ゲスト:葛飾区生涯スポーツ課 櫻井梨恵乃さん・葛飾区ボッチャ協会 専務理事 大塚和男さん・副専務理事と広報ご担当 中村康昭さん かつしかFM「なかまで介護」第88回(2021年8月19日放送分)

  かつしかFM(78.9Mhz)から発信する地域包括ケア
「なかまで介護」
毎週(1・3週)木曜日10:00-10:54 放送中!

このサイトでは、ラジオ放送から数週間遅れで、youtube再放送版を公開しております。

 

なかまゲスト

葛飾区生涯スポーツ課  櫻井梨恵乃さん
葛飾区ボッチャ協会 発起人で専務理事 大塚和男さん
葛飾区ボッチャ協会 副専務理事と広報ご担当 中村康昭さん

葛飾区生涯スポーツ課の概要

マスター:まずは、生涯スポーツ課の全体像について教えてください。

生涯スポーツ課では、区民の誰もがそれぞれの体力や年齢、興味や目的、障害の有無に関わらず、自分に合った形でスポーツを「する」「できる」環境の実現に取り組んでいます。主な業務は、区民のための体育大会やスポーツ大会の開催、各種スポーツ教室、スポーツ指導員の養成、健康づくり事業などの実施となります。

マスター:具体的にいうとどういうものになりますか。

誰もが1日スポーツを楽しめるスポーツの祭典として、毎年10月に「かつしかスポーツフェステイバル」、3月には区が主催のマラソン大会「かつしかふれあい RUN フェスタ」を開催しています。そのほか、正しい走り方などを学ぶ「ランニング・ウォーキング教室」や「高齢者はつらつ健康体操教室」、後ほど紹介する「ボッチャ 一般開放」など、日ごろから気軽に参加できるスポーツ教室なども開催しています。

マスター:「かつしかスポーツフェステイバル」は今のところ開催する予定でしょうか。

感染対策をしっかり取りながら、現時点では実施する予定です。

新型コロナウイルス感染対策について

マスター:今もそうですし、去年もコロナの影響で大変だったと思います。

昨年度は新型コロナウイルス感染症対策のため中止・縮小となる事業もありましたが、その中でも開催方法を工夫して、万全の感染症対策が取れるように取り組んでいます。検温や消毒等の対策はもちろん、誰もが参加できる自由参加制から事前の申込制にして人数管理を徹底したり、スマートフォンの GPS アプリを使用して、実際に集まらず、オンライン形式でのマラソン大会を開催したり、コロナ禍でも区民の皆様がスポーツに親しみ楽しめるよう取り組んでいます。

マスター:スマートフォンの GPS のアプリを使用して、とはどういうことでしょうか。

走り始める時にアプリを起動して走り終わった後に止めるのですが、そうすると自分が走った距離やルートとかがわかるようになっていますので、走行距離などで全国の方と競い合うなどができます。

 

マスター:もっと身近に運動できるものもありますか。

葛飾区のHPに、自宅でできるストレッチやラジオ体操、座ってできるイス体操の動画も掲載されています。「かつしか 自宅 運動」で検索すると一番上に出るようになっています。

 障害者スポーツへの取り組み

マスター:障害者スポーツへの取り組みについても教えてください。

障害のある方にとって、スポーツをすることは体力の向上や健康の増進、そして社会参加の

促進も期待されます。生涯スポーツ課では、障害のある方もない方も、身近な場所で気軽に

スポーツを楽しめる機会の提供を目指しています。具体的には、障害のある方を対象にした水泳教室やトランポリン教室を奥戸総合スポーツセンターと水元総合スポーツセンターの2か所で通年開催していますし、誰もが一緒に楽しめるフロアホッケーの大会なども開催しています。

