かつしかFM(78.9Mhz)から発信する地域包括ケア
「なかまで介護」
毎週(1・3週)木曜日10:00-10:54 放送中!
このサイトでは、ラジオ放送から数週間遅れで、youtube再放送版を公開しております。
なかまでゲスト
葛飾区社会福祉協議会 成年後見センター 米津さん
社協の概要
マスター:最初に葛飾区社会福祉協議会(社協)の概要を教えてください。
社協は、区民の皆さんが主体となって地域の中で共に支え合う共に助け合う、住みよい福祉のまちづくりの実現を目指し、支援が必要な方々に対して、様々な支援活動や事業を推進している会員制の社会福祉団体です。会員制ということですが、地域の中には自分も関わりたいけどなかなか時間が取れないという方もたくさんいらっしゃいますので、年会費一口1,000円、特別会員様で一口10,000円ということで、ご支援いただいています。
活動内容としては、1人暮らしの方が地域で孤立することなく暮らせるように、毎日、乳酸菌飲料を配達する安否確認の事業や、家事援助サービス(しあわせサービス)など、区民の方に協力いただきながら、できることをして頂くという事業もやっています。また、あとでお話しする成年後見センターでは、相談事業や講座など、区民の方が聞きたいということについてお話しする場を設けるなどしています。
マスター:介護保険や行政がおこなうサービスとの区切りはどのようになっていますか。
社協でやっているのは、介護保険制度では対応できない、どうしても難しいものに対して、それでも手伝いたいという方がいらっしゃれば登録していただき、お願いしたい方と繋ぐという事業です。
マスター:介護保険だとどうしても条件があるので、そこから漏れてしまう方々を支えていこうということですね。
成年後見センターの役割
マスター:成年後見センターについても詳しく教えてください。
社協の中にある成年後見センターの役割としては4つあります。ひとつめが「相談事業」。福祉サービスを利用したいけどどういうふうに選んだらいいかわからないとか、漠然と将来に対する不安感を抱えていらっしゃる方などの相談を一般相談として職員が承るほか、弁護士さんや司法書士さんに定期的に相談できる専門相談もやっています。また、相談事業とは別に、ご自宅に訪問して、お困り事に対して関わりを持つ、具体的にはお金のことですとか、そういったものも契約をした上で関わらせてもらう「訪問援助事業」があります。
店長:「相談事業」というのは無料ですが、「訪問援助事業」というのは(相談は無料ですが)契約者の方、つまり有料ということになりますね。
マスター:他の事業についても教えてください。
「「人生のエンディングの準備支援事業」と「成年後見制度利用支援事業」もやっています。聞いたことはあっても具体的にどういうことをやってもらえるのかわからない方も多いので、成年後見制度についての説明や手続きなどの講演会もおこなっています。
成年後見制度とは
マスター:成年後見制度について概略を教えていただけますか。
私どもでも相談はできるのですが、成年後見制度は国の制度で、手続きは家庭裁判所になります。(法定)後見人制度というのは、ご本人の判断能力が低下している場合、認知症とか何かしらの障害をお持ちになって難しくなった方を法律的に保護する支援制度で、判断能力にあわせて3段階で支援する方がつくということになります。ご相談は無料ですが、誰にどう頼んでいくかというところで費用が掛かってきます。
マスター:軽い状態だと「補助人」、もう少し判断能力が厳しいという場合には「保佐人」、完全に判断が無理となると「後見人」と順番にありますよね。でもいつ交通事故に遭うとかわからないから、そうなる前に「任意後見」ということで先に決めておくと安心ですよね。
訪問援助事業について
マスター:「訪問援助事業」についても詳しく教えてください。
ご自分で郵便物の確認とかお金のやりくりがちょっと難しい高齢の方や障害の方など、何回か訪問調査をして、最終的に契約をさせていただいて、月に1~2回ご訪問する中でお困り事に関わらせていただくというものです。成年後見制度の対象の方と比べて、もう少し判断能力がある方と思っていただけるといいかと思います。日常的な金銭管理で困っている方はいらっしゃるので、そこにかかわることができるのはこの事業の特徴です。
マスター:利用しやすい金額なので、ぜひご相談してみてください。
人生のエンディングの準備支援事業について
マスター:エンディングノートを実際に書き出してみると、認知症になったら?とか病気になった時の延命措置についてとか「(法定)後見」を頼んだ方がいいとか、その前の「任意(後見)」をやっておいた方がいいとか、そういう質問が自然と出てくるんだよね。
店長:最近はペットを飼っている方も多いので、それも入っています。他にも書き切れなかったことなど記入しましょうというのもあります。鉛筆で記入してもいいのでしょうか?
