かつしかFM(78.9Mhz)から発信する地域包括ケア
「なかまで介護」
毎週(1~3週)木曜日10:00-10:54 放送中!
このサイトでは、ラジオ放送から数週間遅れで、youtube再放送版を公開しております。
なかまで相談室
高齢者総合相談センターお花茶屋 藤間佑太さん(社会福祉士)
【活動紹介①認知症予防(脳トレ)】
マスター:高齢者総合相談センター立石の方では、どんなご相談が多いでしょうか。
介護認定の申請ですとか、あとは介護保険サービスのご利用に関してのご相談がすごく多いですね。その中でも、最近は介護予防についてどうしたらいいかとか、認知症予防についての相談が増えてきている印象があります。
マスター:ついこの間も、ドクターに来て頂いて認知症の話をしてもらいました。認知症の予防について、どんなことをやられているのでしょうか。
例えば、脳トレの講座を年4回程度開催しています。人気の講座で区内でもいろいろなところでやっていますが、近くで参加しやすい場所がないかという区民の方からのお話も頂いて、センターでも開催しています。1回20名から30名くらいの方がいらっしゃいます。
マスター:結構参加されていますね。脳トレってどういうことやるのでしょうか?
脳トレというと、机に向かって計算プリントをしたり漢字の書き取りをしたりというイメージがあると思うんですが、私達のところでは、問題を画面に大きく写し出して、皆さんと一緒に参加型という形で楽しんでやっています。特徴的には、動画を使った問題などもご用意して、イラストや写真を画面に写して時間とともに絵の一部や色が変わるとかですね。
マスター:テレビで観たことあります。段々変わっていって、さて何が変わったでしょう? って、結構わかんない。ああいうのを取り入れているのは楽しいですね。何とかトレーニングとか机に向かってっていうとちょっと試験している感じだけど、こういうのも時々入れて頂けると楽しく参加できますね。
【活動紹介②介護予防】
マスター:介護の予防に関しては、どういうようなことをやられていますか。
介護予防のところでは、体力測定。例えば、身長や体重、血圧、握力、体脂肪率などを計測させて頂いています。高齢者総合相談センターには保健師や看護師といった医療の資格を持った職員もおりますので、その職員が中心に実施しています。新たに、前屈をして柔軟性を測定できる器械なども(取り入れました)。色々と設備を整えてきているので、地域の皆さんの要望に沿った内容の測定も幅広くできてきているのかなと思います。
マスター:それでも、どうしても行けない、難しいという方には他に方法はありますか?
地域のイベントに参加させて頂いたり、出張して体力測定もさせて頂いたりもしています。
マスター:これは葛飾区のほうから委託されて、公の機関として税金が投入されているから、無料でできるんですよね。だから利用させて頂かないと。
(14か所ある)高齢者総合相談センターでは、それぞれのやり方で認知症予防や介護の予防、あるいは体力を測定するようなイベントも企画されている。毎回言っていますが、高齢者総合相談センターに電話さえすれば、いろんな相談に乗ってくれる、そこからスタートできるということを多くの人に知ってもらいたいよね。
なかまゲスト
葛飾区介護サービス事業者協働組合 かつしかグループホームそよ風 岡本さん
葛飾区介護サービス事業者協議会とは
マスター:葛飾区介護サービス事業者協議会とは、葛飾の中で190法人くらいのほとんどの事業者さんが加入している任意の団体で、グループホーム部会(地域密着部会)、ケアマネさんたちとかの居宅介護の部会、デイサービスの訪問の部会など6つくらいに部会が分かれています。福祉行政の一端を担おうということで、葛飾区とも連携しながら、団体みんなでレベルアップして区民にいいサービスを提供していこうとしています。
グループホームってどういうところ?
マスター:知らない方も多いので、グループホームについて説明してもらっていいですか。
グループホームというのは、認知症高齢者の方の施設、いわゆる老人ホームの一種になると思います。入居要件が3つありまして、ドクターから認知症の診断を受けているのがまず1つ目。2つ目が要支援2以上の介護認定が出ていること。地域密着型サービスということなので原則的には葛飾区内にお住まいの方、これが3つ目の要件になります。
マスター:これはあくまでも原則的。例えば江戸川区とか足立区の方とかでも行政がそういう事情ならと認めたものに関しては特例も設けてくれています。あと特徴はありますか?