マスター:後ほどゲストに来ていただくボッチャについても、区の方でかなりフォローされているんですよね。

ボッチャについては、どなたでも体験できる「レクリエーションボッチャ一般開放」を毎週月曜日に水元総合スポーツセンターで開催しているほか、年に1回「ボッチャ交流大会」を開催していて、障害のある方もない方も一緒に「ボッチャ」を通じて交流を深める場になっています。

マスター:パラリンピックについて、区として関わりのある選手や楽しみ方を教えてください。

葛飾区では、東京 2020 大会を目指す葛飾区にゆかりのある選手を「葛飾区トップアスリート」として認定して応援しています。24日から開催するパラリンピックには、パラアーチェリーの大山晃司選手と車いすテニスの荒井大輔選手が出場します。コロナ禍で直接選手を応援できない中、区役所2階の区民ホール、奥戸総合スポーツセンター温水プール館、水元総合スポーツセンター体育館に設置されている折り紙で折り鶴を作っていただき、作成した折り鶴は区役所2階の区民ホールに巨大折り鶴アートとして展示する「折り鶴プロジェクト」を実施しています。

ボッチャとは

マスター:まずは、「ボッチャ」について基本的なことを教えてください。

(大塚さん)ボッチャはイタリア語で「boccia」(ボール)で、脳性麻痺の方などのために生まれたオリジナルスポーツです。重度の障害があってもじゅうぶん楽しめる知的で頭脳的なプレイが必要とされるスポーツで、ヨーロッパが発祥です。ボールを自分で投げられなくても、アシスタントがいれば、滑り台のようなランプと呼ばれる筒を半分にしたような道具を使って、コートにボールを入れて競技ができます。

店長:地上のカーリングとも言われていますよね。

(大塚さん)カーリングは真ん中に(固定で)的があるのですが、ボッチャの的はどんどん動かしていいんです。ボッチャはジャックボールと呼ばれる白いボールを投げ入れて、そのボールに赤と青いボールを寄せていく競技で、近づければ近づけるほど得点になりやすい。

 障害の具合によってクラス分け

マスター:いろいろなクラスに分かれているのでしょうか。

(大塚さん)障害の度合によって、BC1~BC4まであります。他にも、病気やけがで身体欠損とかになって活動が制限されている方のために日本ボッチャ協会が(場を)提供している日本独自のオープンクラスで、立って投げる方と座って投げる方と2つのクラスもあります。

マスター:例えば、中村さんだと、どのクラスに該当するんですか?

(中村さん)僕の場合はBC2で、自分で車いすの操作もできて、ボールを持つことができて投げられるという、選手層の中ではいちばん数が多いクラスにいます。

マスター:競合も多いということですね(笑)。

(大塚さん)ボッチャの選手の中ではいちばん障害が軽いクラスです。中村くんはこのクラスで世界的な大会にも出ていました。

店長:最初にボッチャを知った時は、車いすでやる競技と入って来たんですが、それから掘り下げていったらいろいろなクラスがあることを知りました。

ボッチャの普及・支援

マスター:世界中でどれくらい普及しているのでしょうか。

(大塚さん)42か国くらいと言われています。確か1988年のソウルのパラリンピックから正式種目となり、2000年のシドニー大会で人気が高まりました。北京のパラでは当協会の理事をやっている海沼選手がチーム戦で出場しました。

マスター:多くの企業が支援してくださっていると聞きました。

(大塚さん)日本ボッチャ協会のゴールドパートナーという形で、NECさんやトヨタ自動車さん、CACさんとか。CACさんは大会の主催、ボールやランプをプレゼントする企画などもやっていて、うちもそれでボールをいただきました。

葛飾区ボッチャ協会の概要

マスター:葛飾区ボッチャ協会について教えてください。

(大塚さん)協会としては今年9月18日で丸3年になります。それまでは葛飾区のスポーツ推進委員協議会の中で「ニュースポーツ」として10年くらい前からボッチャに取り組んでいます。それ以前に中村君を通じて個人的には12年くらい前からボッチャにはまり出しました。現在の会員は46名で、競技者として日本選手権を目指す選手、純粋にレクリエーションとして楽しんでいる方、私のように協会全体をバックアップしたいという方がいます。立場は違いますが、みんながボッチャ好きと言うことに変わりはありません。

