまで介護」第8回(2018年12月13日放送分)

  かつしかFM(78.9Mhz)から発信する地域包括ケア
「なかまで介護」
毎週(1~3週)木曜日10:00-10:54 放送中!

このサイトでは、ラジオ放送から数週間遅れで、youtube再放送版を公開しております。

なかまで相談室

高齢者総合相談センター亀有 社会福祉士 介護支援専門員の新美さん

マスター:今日は、マスターがおじいちゃん役になって、新美さんに電話で相談するという設定でやり取りをしてみようと思います。

【悩み相談①もの忘れ】

おじいちゃん(マスター):最近もの忘れがひどくなってお財布を忘れて買い物に行ったり、鍵をどこに入れたかわかんなくなって部屋に入れなかったりで、困っています。

ご相談ありがとうございます。もの忘れは、早めに診断を受けて治療するのが長く元気でいられるコツなので、気になった段階でご相談頂いて、お近くの認知症の診断や治療ができる病院や診療所をご紹介させて頂いています。薬も早く飲むとよく効くと言われているので、早めの診断をお勧めしています。

おじいちゃん(マスター):どこの病院に行ってもいいというわけではないんですね。

そうですね。認知症を予防できる生活習慣についてのご案内などもしています。週2回30分以上の運動が認知症予防にとても効果があるということや、バランスが取れた食事ですね。あと、人とおしゃべりすることで、脳のいろんな場所を活性化できるんです。

【悩み相談②運動したい】

おじいちゃん(マスター):将来寝たきりになりたくないので、気楽に運動できるような場所はありますか?

たくさんあります。寝たきりになる前に早めに体を鍛えておこうというお考えはとっても素晴らしいと思います。例えば、青戸駅近くにシニア活動支援センターという55歳以上の方のためのセンターがあるんですが、そちらで筋肉向上トレーニングやポールウォーキングなどの講座をたくさんやっていますし、その他にも、ダンスや太極拳のサークルのご紹介などもしています。

【悩み相談③ひとりの時の不安を解決】

おじいちゃん(マスター):日中ひとりの時や、将来、連れが亡くなってひとりになった時に具合が悪くなったらどうしようか、特に夜が不安になるんです。

葛飾区では「見守り型緊急通報システム」というサービスがありまして、例えば日中の誰もいない時に倒れちゃったらどうしようとか、具合が悪くなっても救急車を呼べるほど電話をかけられないとか、電話をかけても話がもうできる状態じゃないとか。はじめにいろんな機器を設置させて頂いて、通報機に緊急ボタンという赤い目立つボタンがあるんですが、それさえ押して頂ければ警備会社が駆けつけてくれて、必要でしたら119番通報して救急隊に引き継ぐまでやってくれるというサービスがあります。

 おじいちゃん(マスター):ボタンを押すだけならできるかもしれません。

ボタンを押せなかった時のことを考えて、皆さん必ずお使いになるトイレのドアにセンサーを設置しておいて、24時間以上開け閉めがなかった時は自動的に通報されて、警備員が駆け付けてくれるというシステムもありますよ。

【悩み相談④介護保険について聞きたい】

おじいちゃん(マスター):「介護保険」ってよく聞くんだけど、どんなサービスが利用できるかよく分からない。介護が必要にならないと聞いちゃいけないという気がするんだけど、お世話になる前でも新美さんところに相談行ってもいいんですか?

大歓迎です。介護保険が使える段階をかなり過ぎてから、例えば本当にひどい方だとオムツが必要になってからとか、認知症の方で言うと徘徊が始まってからとか、酷くなってからのご相談もかなり多くて、もっと早くからぜひ介護保険を使っていただきたかったなという方が実は多いんです。使う前に知っておいて頂けるとこちらもありがたいですね。

【悩み相談⑤友達を作りたい】

おじいちゃん(マスター):お友達と近くでおしゃべりしたいんだけど、誰かお友達ができるような場所ってあるかなあ。

高齢者総合相談センター亀有では、「オレンジカフェ亀有」というのを毎月やっていまして、交流をしたり、認知症のことについて聞いたりもできます。その他、地域にもサロンがたくさんありますので、そちらもご紹介しています。

なかまゲスト

葛飾区訪問看護ステーションの高木所長

訪問看護のお仕事って?