みなさん気になる利用料金についてご説明します。介護負担割合によって少し変わりますが、例えば要介護2で負担割合1割の方で毎月18万円前後が相場というところですね。
マスター: 18万円前後と言ったのはお部屋代の差で、それはホームによって聞いてみてもらうという形ですね。
店長:特別養護老人ホーム(特養)とかを考えたときに、違いというところですよね。
特養はたくさんのご高齢者の方を少ない人数で効率的にケアをしていこうという側面があって、中心になるのはやはり三大介護と言われている食事の介助、あるいは入浴であるとか排泄の介助ですね。こういったものが最低限あれば人間は生きていけるであろうというところで効率的にケアをしていく。グループホームは三大介護はもちろん、その人の生活者としての側面というのをしっかりとケアしてあげられる施設ということではないでしょうか。
マスター:ご飯を一緒に作るとか、家庭的な家で生活しているのに近いイメージ。職員さんの数も支援してくれるみんなの人数も多いんですよ(3名に対して1名の介護職員)。
あと、特養は本当に介護度が重たくなった方しか入れないという位置づけになっています。
「自立の支援」がキーワード
マスター:グループホームだからこそできる、特に「自立支援」というキーワードがある。
簡単に言ってしまえば、今は一人でできなくなってしまったかも知れないけれど、どうすれば支援を得て自分でできるようになるか、というところを目指しているというのが基本的な考え方です。例えば、一緒にスーパーに買い物に行って、今日のご飯は何を食べようか、じゃ何を買わないといけないね、と選ぶ。お一人だとなかなか難しいですが、職員が付き添って何人かのグループで一緒にワイワイ買い物する。こんなのが自立支援の一例かなというふうに思います。
マスター:その人が有する能力って人によって違う。買い物に行けなくても部屋の中で一緒にこれを準備しようとか、それぞれのできる能力の中で一緒にやる。だから、そこまではできないからと思わないで安心して相談してください。
介護の現場について①働く環境
マスター:マスコミなどで介護現場は大変だと、そればかり強調し過ぎの部分もあるので、実際はかなりちゃんと行き届いているということも伝えたいよね。働いているスタッフさんたちの環境について教えてくれますか。例えば、働く時間帯を具体的に言うと?
常勤者でも週5日ですね。うちはシフト制なので毎週2日という感じではないんですけど、月に9公休を取れるというのが原則ですね。(残業も)そんなにないですよ。有給休暇を使うのも人がいる時いない時で分かれますけど、うちの会社だと有給休暇とはまた別にリフレッシュ休暇というものが設定されています。
マスター:うちは人数がたくさんいるので、有給休暇に関しては100%に近いくらい自由に取ってもらっているし、働く条件もかなりいいんじゃないかなという感じはしています。だから、変な固定観念は持たないで欲しいですね。
店長:イメージじゃなくて、ご自身でご覧になってみて決めるのが良いと思いますよ。
マスター:イメージ変わるよね、きっと。それだけ自信持ってスタッフさんたちみんなが、おじいちゃんおばあちゃんの楽しい環境を作ろうと頑張ってくれているので、ぜひ見に来て欲しい。
そうですね。あとは年齢の部分でも、お歳になっても働けるという側面があるんですよね。
店長:逆にそれがメリットになる場合もありますね。経験もしているし、なんか安心します。
まさにそうだと思います。職員だけど入居者さんと歳がすごく近いとか。歳をとったら、うちに入ってねと言っています(笑)。
介護の現場について②やりがいや楽しさ
マスター:現場スタッフのやりがいや仕事の楽しさについて教えてください。
介護って言葉でいうと、ご飯作って食べさせてあげるとかオムツ交換してあげるとか、お風呂で洗ってあげる。そうすることでおばあちゃんたちは「ありがとう」と言ってくれるから否定するわけじゃないですけど、そこを超えたところに本当の魅力があるのかなと。その魅力は、入ってきてくださったご高齢者の方を元気にすること。うちのホームに入って自立の支援を受けたら自分でこんなことできるんだと、そういうその人の力を発見した時に、とても嬉しい気持ちになりますよね。
店長:子供もそうですけど、やっちゃダメ危ないから私が取りに行くからって家でやっていると、自分は役割がないのかなってね。
要介護状態だし認知症もあるから何もできない、という目で見ていたら実際そうなってしまう。でも決してそうじゃない、本当にいろんなことが出来るんですよ。支援する側はそこをしっかりと見つけて、そこが立つように環境整備をしてあげて、とにかく褒める感謝する。そうすることで、入居者さんは自分の人生にまた自信を取り戻すことができるんです。
店長:人間がいちばん寂しいと感じるのは、自分自身がなんの役割も果たせなくなった時だと私は思うんですよ。
マスター:ほんとにそう思う。でもやっぱり家庭の中だと忙しくてついつい家族がやっちゃった方が早いので、「いいわよ」って言うんだけど、グループホームの場合には職員がたくさんいて時間もゆとりを持てるので、出来ることを一緒に探して、それで一緒になってやって「ありがとう」って言う。そこまで頑張っているんだよね。これがやりがいだよね。
介護についての悩みやご相談など、なんでも結構です。
ぜひ番組までメールください。