03医師の診察を受ける

医師の診察を受ける

気になることがあれば、まずはお医者さんに相談したり検査を受けてみましょう。

検査をしてみたら認知症ではなく、他に原因があった というケースもあります。
また、現在 認知症の約半数を占めるアルツハイマー型認知症には、症状の進行を遅らせる薬があり、早めに服用するほどその効果も期待できます。 認知症の早期発見のためには、専門医に診てもらうことが大切です。
最近では「もの忘れ外来」や「認知症外来」などの専門外来を設けている医療機関も増えてきました。 精神科、神経内科などでも認知症の診療を担当していますが、医療機関によっては認知症の専門医がいない場合もあるので、電話などで確認をしてみましょう。
また、問診などで認知症が疑われる場合、正確に診断するためにはSPECT(脳血流シンチグラフィ)やCT(コンピュータ断層装置)、MRI(核磁気共鳴コンピュータ断層装置)などによる脳の画像が有力な手がかりになりますので、こうした医療機器を備えている病院を選ぶようにするとよいでしょう。
かかりつけの医師に相談し、認知症の専門機関を紹介してもらう方法もありますし、最近ではインターネットでも検索できるようになっています。

お医者さんを探すには

専門医一覧(日本認知症学会ホームページ)
認知症地域支援マップ(e-65ネット)

病院へ行く時に

本人の自尊心に配慮を

”認知症の相談のため”というのは家族もなかなか言い出しにくいし、本人も抵抗を覚える場合があります。
それでも、嘘をついたり、無理やり病院に連れて行ったりすると、家族との信頼関係が崩れ、その後の治療が難しくなることがあります。
”家族が心配していること、病気を早く見つけて治すためには受診が欠かせないこと”を伝え、本人を納得させた上で病院へ連れて行くようにしましょう。
その際、”最近おかしいから”という言い方ではなく、”健康維持のために、一度一緒に検診を受けてみましょう。”と勧めたりするとよいでしょう。

症状を記録し、まとめておきましょう

認知症は本人や家族への問診と知能テスト・画像診断・血液検査などの結果を総合的に判断し、診断がなされます。
問診では、まず患者の状態を身近で見ている家族から情報を得た上で、その結果をもとに本人に話を聞くのが一般的です。
家族はこれまでの病歴、いつごろからどのような症状が出始めたか、現在何に困っているかなどを、記録・整理しておくとよいでしょう。

診断を受けてから

”認知症でしょう”と言われた、あるいは逆に”大丈夫でしょう”と言われた。
-でも、納得がいかない。
そういう時は、よくお医者さんと相談してみましょう。
違う病院でセカンド・オピニオンを受ける、時期を改めて再度受診する という方法もあります。
認知症と診断されれば、やはり本人も家族も少なからずショックを受けるかもしれません。でも認知症は病気なので、本人のせいではなく、ましてや家族の接し方のせいでもありません。現実を受け入れ、気持ちを切り替えていくことが望まれます。
診断を受け治療する目的は「本人も家族も、健康で心穏やかな生活を少しでも長く維持すること」です。
そのためにも、できるだけ早いうちから認知症との付き合い方を工夫し、得られる支援をうまく活用していくことが大切になるのです。