マスター:訪問看護ステーションのお仕事について教えてください。

在宅療養が必要な方を対象に、看護師が生活の場に訪問して、看護ケアを提供するサービスです。病院に看護師がいるように、在宅でも訪問する看護師がいると切れ目のない療養生活ができます。それをお手伝いするのが私たちの役目。例えば点滴でも、急に止めてしまうと体も変調をきたしてしまうので徐々に減らすという意味で、自宅に帰ってからもしばらく点滴をする方が多くなっています。最終的にはやらない方針になりますが、切れ目のない医療を提供するために必要なこともあります。

マスター:お医者さんと看護師さん達が一緒に協力しながら、ドクターの方針に乗っ取って一緒になってやって頂ける。病院を出て家に帰るときでも多少安心できる。医療と皆さんの看護それとヘルパーさんだとかの介護ですよね。こういう方々とご家族が協力するからこそ支えていける。その大切な医療とケア、看護と介護を結び付けている感じでしょうか。

医療保険と介護保険の違い

店長:医療保険と介護保険の違いや掛け橋的な関係について教えてください。

いずれにしても医師の指示書というのがないと訪問看護はできません。その中で、介護保険によるご利用と医療保険によるご利用がございまして、65歳以上の方は介護保険の利用になりますが、40歳から64歳までの2号保険者と言われる方々は特定疾患(加齢による病気)の中であれば、(対象に)入ります。それ以外の方は医療保険によるご利用です。小児、赤ちゃんについても訪問しています。

マスター:普通の方にはわかりにくい。高齢者総合相談センターに聞けば教えてくれるのでしょうか。

高齢者総合相談センターは基本的には65歳以上の方の窓口なんですが、葛飾医療連携相談室というのもございまして、そちらは区民の方を対象にしています。

【葛飾区の訪問看護ステーション】

店長:介護保険が始まって来年で20年くらい、すごい進歩というか手間が省けてきたことだけは実体験としてあります。当時は介護の立場の方もてんてこ舞いでしたよね。

うちは平成7年に立ち上げて、葛飾区では1番目、東京都では67番目なんですが、今はもう区内に40箇所ぐらいの訪問看護ステーションがございます。

看取りの状況とやりがい

マスター: 在宅での看取りについて教えてください。

60年前ぐらいは自宅で亡くなるのが85%でそれが当たり前の時代でしたが、近年は病院で亡くなる方が多くなりました。在宅死率が全国平均だと13%、葛飾区では23,7%です。

いろいろなケースがありますが、今はお家で死ぬということは「死に方を自由に考える」と言われていて、それは「生き方を自由に考えること」に繋がります。「看取り」という言葉もちょっと前までは「終末期医療」と呼ばれていたんですが、人生の終わりまでご本人の意思を尊重した医療ケアを重視して、今は厚労省で「人生の最終段階における医療」という名称に変わりました。統計によると6割くらいの方がお家で死にたいと思っているそうで、死ぬことは避けることができない人生の一大事なんですね。その「人生の一大事」をお手伝いさせて頂く私達は、仕事に喜びと誇りを持って日々過ごさせて頂いています。