マスター:先程、生涯スポーツ課の方から「葛飾区トップアスリート」について聞きました。

(大塚さん)うちでは、海沼理佐選手と本宮崇史選手が「葛飾区トップアスリート」として認定されています。2人とも全日本選手権では優勝、準優勝、ベスト8という記録を数多く残していますので、協会として推薦させていただきました。

店長:お2人が着ているボタンダウンのシャツはボッチャ協会のユニフォームですか?

(大塚さん)そうですね。背中に「葛飾区ボッチャ協会」と入っていて、葛飾区の区花である花菖蒲とボッチャのボールの赤と青と白色が描かれています。これはすべて中村康昭がデザインしました。また、私どものメンバーである小林さんが製作を担っていただいて、協賛企業として提供してくださって本当に感謝しています。

葛飾区ボッチャ協会の活動内容

マスター:協会の活動についても教えてください。

(大塚さん)葛飾区教育委員会で主催しているボッチャ交流大会やボッチャレクリエーション教室、ボッチャ指導員のための養成講習会というのを2日間かけておこなっています。その他、小学校からの依頼で出前(体験)講習会のようなものをやらせてもらっています。

感染対策の徹底

マスター:コロナ感染拡大対策については、厚生労働省、スポーツ庁、日本障がい者スポーツ協会、日本ボッチャ協会のガイドラインをベースとして、事前に「新型コロナウイルス感染予防対策情報交換会」を実施するなど徹底的に感染対策をおこなっています。ボールの消毒はもちろん、密にならない特別ルールを採用するなどして開催しているとのことですね。

ボッチャの実況(デモンストレーション)

マスター:それでは、中村君の方にボッチャのデモンストレーションをしてもらいましょう。

ボールは直径が約8㎝くらい、サッカーボールを小さくしたイメージですね。

(大塚さん)ボールの中身は自由ですが、重さに規定はあります。ボールはすべて手縫いです。

 店長:ボールの大きさは一般の女性がちょうど手の中に入るくらい。

(大塚さん)いちばん最初に白いボール(ジャックボール)を投げます。その後は白いボールを投げた人がそのまま赤いボールを投げます。次は後攻チームが青いボールを投げます。次は白いボールから遠い方のチームが投げます。こうやってそれぞれが6個ずつ投げます。強く投げて相手のボールをはじき出すという技もあります。

 店長:ラジオでは臨場感がうまく伝わらないので、皆さん百聞は一見にしかずということで、ぜひ経験してもらえればと思います。また、パラリンピックを観て応援して欲しいですね。

 ボッチャの魅力

マスター:中村君にボッチャの魅力を聞きたいのですが。

(中村くん)ボッチャのいいところは、障害が重くても、(健常者では)おじいちゃんおばあちゃんから小学校前の小さい子までできて、幅広く一緒に楽しめるところです。

(大塚さん)付け加えると、ボッチャのコートは正式には縦12.5m×横6mですが、使用する場所によって自由にアレンジできて6畳一間でも出来るところ。これから先に高齢者社会に向かっては、外遊びがきつくなってきた方も、室内競技なので雨が降っても風が吹いてもできますし、イスに座ったまま投げられるので身体に大きな負担がかかるわけでもなく、ちょうどいいレクリエーションになると思います。

まとめ

店長:葛飾区ボッチャ協会では、仲間となる会員やボランティアを募集しています!Facebookもみてくださいね。パラリンピックの日程は8月24日(火)~9月5日(日)です。ボッチャ日本代表「火の玉JAPAN」も他のすべての競技も、パラリンピックをみんなで応援しましょう。

 

 

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