それぞれのページで年日付を書く欄が必ずあるので、鉛筆で書いて、書き換えていただいて大丈夫です。
マスター:遺言書のように公証人役場じゃないと正式なものではないとありますが。
正式に法的な効力を持つものではなく、あくまで書いたご本人が自分に何かあった時に大切な方にこれだけは知っておいて欲しい、伝えたいことを書けるノートです。残された方が参考にできるものにはなると思います。
終活講座への質問
マスター:実際に講座をやっていて、どのような質問が多いですか?
やはりお金に関わることは結構項目が多いんですね。普段あまり言えないけどやっぱりここ大事だよね、書いておけるといいな、こんなに書かなきゃいけないんだと気づかれる方が多い。あとは、財産が明確になって、自分が亡くなった後に誰にどういうふうにお金がいくのかがわかってくると、今後どうしようということで、相談が増えてはきますね。
エンディングノートの効果
店長:亡くなることを禁句とせずに、話題を避けたりしない。今は当たり前の世の中だと思います。エンディングノートも、「私の気持ちを伝えます、残されるあなたに」ということですよね。
あとは、このノートを書いておいて、万が一の時に見つけて頂く。ちゃんとこういうものを用意してあるよということをわかっておいてもらうことが必要です。
マスター:遺影に使って欲しい写真を貼るページもある。でも本当に、(エンディングノートを)明るく記入することによって(亡くなった後のことについて話す)キッカケができる。
店長:暗い気持ちじゃなくて、笑いながら家族で話し合えるような関係を構築するというのも絶対に大切ですね。
終活講座の内容
マスター:年間どれくらいのペースで終活講座を開催しているのでしょうか?
年間、上半期と下半期で(6講座程度ずつ)やっていて、本年度の上半期は締切りましたが下半期も実施する予定です。毎回、内容を変えて、エンディングノートについてお話をする機会もありますし、葬儀やお墓の生前整理のこと、高齢になってからの住まいと暮らし方、老後をどういうふうに過ごせるといいか、などですね。あとは先程の、遺言や任意後見について合わせてお話しする講座や、相続税とか税金関係のことですね。
マスター:(行政書士、司法書士、税理士など)専門家が来てくれて、かなり細かく教えてくれるんですね。高齢になってからの住まいと暮らし方なんかもあって、嬉しいですね。
いろんな方からのお話を聞いて、いろんな情報を知ったうえで、これからどうしていこうかということに繋がっていくという感じですね。
マスター:この番組でも、介護だけじゃなくて、高齢者総合相談センターや社協さんなど、公のところでプロ達に相談して、自分で抱え込まない。とにかくそういうところに行こうというのを一人でも多くの人に知って欲しいと思っています。
みなさんへのメッセージ
マスター:他に伝えたいことがあればお願いします。
終活相談は月2回の予約制で、弁護士の方に1時間弱くらいお話を聞いていただけます。お1人暮らしの方などで漠然とした不安感をお持ちの方もいらっしゃいます。事前に内容を伺っておくのですが、実際その場で弁護士の方とお話ししていくうち、具体的にこういうことを進めていけばいいんだと納得しながら整理ができるので、ぜひご連絡ください。
また、今までは来社でのご相談だけだったのですが、今はコロナ禍ということもあって、電話によるご相談もできますので、ご希望にあわせてご利用頂ければと思います。
介護についての悩みやご相談など、なんでも結構です。
ぜひ番組までメールください。