【事例紹介:50代ご夫婦の例】

マスター:家族としてどうやって伝えたら良いか?具体的な事例を教えてください。

本来なら家族みんなに看取られながら亡くなるのがいちばん幸せですが、そうはできない人もいて、どう選択するかはその家族の自由です。先日見送りした方は病院で亡くなりました。その方はご夫婦二人で、50代の方で、もう長くないと言われて、在宅で大学病院に通っていて。大学病院の相談室から何かサポートして欲しいと電話があって「看護師さんに何ができますか」と聞かれたので、「今の現実とご自分の思いとのギャップを埋める作業を一緒に考えます」と伝えました。それからエンディングノートを持っていって腹を割って喋りました。

 マスター:エンディングノートがあると、そこに書き込むことによって、家族と大事なことを話せますね。

若い方には特に大事なんですね。その方も、お金のこととか、いろいろ自分の身辺整理をしたいからギリギリまでお家にいたいけど、旦那さんが仕事をしていて看てあげられない、辛い姿を見ていられないので、最後は申し訳ないけど入院して欲しいと泣きながらおっしゃいました。最終的に訪問在宅の緩和ケアの専門医が入ったので、かなり楽にはなったんですが、息が苦しくて酸素をあげても息が上がって、もう病院に入りますとご本人が意思表示をされました。先生が病院に連絡して私が救急車を呼んでお見送りしまして、三日ほど経ってお亡くなりになったそうです。旦那さんが「病院の先生と高木さんと付き合える時間がもう少しあったらもっと良かったのに、でも出会えて良かった」と涙ながらに言ってくださいました。いろんな形がありますが、その方は、亡くなる5日前に2人ですごい笑顔で自撮り写真を撮って、最後に亡くなる前も笑顔を見せてくれたということでした。

マスター:ひとつひとつのご家族とその方の最後がいろいろあるわけですね。それを皆さんが一緒に相談に乗りながら、オーダーメイドのその方々のためだけのものを作って…。

訪問看護もそうだけど、介護に関わっているヘルパーさんやケアマネジャーさん、ドクター達も本当にそれを願って、皆さん頑張ってやっている。だから、ご家族だけ、あるいはご本人だけが辛い思いをしないで、それを相談してみんなで支えていく。先ほど言った「本当に皆さんと知り合えて良かった」というその言葉が、介護、看護、医療に関わるみんなの、明日からも頑張ろうという励ましになりますよね。

 葛飾区医師会訪問看護ステーションの役割と特徴

マスター:最後に、葛飾区医師会訪問看護ステーションの特徴は?

生きていくための4つの柱「食べられているか」「眠れているか」「出る物が出ているか」「お薬が飲めているか」。私たちは単なるお助けマンではなく専門職として自立を支える視点で、どんな援助が必要かを考える役目です。ヘルパーさんとか、最近では薬剤師さんとの連携がすごく進んでいます。あとは「看看連携」と言って、病院の看護師と在宅の看護師の連携ですね。必ず、帰宅される前に(病院の)退院カンファレンスにお邪魔して、どういうふうに生活を支えるか、療養というより生活を支えるという主眼が大きくなっていますね。

マスター:病院とはちょっと違って、生活を支えていく上での(看護)ということですね?

在宅医療で本人やご家族を家に閉じ込めるのではなく、もっと社会と繋がるお手伝いができます。デイサービスに通った方がいいですよとか、その人に合ったサービスを一緒に考えるという側面がございます。

店長:試行錯誤で始まった「点」が、確実に「線」になっていると実感します。

うちは、「機能強化型訪問看護ステーション」と申しまして、24時間体制なんです。葛飾区内に40箇所ある訪問看護ステーションのうち4か所だけで、人数も揃っていて、安定した看護ケアを提供するという機能も持っています。

マスター:葛飾区医師会さんが元になっているから、いわゆる「ホームドクター」とも連携が非常に出来ているし、医療と看護、それこそケアしてくれるみんなとも非常に繋がりやすいですよね。

ほぼ在宅、まれに入院する生活を実現するためには、すべての病気をまとめて見てくれる「かかりつけ医」が重要です。

 

介護についての悩みやご相談など、なんでも結構です。
ぜひ番組までメールください。

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